グランアレグリアはアーモンドアイ級!? JRA大阪杯参戦で検証!牝馬マイル王は芝2000mのG1に通用するのか?

 2020年に安田記念(G1)、スプリンターズS(G1)、マイルCS(G1)を快勝し、現役最強スプリンターおよび最強マイラーの座を不動とするグランアレグリアの、大阪杯(G1)参戦が所属するサンデーレーシングから発表された。

 無敗のクラシック三冠を達成したコントレイルとの初対決は、昨年のジャパンCのコントレイルVSアーモンドアイを彷彿させる一戦となるだろう。

 アーモンドアイはどちらかといえば中距離馬という印象が強い。それだけに1200mと1600mの古馬混合G1レースを勝利している牝馬のグランアレグリアが芝2000mの大阪杯を勝利すれば、その価値は計り知れない。ゆえにファンの注目は同馬が芝2000mでどんなパフォーマンスを出せるのかに尽きる。今回は過去の事例を踏まえながら、グランアレグリアの可能性について触れてみたい。

 基本的に安田記念やマイルCSなどの古馬混合マイルG1レースを勝利した牝馬は、牡馬と比較して距離を伸ばして2000m以上のG1レースに挑戦する例が少ない。逆に牡馬はダイワメジャー、モーリス、アグネスデジタルなど多くの馬が、マイルのG1レースと2000mのG1レースを勝利しているので、牝馬は牡馬よりも距離の壁が意識されていると思われる。

 それを反映してか、1990年以降に芝1200mの高松宮記念、スプリンターズS、芝1600mの安田記念、マイルCS(牝馬限定のヴィクトリアマイルは除く)のいずれかを勝利した牝馬で、芝2000mの古馬混合G1レースを勝利したのはウオッカだけだ。

 しかし、そのウオッカは、グランアレグリアのようにスプリンターズSを勝利していないので、もしグランアレグリアが大阪杯を勝利すれば、芝1200m・1600m・2000mの古馬混合G1レースを制した、JRA史上初の馬となる。

 グランアレグリアはデビューから1200~1600mのレースしか使っておらず、今回は一気に400m延長の2000m戦。しかし稍重馬場の安田記念を1分31秒6で走破し、上がり33秒7を記録するなど、基本的な性能は規格外だ。過去の例を見ると、スピードとスタミナを要求される東京マイルの安田記念を勝利した馬は、芝2000mのG1レースも勝利している例が多い。それらの馬と安田記念の走破時計(上がりタイム)を比較すると、グランアレグリアの可能性がわかる。


■安田記念の時計比較

グランアレグリア 1分31秒6(33秒7)稍重

ニッポーテイオー 1分34秒2(記録なし)良
ヤマニンゼファー 1分33秒5(35秒6)良
アグネスデジタル 1分32秒1(33秒7)良
ダイワメジャー  1分32秒3(34秒4)良
ウオッカ     1分32秒7(34秒0)良
ジャスタウェイ  1分36秒8(37秒1)不良
モーリス     1分32秒0(34秒5)良
※2勝しているヤマニンゼファーとウオッカは速い方のタイムを掲載


 馬場の差はあれど、良馬場のモーリスよりも圧倒的に速いタイムだ。以上のように時計の比較では、過去に安田記念と芝2000mの古馬G1レースを勝利した牡馬を凌駕している。これだけでも十分にグランアレグリアが持つ能力は、芝の2000mで通用することがわかる。同様にマイルCSでも比較してみよう。


■マイルCSの時計比較

グランアレグリア 1分32秒0(33秒2)良

ニッポーテイオー 1分34秒9(記録なし)良
アグネスデジタル 1分32秒6(34秒3)良
ダイワメジャー  1分32秒7(34秒5)良
カンパニー    1分33秒2(33秒5)良
モーリス     1分32秒8(33秒1)良


 この比較でもグランアレグリアが過去の名馬を圧倒している。これまでの成績からは、古馬混合芝2000mのG1レースを勝利できるだけのポテンシャルがあることは間違いあるまい。

 さらに血統的な裏付けもありそうだ。父ディープインパクトは偉大な名種牡馬で、芝2000mのG1レースを数多く勝利している。大阪杯(G1)は産駒のアルアインが勝利し、G2時代にもアンビシャス、ラキシス、キズナが3年連続勝利を決めるなどコース適性は抜群。母の父Tapitはダート系種牡馬で、日本国内ではダートに良績が集中。芝2000mではわずか1勝と心もとない。とはいえグランアレグリアの成績や走りはディープインパクトの血が濃く出ており、芝2000mが大きくマイナスになるとは考えにくい。

