グランアレグリア、デゼル脱落の「社台グループ生産馬」に激走サイン!? ヴィクトリアマイル(G1)で波乱を呼ぶ穴馬

 今週行われるヴィクトリアマイル(G1)は、先週のNHKマイルC(G1)がサンデーレーシング&ノーザンファームの上位独占だったこともあり、同じサンデーレーシング&ノーザンファームのグランアレグリアに注目が集まっている。

 安田記念でアーモンドアイを一蹴した実績、マイルCS(G1)を圧勝したレース内容からも、確かに現役最強マイラーの一角と言えよう。

 しかし、このヴィクトリアマイルに歴史を振り返ると、ノーザンファームの生産馬は過去10年で8回1番人気に支持され、2勝6敗と大きく負け越している。

※ヴィクトリアマイル過去10年で1番人気に支持されたノーザンファーム生産馬の成績
2020年 アーモンドアイ 1着
2019年 ラッキーライラック 4着
2018年 リスグラシュー 2着
2017年 ミッキークイーン 7着
2016年 ミッキークイーン 2着
2013年 ヴィルシーナ 1着
2012年 アパパネ 5着
2011年 ブエナビスタ 2着

 一方で、1番人気以外の社台グループの生産馬(ノーザンファーム・社台ファーム・追分ファーム・白老ファーム)は多く馬券に絡んでいる。1番人気で勝利した2頭を含めれば、過去10年で馬券に絡んだ30頭のうち15頭が社台グループの生産馬。その中には穴馬も数多くいるわけで、今週のヴィクトリアマイルは社台グループの生産馬から穴馬を探したい。

 今年出走する社台グループの生産馬は以下の12頭。この中から過去の傾向に該当する激走馬を探す。


※ヴィクトリアマイルに出走する社台グループの生産馬
グランアレグリア
サウンドキアラ
ダノンファンタジー
テルツェット
ディアンドル
デゼル
プールヴィル
マジックキャッスル
ランブリングアレー
リアアメリア
レシステンシア
レッドベルディエス

 過去の傾向から取り上げたいのは、まず重賞実績だ。重賞勝ちの実績はベターだが、マイルの重賞で3着以内の実績が重要、もしくは3歳時に重賞を勝利していれば問題ない。

 さらに前走は阪神牝馬Sや中山牝馬Sなど中央場所の重賞レースで、福島牝馬Sやオープン特別、3勝クラスは消し。そして15頭中14頭が1400m以上のレースから参戦となっている。マイル重賞で3着以内の実績がないランブリングアレーとプールヴィル、3勝クラスを勝ち上がったばかりのレッドベルディエス、前走が福島牝馬Sのディアンドルも消し。

 そして前走が1200mの高松宮記念だったレシステンシア、ダノンファンタジー、サウンドキアラは減点材料だ。

 続いて驚くことに15頭中14頭が前走で敗退しているという事実がある。これは前走で敗退しても、あくまでも前哨戦であり余力を残している方が好走しやすいという意味なのかもしれない。つまり前走で勝利したデゼルとテルツェットはここで減点となる。また15頭中14頭が、前3走以内に3着以内に好走しているのも重要。現在4戦連続で掲示板にも載っていないリアアメリアには大きな減点となる。

 以上の傾向から残ったのは2頭のみ。グランアレグリアとマジックキャッスルである。

 ただしグランアレグリアにはひとつ厳しいデータがある。前走がG1レースだった馬の苦戦だ。前述の15頭で、前走がG1レースだった馬は有馬記念以来のアーモンドアイと高松宮記念だったノームコア、さらに2年連続でドバイ遠征帰りだったブエナビスタのみ。さすがにG1レース後の反動も懸念されるし、他のドバイなど海外遠征組もすべて敗退している。

 グランアレグリアは4月4日の大阪杯以来で十分な間隔があったとは言い難く、かなりの激戦だったことを考えると、やはり見えない疲れが懸念される。

 以上の傾向から、今年のヴィクトリアマイルで注目すべき社台グループの生産馬は「マジックキャッスル」だ。

 3歳時は東京のマイル重賞クイーンC(G3)で2着、その後は秋華賞(G1)2着、愛知杯(G3)1着、阪神牝馬S(G2)2着と実績もローテーションも申し分ない。

 前走の阪神牝馬Sは、デゼルを上回る上がり32秒4の最速を記録して同タイムの2着に好走しており、時計勝負も歓迎。しかも今回は関東圏のレースなので輸送の負担も軽減される。

 父ディープインパクト産駒はヴィクトリアマイルで最多タイの4勝と相性が良く、同馬を生産した社台ファームは、今年の古馬牝馬重賞で3勝(愛知杯・中山牝馬S・阪神牝馬S)と勢いに乗っている。グランアレグリアとデゼルの対決が注目を集める今年のヴィクトリアマイルは、その2頭ではなく「マジックキャッスル」こそが狙いだ。(文=仙谷コウタ)

<著者プロフィール>
初競馬は父親に連れていかれた大井競馬。学生時代から東京競馬場に通い、最初に的中させた重賞はセンゴクシルバーが勝ったダイヤモンドS(G3)。卒業後は出版社のアルバイトを経て競馬雑誌の編集、編集長も歴任。その後テレビやラジオの競馬番組制作にも携わり、多くの人脈を構築する。今はフリーで活動する傍ら、雑誌時代の分析力と人脈を活かし独自の視点でレースの分析を行っている。座右の銘は「万馬券以外は元返し」。