先週、中京競馬場で行われた高松宮記念(G1)は、川田将雅騎手の2番人気ダノンスマッシュが優勝。昨年10着に敗れたレースで1年越しのリベンジを決め、8度目の挑戦にして初の国内G1勝利を手に入れた。
同馬とのコンビでG1タイトルにあと一歩のところまで迫っていた川田騎手。昨年の香港スプリント(G1)では、初騎乗だったR.ムーア騎手がG1勝利に導いていただけに、川田騎手にも思うところはあっただろう。
同騎手は師匠である安田隆行調教師の管理馬で自身の「重賞100勝」を飾るメモリアル。ダノンスマッシュは今後も日本を代表するトップスプリンターとして活躍が期待される。
これに対し、不完全燃焼に終わってしまったのが横山典弘騎手とのコンビで挑んだ4番人気ライトオンキュー(牡6、栗東・昆貢厩舎)だ。
雨中で行われた重馬場の桶狭間決戦。ライトオンキューはフルゲート18頭立てのレースで2枠3番の絶好枠を手に入れていた。好スタートを決めると先行勢を前に見る形で好位の5、6番手につける。手応えを残したまま最後の直線に入ったライトオンキューだったが、一瞬伸びかけたものの直線の半ばで失速。そのままズルズルと後退して17着でゴールした。
そして、レース後に鼻出血を発症していることがわかり、「鼻出血による出走制限」のため、4月28日まで出走できなくなった。
この結果を複雑な思いで知ることとなったのが古川吉洋騎手だろう。
古川騎手とライトオンキューの出会いは19年1月。初コンビとなった庄内川特別(1勝クラス)で勝利を飾り、今年1月のシルクロードS(G3)まで約2年間、苦楽を共にしてきたパートナーだった。
G1に挑戦した昨秋のスプリンターズS(G1)では6番人気で9着と壁に跳ね返されたが、シルクロードSでは他馬より重い57.5キロで2着に好走。古川騎手も本番に向けて手応えを掴んでいたに違いない。
しかし、ライトオンキュー陣営が出した答えは、高松宮記念で横山典騎手へ乗り替わりという結論。勝負の世界とはいえ、古川騎手にとっては「青天の霹靂」ともいえる非情な降板通告だったことは想像に難くない。
「古川騎手と乗り替わりといえば17年のテイエムジンソクが思い出されます。竹之下智昭騎手が主戦を務めたパートナーですが、結果を出せなかったこともあって降板となりました。
このときの竹之下騎手も古川騎手と同じく2年の間、コンビを組んでいたパートナーでした。明日は我が身とは言いますが、今回は自身が同じような流れで別離を経験することとなってしまいましたね」(競馬記者)
大一番で手綱を執ることの出来なかった古川騎手としても、高松宮記念でライトオンキューの好走を願ったに違いないが、鼻出血という予期せぬ結果。実質「不戦敗」となってしまったレースを複雑な気持ちで見守っただろう。
この日は、G1の裏開催となったマーチS(G3)にメモリーコウとのコンビで挑み、3番人気で3着と職務を全うした古川騎手。
いずれにしても、師弟の絆が勝利を呼び込んだダノンスマッシュとは明暗が分かれた高松宮記念だったが、ライトオンキューの次走で古川騎手の再登板はあるだろうか。それとも横山典騎手とコンビ続行となるか。
引き続き注目したい鞍上の行方である。