「花の37期生」と呼ばれる日も、そう遠くないかもしれない。
3日、阪神競馬場で行われた3R・3歳未勝利は、4番人気のハイモビリティ(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)が勝利。スタート直後から果敢にハナを奪うと、そのまま後続を振り切って初勝利を挙げた。
「ゲートがスムーズではなかったのですが、自分からハミを取ってハナに立って、最後までしのいでくれました。並ばれてからも抜かせないように頑張ってくれました」
レース後、そう相棒を称えた古川奈穂騎手は、これで4週連続の勝利。デビューから約1カ月で早くも新人トップの5勝目となった。女性騎手としての偉大な先輩・藤田菜七子騎手でさえ、デビューイヤーは6勝と苦しんだが、“先輩超え”はほぼ間違いだろう。目指すは女性騎手初の新人王だ。
ただ、活躍が目立っているのは古川奈騎手だけではない。
この日の阪神1R・3歳未勝利は、2番人気のメイショウホシアイ(牝3歳、栗東・高橋亮厩舎)に騎乗した角田大和騎手が勝利。父にダービージョッキーの角田晃一(現調教師)を父に持つ“サラブレッド”が、これで3勝目とこちらも順調なキャリアスタートを切っている。
さらに同日の阪神5R・3歳1勝クラスも、新人の小沢大仁騎手が5番人気のワイズマンハート(牡3歳、栗東・松永昌博厩舎)で勝利。これで4勝目となり、デビュー日に2勝した勢いをそのまま持続させている様子だ。
「今週はローカルがない2場開催でトップジョッキーが東西に集中していますが、そんな中で新人騎手たちがコンスタントに勝ち星を挙げるのは異例なこと。それも実力が突出した1番人気馬ではなく、勝負になりそうな人気上位馬で勝ち切っていることも価値が高いと言えますね。
今日勝った3人だけではなく、永野猛蔵騎手もすでに3勝を挙げていますし、女性の永島まなみ騎手や、176cmの“大型”新人・松本大輝騎手も、すでに初勝利をクリア。今年の新人騎手は乗れてる印象ですし、久々に『花の37期生』と呼ばれるようになるかもしれませんね」(競馬記者)
「花の〇期生」といえば、やはり福永祐一騎手ら「花の12期生」が最も有名だろう。
1996年にデビューした花の12期生は、「天才」と称された福永洋一騎手の息子・祐一騎手を筆頭に和田竜二騎手、古川吉洋騎手、柴田大知騎手など現在でも現役のG1ジョッキーを輩出。他にも現調教師の高橋亮騎手や柴田大知と双子の柴田未崎騎手、中山グランドジャンプ(G1)を勝った常石勝義騎手なども同期となる。
さらに、この競馬学校12期生が「花の~」と呼ばれたのは、そこに3名の女性騎手がいたからだろう。特に細江純子さんは引退後もホースコラボレーターとして『みんなのKEIBA』などに出演。女性騎手のパイオニア的存在としても有名だ。
「実は『花の12期生』と呼ばれる騎手たちが競馬学校を受験した際、後に笠松から中央に移籍した柴山雄一騎手や、現在ワールドプレミアなどの馬主として有名な大塚亮一氏なども受験していたそうです。残念ながら不合格となり、福永騎手らとは道を違えましたが、もし合格していれば、さらにバラエティー豊かな世代になっていたでしょうね」(同)
「気持ち的にも意識しているし、勝ちたいという気持ちでレースに乗れています」
新人トップとなる5勝目を挙げた古川奈騎手は、そうコメントして意欲的な姿勢を示している。残念ながら花の12期生の女性騎手たちは大きな活躍ができなかったが、今年の“花の37期生”をリードするのは、細江純子さんや藤田菜七子騎手が作った「道」を辿る女性騎手になるのかもしれない。