3月7日、中山競馬場では弥生賞ディープインパクト記念(G2)が行われる。
かつてはクラシックに向けて、最重要トライアルレースと認識されていたが、近年は手薄なメンバーになることも珍しくない。しかし、今年はダノンザキッド(牡3歳、栗東・安田隆行厩舎)の出走で、要注目のレースとなりそうだ。
昨年12月のホープフルS(G1)を制し、2か月半ぶりの実戦を迎えるダノンザキッド。前年の2歳王者が弥生賞に出走するのは2018年のダノンプレミアム以来、3年ぶりのことだ。
現時点で3年前のダノンプレミアムと、今年のダノンザキッドは立ち位置が似ている。ダノンプレミアムも無敗で2歳王者(朝日杯FS)に輝き、3冠の期待がかけられていた。しかし、弥生賞を快勝したものの、皐月賞(G1)は挫跖のため回避。日本ダービー(G1)でも1番人気に応えられず、結局クラシック無冠に終わった。
ダノンザキッドは「ダノン軍団」が味わった3年前の悔しさを晴らしたいところ。そのためにも無敗のまま皐月賞に向かいたい。
中山2000mのコースは前走すでに経験済み。そのホープフルSでは、オーソクレースやヨーホーレイクという強豪馬に競り勝ち、メンバーレベルがやや落ちる今回は楽勝もあり得るだろう。
前走後は、2月5日にノーザンファームしがらきから栗東トレセンに帰厩。坂路で速いところを3本消化し、24日の1週前には栗東CWで僚馬と併せて7ハロン97秒4-11秒7としっかり負荷をかけられた。
安田隆調教師は『スポニチ』の取材に「動きは良かったし、気持ちが入ってきた。レースまでに態勢は整いそう」とコメント。昨年のコントレイルに続く無敗3冠へ向けて、あとは無事にゲートインにこぎつけるだけだ。
2戦2勝で、まだ底を見せていないシュネルマイスター(牡3歳、美浦・手塚貴久厩舎)にも注目したい。デビューは昨年9月の札幌1500mの一戦。中団から早めに動き、4角で2番手に押し上げると、逃げたテンウォークライを差し切り勝ち上がった。
圧巻だったのは、前走中山のひいらぎ賞(1勝クラス)だ。平均ペースで流れる中、中団を追走したシュネルマイスター。4角4番手から、直線力強く伸びると、2着に3馬身差をつけて完勝した。間隔を空けながら大事に使われており、皐月賞へ向けて打倒ダノンザキッドの1番手に浮上してもおかしくない。
「手塚厩舎×サンデーR」という組み合わせは、フィエールマンと同じ。しかし、この馬は距離には不安が残る。父キングマンは、エネイブルの初年度配合相手になるなど、欧州で期待の種牡馬。JRAではこれまで9頭がデビューし、勝ち上がった4頭が合計7勝している。ただ、勝ち鞍は全て1600mまでで、芝ダート合わせて1600mを超える距離は10戦して「0-0-0-10」と結果が出ていない。
シュネルマイスターにとって前走から一気に2ハロンの距離延長は大きな課題。前走に続き鞍上を務めるC.ルメール騎手の腕に期待がかかる。
1月の京成杯で2着に逃げ粘ったタイムトゥヘヴン(牡3歳、美浦・戸田博文厩舎)は、キャリア4戦中3戦が中山2000mというまさに庭とも呼べるコースで、先行力を武器に一発を狙う。
鞍上は前走好騎乗を見せたM.デムーロ騎手から三浦皇成騎手に乗り替わる。三浦騎手がクラシックを目指していたランドオブリバティはデムーロ騎手に奪われる形となったが、タイムトゥヘヴンとの新コンビで皐月賞の権利獲りに挑む。
この他には、京成杯でタイムトゥヘヴンから1.1/4馬身差の3着に入ったテンバガー(牡3歳、栗東・藤岡健一厩舎)。ホープフルSでは、ダノンザキッドの4着に敗れたタイトルホルダー(牡3歳、美浦・栗田徹厩舎)。2連勝中でメジロ牝系が魅力のワンデイモア(牡3歳、美浦・国枝栄厩舎)などが出走を予定している。
弥生賞に出走した馬の皐月賞制覇は2010年のヴィクトワールピサまでさかのぼるが、今年はダノンザキッドがこのまま春のクラシックに突き進むのか。それとも伏兵が金星を挙げるのか。注目の弥生賞ディープインパクト記念は7日の15時45分に発走予定だ。