今週末(現地時間19~20日)には“石油王国”サウジアラビアで、第2回「サウジCデー」が開催される。キング・アブドゥルアズィズ競馬場には、世界中から“一獲千金”を狙う強豪馬が集結する。
最大の注目は、メイン競走『サウジC』だろう。賞金総額2000万ドル(約21億円)、1着賞金は1000万ドル(約10億5000万円)という世界最高賞金の一戦である。
ダート1800mを舞台に行われるこのビッグレースには、日本からチュウワウィザード(牡6歳、栗東・大久保龍志厩舎)が参戦する。
これまでダートの中距離路線を中心に走ってきたチュウワウィザード。国内では18戦して、「10-3-4-1」という好成績。唯一の着外も4着で、大崩れすることなく堅実に走ってきた。
前走のチャンピオンズC(G1)では、2着のゴールドドリームに2馬身半差をつける完勝を収め、中央のG1を初制覇。鞍上は引き続き戸崎圭太騎手が務め、10億円超の賞金ゲットを狙う。
とはいえ、チュウワウィザードが越えるべきハードルは少なくない。同馬にとって海外遠征は今回が初めてで、砂の質が合うかも未知数。そして、コロナ禍において陣営には通常とは違う制約も多々あるだろう。
昨年開催された第1回のサウジCでは、日本馬が2頭参戦。ゴールドドリームが6着、クリソベリルは7着と期待に応えることはできなかった。それでもそれぞれ5000万円以上の賞金を獲得。その挑戦自体が陣営には大きな財産になったはずだ。
昨年のサウジCは、マキシマムセキュリティという大本命がゴール前の競り合いを見事制した。しかし、今年は絶対的な存在がいない。有力馬を強いて挙げれば、2020年の仏ダービー(G1)馬ミシュリフ(牡4歳、J.ゴスデン厩舎)と今年のペガサスWC(G1)を制したニックスゴー(牡5歳、B.コックス厩舎)あたりか。
ミシュリフは、前走の英チャンピオンSで8着に敗れ、連勝が3でストップ。しかし、キャリア唯一のダート戦でもある昨年のサンバサウジダービーでは2着に好走している。ちなみに、そのレースを優勝したのが武豊騎手騎乗のフルフラットだった。ミシュリフは、それ以来のダート戦で1年前の悔しさを晴らしたい。
ニックスゴーは昨年2月から4連勝中と勢いに乗る。アメリカ産馬らしく、持続力に秀でたスピードタイプで、2走前のブリーダーズCダートマイルではレコード勝ちを収めた。5連勝で10億円ゲットはなるか。
他には、昨年5着馬のタシトゥス(牡5歳、W.モット厩舎)がリベンジを狙う。1年前は後方から最後までジリジリ伸びており、好位から競馬ができれば、一発の可能性も。いずれにしても、チュウワウィザードには十分勝機がありそうなメンバー構成といえるだろう。
他のレースにも日本馬が登場する。サウジCの直前に開催される6ハロン戦の『リヤドダートスプリント』だ。
出走するのはジャスティン(牡5歳、栗東・矢作芳人厩舎)、コパノキッキング(セ6歳、栗東・村山明厩舎)、そしてマテラスカイ(牡7歳、栗東・森秀行厩舎)の3頭だ。
ジャスティンとコパノキッキングにとってはこれが海外初挑戦。ジャスティンはとにかく砂を被らないことが好走するための絶対条件。ハナを切って自分の競馬をすれば、しぶとさを発揮するだろう。鞍上・坂井瑠星騎手の思い切った手綱さばきに期待したい。
一方、コパノキッキングの手綱を取るのは、日本でもお馴染みW.ビュイック騎手だ。ここ3走は差す競馬で勝ちあぐねているが、もともと先行してしぶといタイプ。テン乗りのビュイック騎手がどう乗りこなすかも見ものだ。
マテラスカイは、今回で海外競馬が5度目という大ベテラン。昨年のサウジアCでは、惜しくもクビ及ばず2着に敗れた。1年越しの雪辱は戸崎騎手に懸かっている。
このほか、ダート1600mが舞台の『サウジダービー』にはピンクカメハメハ(牡3歳、栗東・森秀行厩舎)が出走を予定。昨年7月の新馬戦で勝ち上がって以降は5連敗中で、成績は頭打ちという状況。初ダートで活路を見いだせるか。
なお、藤田菜七子騎手は、19日に行われる国際騎手招待競走の『インターナショナル・ジョッキーズ・チャレンジ』に出場予定。男女7人ずつの計14人が、1400m、1600m、1800m、1200mのダート4レースに騎乗し、合計ポイントで争う。
対戦するのは、ビュイック騎手のほか、C.デムーロ騎手、S.フォーリー騎手など日本でもお馴染みの一流騎手たち。藤田騎手は、昨年の同チャレンジ選出後に落馬骨折のため、出場を断念していた。昨年のうっ憤を晴らし、その実力を世界にもアピールしたいところだ。
初日は藤田騎手の手綱さばき、2日目は日本馬5頭の走りに注目が集まる今年のサウジCデー。最注目のサウジCで10億円超の賞金を手にするのは果たしてどの馬になるのか。21日のフェブラリーS(G1)を前に、この週末は寝不足の競馬ファンが続出すること間違いなしだ。