昨年のホープフルS(G1)で2着のオーソクレース(牡3、美浦・久保田貴士厩舎)が、皐月賞(G1)を回避することが6日、所属するキャロットクラブのホームページで発表された。
同馬を管理する久保田厩舎によると先週の追い切り後、状態に不安が見られたため、回避を決定。近日中にノーザンファーム天栄に放牧に出され、立て直すこととなったようだ。
これにより、風雲急を告げたのがライバル陣営の鞍上問題だ。
今年の牡馬クラシック戦線はトップクラスのジョッキーが複数の有力馬をお手馬としており、鞍上問題が多発していた。
C.ルメール騎手はオーソクレース、グラティアス、武豊騎手はヨーホーレイク、ディープモンスター。これ以外にも川田将雅騎手のダノンザキッドとボーデン、北村友一騎手のラーゴム、シュヴァリエローズなどが本番でのパートナー選択を迫られた。
18日の開催が近づくにつれ、徐々に新コンビが発表されたこともあり、各馬の鞍上問題もひとまずは落ち着きを見せつつあった。
だが、オーソクレースの回避でリーディングジョッキーが空くとなると話は変わって来る。皐月賞開催まではまだ日程にも余裕があるため、「鞍上強化」を目論む陣営が出ても不思議ではないからである。
「元サヤ濃厚」と考えられていたのは京成杯(G3)でコンビを組んだグラティアス。松山弘平騎手との新コンビが発表されていたものの、同騎手が騎乗停止によって皐月賞での騎乗が困難になり、新たにM.デムーロ騎手が手綱を執ることが発表されていた。
デムーロ騎手が「代打の代打」だったことを加味すれば、グラティアスとのコンビ復活が最も自然な流れだったかもしれない。
しかし、ルメール騎手のパートナーとして選ばれたのは、岩田康誠騎手とのコンビが決まっていたアドマイヤハダル。同馬はデビューからの3戦で福永祐一騎手が騎乗し、前走の若葉S(L)は初騎乗の松山騎手の手綱で3馬身差の快勝していた素質馬だった。
「グラティアスやボーデンもいただけに、騎乗経験のないアドマイヤハダルとのコンビは少々意外でした。エージェントが同じ武豊騎手から岩田望来騎手が代打となったヨーホーレイクという可能性も考えられましたし……。
ただ、これらすべてがノーザンファーム系の生産馬ということを考えると、各馬に対する評価の序列も見え隠れしているのかもしれません。
前走の若葉Sの勝ち方は素晴らしい内容でしたし、3馬身負かしたシュヴァリエローズは昨年のホープフルSで5着に入った馬。2走前のエリカ賞(1勝クラス)ではディープモンスターを撃破しているように、皐月賞でも惑星と見られていた存在でした」(競馬記者)
アドマイヤハダルは主戦を務めていた福永騎手から松山騎手へと乗り替わり、その松山騎手もグラティアスと流れたように、しがらみが少ない中で選ばれたのが岩田康騎手だった。
「強奪」される格好となった岩田康騎手にとっては気の毒な乗り替わりだが、アドマイヤハダルが「ルメールファースト」で知られるノーザンファーム系の馬となると、騎乗馬のいなくなったリーディングジョッキーが優先されたのも仕方のない話といえそうだ。