7日、中山競馬場で行われた弥生賞ディープインパクト記念(G2)は、タイトルホルダー(牡3歳、美浦・栗田徹厩舎)が優勝。無敗の2歳王者・ダノンザキッドを破る大金星となった。
レースは10頭立ての芝2000m戦。好スタートを切ったタイトルホルダーは躊躇なくハナを奪った。
前半1000mの通過タイムは62.6秒のスローペースで、バックストレッチからジワジワと加速。騎乗した横山武史騎手が、レース後に「スタートが速いですし、今日の形はイメージ通りでした」と振り返ったように、完璧なレース運びだったといえるだろう。
向正面で少しずつペースを上げる逃げといえば、父・横山典弘騎手のお家芸。捲りを誘発しない絶妙なペースづくりは、まさにDNAが成し得る技なのかもしれない。
直線に入ったタイトルホルダーは、前半の貯金もあり手応え十分。ラスト3ハロンを34.5秒で駆け抜け、まんまと逃げ切った。
タイトルホルダーの勝利で、ドゥラメンテは父として初の重賞制覇。栗田調教師は「操縦性を求めるため中間にクロス鼻革を着けたけど、馬具だけの効果じゃない」と、人馬一体でつかんだ成果を強調している。
「ジョッキーがうまく乗ってくれた」
横山武騎手を労った栗田調教師。とはいえ、“クロス鼻革”装着がタイトルホルダーの勝利に結びついたのも事実だろう。
クロス鼻革は通称メキシカン・ノーズバンドともいわれ、馬の鼻筋部分で2本の鼻革を交差させたもの。1本はハミの上、1本はハミの下で調節されるノーズバンドだ。口向きが悪かったり、顎を交差させる馬に有効といわれ、鼻腔への圧迫が少ない分、呼吸を妨げ難い効果があるという。
今年、最初のG1となったフェブラリーSでは、勝利したカフェファラオが装着。先週、中山記念(G2)を制したヒシイグアスも過去に着用していた馬具で、近年は多くの競走馬に用いられている馬具の一つだ。
過去10年の日本ダービー(G1)でも、クロス鼻革着用馬が3頭優勝。2012年のディープブリランテ、2017年のレイデオロが着用していたことでも知られ、ディープブリランテはクロス鼻革を装着したことで、普段の引き馬などがスムーズにできるようになり、レースでの折り合いに一役買ったという。
そんなクロス鼻革の知名度を大きく上げたのが、2015年のダービー馬・ドゥラメンテの活躍だった。父の“シンボル”ともいえるクロス鼻革で覚醒したタイトルホルダー。その勝利が産駒の初重賞制覇とあらば、父と同じくクラシックを期待するファンも少なくないだろう。
タイトルホルダーの馬名由来は、「選手権保持者」。父、母父、二代母父がダービー馬という理由から名付けられたそうだ。
ドゥラメンテは、皐月賞(G1)、日本ダービー(G1)を制したクラシック2冠馬。タイトルホルダーもまずは皐月賞ということになるが、日本ダービー制覇に向け夢が広がったのではないだろうか。