朝の韓国ドラマが『ラヴィット!』より高視聴率…民放最下位でも光るテレ東の別次元の戦法

 視聴率“民放最下位”をひた走るテレビ東京。最近はTBSと最下位争いを繰り広げているが、それでもその位置は揺るがない。しかし、近年はその振り切った番組手法が「テレ東ブランド」として信奉され、熱心なファンも多いという。そんなオンリーワンの局の直近の視聴率を覗いてみた。

太川と出川が支える旅バラエティは堅調

 まずはバラエティを見ていこう。近年のテレ東のヒット番組といえば、太川陽介と漫画家・蛭子能収の迷コンビで人気を博した『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』だろう。現在、このシリーズは終了し、後継番組として、田中要次と芥川賞作家・羽田圭介による『ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z』が放送されている。

 ただし、最近は太川を新たに据えてスタートした『バスvs鉄道乗り継ぎ対決旅』のほうが話題のようだ。

「5月5日に放送された『対決旅』第8弾の個人視聴率は4.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)。『1周回って知らない話&今夜くらべてみました「芸能界の気になる」合体3時間SP!』(日本テレビ系)、『くりぃむクイズ ミラクル9 ~2時間SP~』(テレビ朝日系)、『世界くらべてみたら3時間SP』(TBS系)の個人視聴率が6%の中、よく健闘したほうでしょう。ちなみに、フジテレビ系の『逃走中~こどもの日4時間SP~』には0.1ポイント差で勝利しています」(テレビ局関係者)

 また、太川が始めた新たなシリーズも人気だという。

「4月14日には『ローカル路線バス乗り継ぎ対決旅 陣取り合戦』の第4弾がオンエアされました。この『陣取り合戦』企画は、あるエリアの市町村を“陣地”に見立て、スタートからゴールをバスで乗り継ぎながら目指す間に、どちらのチームが多くの陣地をとれるかを競うもの。このときは太川チームとA.B.C-Z・河合郁人率いる河合チームが茨城県を舞台に戦い、視聴率は世帯6.7%、個人3.8%でした。『対決旅』よりは劣るとはいえ、いまだにテレ東の旅番組は太川が支えているといえるでしょう」(同)

 太川のほかにもうひとり、テレ東ではおなじみのタレントがいる。

「5月1日放送の『出川哲朗の充電させてもらえませんか?絶景“古宇利島”から沖縄縦断145キロSP』は世帯7.9%、個人5.2%。ちなみに、セレブモデル・マリエによる枕営業疑惑の告発で騒がれていたさなかの4月17日に放送された『充電』も、世帯8.4%、個人5.2%と堅調でした。世代別でみると50歳以上が圧倒的ではありますが、この日のM2(男性35~49歳)は3.5%、F2(女性35~49歳)も3.8%と、確実に取れています」(同)

『ラヴィット!』より高視聴率の韓国ドラマ

 そんなテレ東だが、平日朝の時間帯はいったい、何を放送しているのだろうか? 7時5分からは子ども番組『おはスタ』、7時30分からは同じく子ども番組『きんだーてれび』、7時35分からは赤ちゃんが楽しめる知育番組『シナぷしゅ』と、完全にキッズと母親層を取り込もうとしている。

 そして、8時からは旅番組『ハーフタイムツアーズ』、裏のNHK連続テレビ小説が終わる8時15分からは韓国ドラマが9時11分まで放送されるなど、徹底した差別化を図っている。

 同じ朝の時間帯、TBSで始まった生活情報バラエティ『ラヴィット!』はニュースを一切取り扱わないという方針を定めているようだが、テレ東の前述の流れはニュースを挟みようがないプログラムが組まれている。もはや他局とは別次元で戦っている気さえしてくる編成だ。

 その中でも功を奏しているのが、韓国ドラマだという。

「手元にあるデータでは、4月16日に放送された宮廷ロマンス時代劇『カンテク~運命の愛~』の視聴率は世帯3.3%、個人1.6%で、裏の『ラヴィット!』よりも高い数字を記録しています。『ラヴィット!』の開始当初、SNSでは『ドラマの再放送をしたほうが視聴率を取れるのでは』と揶揄する意見も散見されましたが、テレ東はまさに、他を排しながら熱狂的なファンを取り込む戦法をとっています」(同)

 これと同じことは、昼間の時間帯にも言えるという。

「平日昼の11時40分から1時間放送されている『昼めし旅~あなたのご飯見せてください~』は世帯2%と、他局に比べるとだいぶ見劣りしますが、固定ファンがついています。さらに特徴的なのが、その後の映画枠『午後のロードショー』。これが、どの日を見ても50歳以上の男性の個人視聴率が3%と、常に楽しみにしているファンがいることがわかります。テレ東ならではのコアターゲットを獲得しているのです」(同)

テレ東深夜の隠れた人気番組とは?

 そのほかに、俯瞰で見て際立ったトピックスを挙げてもらおう。

「深夜帯の隠れた人気番組が、TOKIO・松岡昌宏と博多大吉によるトーク番組『二軒目どうする?~ツマミのハナシ~』です。これを見たさに合わせる視聴者がいるのでしょう、前番組から必ず数字が上がります。放送は土曜の深夜0時50分からと遅いですが、世帯1.7%、個人0.7%は確実に取ります。

 日曜の昼13時は『開運!なんでも鑑定団』の再放送をオンエアしているのですが、『新婚さんいらっしゃい!』(テレビ朝日系)とほぼ同じ世帯5~7%、個人でも3%を稼いでいます。同時間帯で高齢の視聴者をクギづけにしていた『噂の!東京マガジン』(TBS系)が4月からBS-TBSに移行したことも影響しているのかもしれません」(同)

 また、業界人気も高いと言われるオードリー司会によるトーク番組『あちこちオードリー』は、この春から放送時間帯が繰り上げとなったが、その影響はあるのだろうか。

「これまでは火曜の深夜1時35分に放送され、人気を集めていましたが、3月31日からは水曜23時6分という目立つ場所に移動。この“栄転”については若林正恭も番組の中で危惧していましたが、初回は世帯1.7%、個人0.8%、2回目の4月7日も世帯2.1%、個人1.1%と寂しい数字が続いています。裏が『news zero』(日本テレビ系)、『TOKIOカケル』(フジテレビ系)と強敵が揃う中、深夜時代の視聴者以上の上積みがないようです。番組的に言えば、“店”を裏路地から路面の目立つ場所に移転しただけでは難しいということでしょう」(同)

 これまでみてきたように、ほかのキー局が似たような番組で争う中、一味違った戦法を取り続けるテレ東はファンにとってはうれしい存在と言えるだろう。これからも、その“らしさ”だけは失わずにいてほしいものだ。

(文=編集部)