伝説は繰り返されるのか――。
4月4日、阪神競馬場で行われる大阪杯(G1)は、例年以上に豪華な顔ぶれが揃った。
昨年の春秋マイルG1、スプリンターズS(G1)を制し、G1・3勝を挙げたグランアレグリア、父のディープインパクトに続き、15年ぶりに無敗の三冠馬に輝いたコントレイルが出走を予定。さらに5戦無敗のレイパパレが参戦を表明し、昨年のジャパンC(G1)を彷彿とさせるレースになりそうだ。
これらの3頭は、全て天下のディープインパクト産駒。そんな中、3強に次いで大きな注目を集めるのが、ハーツクライ産駒のサリオス(牡4歳、美浦・堀宣行厩舎)である。
デビュー戦を快勝し、サウジアラビアRC(G3)では1分32秒7という東京芝1600mの2歳レコードをマーク。続く朝日杯FS(G1)も制し3連勝で2歳王者となったが、その後の牡馬クラシックではコントレイルの前になす術がなかった。
直接対決となった皐月賞(G1)では、コントレイルと接戦のうえ2着に惜敗。巻き返しを狙った日本ダービー(G1)でも再び2着と健闘したものの、3馬身差という明確な差をつけられる完敗を喫している。
「世代No.2」としてのイメージがすっかり定着したサリオスに、追い打ちをかけたのがマイルCS(G1)のグランアレグリアだった。
デビューからの3戦が全て1600mであったことに加え、皐月賞、日本ダービーでの敗戦。陣営も「秋はマイル路線中心」と話していたこともあり、マイルCSは背水の陣だったに違いない。
しかし、レースでは後方からの追走となり、外から追い込むも5着。「世代No.2」どころか、古馬の壁にも跳ね返された。
だが、鞍上の松山弘平騎手がサリオスにとっての心強いパートナーとなるかもしれない。
カレンブーケドールに騎乗した27日の日経賞(G2)で斜行したため、来週の4月10日から18日までの騎乗停止処分が下された。有力馬を確保していた桜花賞(G1)、皐月賞(G1)に騎乗できなくなっただけに、今週にかける思いは大きいはずだ。
松山騎手は、昨年の有馬記念でサリオスの姉・サラキアに騎乗しクビ差の2着。11番人気ながら、あわやの接戦を演じている。サラキアは大阪杯の「3強」と同じディープインパクト産駒であったが、サリオスはハーツクライ産駒。遡れば、現役当時「日本の至宝」とまでいわれたディープインパクトを、唯一国内で破ったのがハーツクライであった。
2005年の有馬記念(G1)は、ディープインパクトが単勝1.3倍の1番人気。それまで7戦無敗のクラシック三冠馬に大きな注目が注がれていた。
ハーツクライは、単勝17.1倍の4番人気。前走のジャパンCでは後方13番手から追い込んでの2着と、小回りの中山内回りコースでは届かないという見方が殆どであった。
しかし、これまで追い込みを身上としていたハーツクライが、有馬記念の大一番でまさかの先行。道中3番手を追走し、直線で伸びあぐねるディープインパクトを尻目に、まんまと押し切ってしまったのだ。
皮肉にもこのとき、無敗のディープインパクトに土をつけたハーツクライを勝利に導いたC.ルメール騎手はライバルであるグランアレグリアのパートナーとして対峙する。
それから15年経った今、サリオスは大阪杯という大舞台で父のような勝負強さを見せることができるのだろうか……。