朝ドラ『おちょやん』みつえと福助の“禁断の恋”を演じる東野絢香と井上拓哉とは?

 竹井千代(杉咲花)と天海一平(成田凌)の努力の甲斐があり、無事に劇団の旗揚げが叶ったNHK連続テレビ小説『おちょやん』。その矢先に須賀廼家千之助(星田英利)のわがままで「手違い話」をすることになった2月8日(月)~12日(金)を振り返ろう。

千之助とのアドリブ合戦に土壇場で勝利

「手違い話」とは、呉服屋の主人と使用人が泥棒に右腕を切られたことから始まる物語。医師が急いで腕を取りつけるが、互い違いに取りつけてしまったため、相手の意思で自分の腕が動いてしまうという話だ。

 舞台に立つのは、歌舞伎出身で見得を切る癖が抜けない小山田正憲(曽我廼家寛太郎)、歌劇団出身で歌って踊りながら演技をする石田香里(松本妃代)、東京の劇団にいたプライドの塊の高峰ルリ子(明日海りお)と、個性的なメンバー。

 興行初日の芝居中、千之助は退屈そうな客を見て、急遽アドリブを連発する。突然の出来事に他の役者たちは唖然とするが、千之助ワールドに引き込まれた客席は爆笑に次ぐ大爆笑。しかし、幕が降りた後に千之助と他のメンバーが衝突し、「台本がないと芝居ができないのは5流」と言われた高峰は「劇団を辞める」と出て行った。

 かつて高峰が福富でお世話になっていたことを知る千代は、福富楽器店で打ち上げを開いた。そして、女将の菊(いしのようこ)に、劇団に戻るよう高峰を説得してほしいと頼むが、「本当にあの人が必要なら、自分からお願いしに行くのが筋じゃないのか」と断れる。翌朝、千代は一平と一緒に高峯が泊まる宿を訪ねた。

 高峯は花菱団でいざこざを起こして行き場をなくし、背水の陣で鶴亀家庭劇に入団したが、すっかりやる気をなくしていた。2人の説得は届かず、団員たちに一部始終を報告すると、団員たちも次々に複雑な思いを吐露する。

「自分たちは高峯と同じだ」と嘆く団員たちに、一平は「半端者ばかりの集まりだからこそ新しい芝居ができるんだ」と語った。すると、菊が、高峯は本当は芝居が心底好きで、お茶屋時代はよく芝居の練習役をやらされていたと教えた。

 千代はすぐに高峯のもとへ行き、劇団に戻ってほしいと頭を下げた。すると、高峯は、婚約者に取り入ろうとした新人女優の顔を叩いたら話が大きくなり、首を絞めたことになったといういきさつを明かした。そして、「本当のことを言っても信じてもらえないのはつらい。それに、あなたは彼を取った女優に似てる」と千代をにらんだ。

 嫌われている理由がわかった千代は、笑いながら「絶対に高峯を裏切らない。こんなことで役者をやめたらアカン」と励ました。

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 高峯が戻り、2日目の本番を迎えようとしていたとき、千之助は団員たちに「笑いが取れないなら何もするな。お前らは用なしや」と言い放った。千代が反論し、千之助と他の団員たちによる戦いが始まった。

 しかし、相変わらず芝居で笑いを取るのは千之助ばかりで、アンケートでもおもしろかった役者には千之助の名前ばかり。まったく太刀打ちできないまま、最終日を迎えた。

 荒れる千代の前に現れたのは、師匠の山村千鳥(若村麻由美)。文句を言いに来た千鳥に、千代はすがる気持ちで千之助に勝つ方法を聞くが、「笑いで千之助に勝つのは100万年早い! だからダメなんだ! 演じることは役を愛した時間そのものだ!」と叱咤された。

 それで、千代たちは向き合うべきは自分の演じる役だと気づき、一晩かけて役の人物像を分析して最後の舞台に挑んだ。

 芝居が順調に進んでいく中、客席に須賀廼家万太郎(板尾創路)を見つけた千之助はいつもより激しくアドリブを加え、それに負けじと千代たちもアドリブを連発。思わぬ窮地に追い込まれた高峰は、花菱団での黒歴史を持ち出して自虐ネタで笑いをかっさらい、千代のアドリブでハッピーエンドなオチがつき、大きな拍手の中で幕を閉じた。

 アンケートでは、団員たちの名前がチラホラ。ようやく、千之助は団員たちを仲間と認めた。そして、鶴亀家庭劇は社長に認められ、千代は万太郎に一目置かれるようになった。

岡安のみつえと福富の福助が駆け落ち?

 今週は鶴亀家庭劇から少し離れて、ライバル関係にある岡安家と福富家の話がクローズアップされる。物語の中心は、岡安の一人娘の岡田みつえ(東野絢香)と、福富のひとり息子の富川福助(井上拓哉)の2人。子どもの頃から犬猿の仲だと思われていたが、実は相思相愛の関係だった。

 みつえに縁談話が舞い込んだために、2人の恋はスピードアップ。千代たちを巻き込んで、大きな展開を見せるというものだ。

 しっかり者のみつえを演じる東野は2019年デビューの新人女優。養成所時代から将来有望な役者の卵に贈られる賞を獲得する実力派だ。デビュー後は舞台を中心に活動しており、テレビドラマ2作目となる『おちょやん』でみつえ役に大抜擢された。

 一方、福助を演じる井上は、関西を中心に活躍する俳優集団「劇団Patch」のメンバーのひとり。12年にデビューしてから数々の舞台で活躍する傍ら、テレビドラマや映画にも出演している。また、朝ドラの隠れ常連と言ってもいいくらいの俳優で、『あさが来た』『べっぴんさん』『わろてんか』『まんぷく』といった作品にも出演している。

 決して結ばれてはいけない家に生まれた2人。みつえと福助のラブストーリーは、朝ドラ版『ロミオとジュリエット』となるのだろうか? 2人の恋の結末を見届けよう。

(文=安倍川モチ子/フリーライター)