 そして鞍上は百戦錬磨のクリストフ・ルメール騎手。今年も絶好調でその実力に陰りは見られない。ただ本人はグランアレグリアの距離適性に対して、過去のレースで以下のようにコメントしている。

1600mのデビュー戦勝利後
「距離はもう少し長くても大丈夫」

桜花賞勝利後
「オークスの2400mは難しい」

スプリンターズS勝利後
「マイルがベスト」

 サラブレッドは成長によって距離適性が変わってくるものの、このコメントからは1600~1800mあたりがベストで、2000mはギリギリかと思われる。

 最後に大阪杯が行われる阪神内回り2000mは、スタートしてすぐにコーナーがあり、また内回りコースのため直線が短い。グランアレグリアは内回り1400mの阪神C(G2)を圧勝しているが、スタートで遅れることも何度かあり、相手のレベルが段違いなこのコースで出遅れは致命的になる。

 現状、仕上がり具合などを抜きにして考えると、芝2000mはこなせるものの、スペシャリスト相手には一歩割引というのが正直な印象だ。大阪杯はそのスペシャリストが多数揃う一戦、特に芝1800~2000mがベストのコントレイル相手では、やはり苦戦は免れないだろう。

 しかし、近年は距離適性に固執する傾向が強く、こういったチャレンジはなかなか見られなかった。実際に1200mと1600mのG1レースを勝利したロードカナロアやデュランダルであっても挑戦すらしなかった偉業に、牝馬のグランアレグリアが挑むのである。まずはこの時点で陣営の判断に敬意を表したい。

 大阪杯は4月4日。グランアレグリアが新たな偉業を刻むのか、それともコントレイルが新世代の力を見せつけるのか、今からレースが待ち遠しい。

グランアレグリアはアーモンドアイ級!? JRA大阪杯参戦で検証!牝馬マイル王は芝2000mのG1に通用するのか?

 2020年に安田記念(G1)、スプリンターズS(G1)、マイルCS(G1)を快勝し、現役最強スプリンターおよび最強マイラーの座を不動とするグランアレグリアの、大阪杯(G1)参戦が所属するサンデーレーシングから発表された。

 無敗のクラシック三冠を達成したコントレイルとの初対決は、昨年のジャパンCのコントレイルVSアーモンドアイを彷彿させる一戦となるだろう。

 アーモンドアイはどちらかといえば中距離馬という印象が強い。それだけに1200mと1600mの古馬混合G1レースを勝利している牝馬のグランアレグリアが芝2000mの大阪杯を勝利すれば、その価値は計り知れない。ゆえにファンの注目は同馬が芝2000mでどんなパフォーマンスを出せるのかに尽きる。今回は過去の事例を踏まえながら、グランアレグリアの可能性について触れてみたい。

 基本的に安田記念やマイルCSなどの古馬混合マイルG1レースを勝利した牝馬は、牡馬と比較して距離を伸ばして2000m以上のG1レースに挑戦する例が少ない。逆に牡馬はダイワメジャー、モーリス、アグネスデジタルなど多くの馬が、マイルのG1レースと2000mのG1レースを勝利しているので、牝馬は牡馬よりも距離の壁が意識されていると思われる。

 それを反映してか、1990年以降に芝1200mの高松宮記念、スプリンターズS、芝1600mの安田記念、マイルCS(牝馬限定のヴィクトリアマイルは除く)のいずれかを勝利した牝馬で、芝2000mの古馬混合G1レースを勝利したのはウオッカだけだ。

 しかし、そのウオッカは、グランアレグリアのようにスプリンターズSを勝利していないので、もしグランアレグリアが大阪杯を勝利すれば、芝1200m・1600m・2000mの古馬混合G1レースを制した、JRA史上初の馬となる。

 グランアレグリアはデビューから1200~1600mのレースしか使っておらず、今回は一気に400m延長の2000m戦。しかし稍重馬場の安田記念を1分31秒6で走破し、上がり33秒7を記録するなど、基本的な性能は規格外だ。過去の例を見ると、スピードとスタミナを要求される東京マイルの安田記念を勝利した馬は、芝2000mのG1レースも勝利している例が多い。それらの馬と安田記念の走破時計(上がりタイム)を比較すると、グランアレグリアの可能性がわかる。


■安田記念の時計比較

グランアレグリア 1分31秒6(33秒7)稍重

ニッポーテイオー 1分34秒2(記録なし)良
ヤマニンゼファー 1分33秒5(35秒6)良
アグネスデジタル 1分32秒1(33秒7)良
ダイワメジャー  1分32秒3(34秒4)良
ウオッカ     1分32秒7(34秒0)良
ジャスタウェイ  1分36秒8(37秒1)不良
モーリス     1分32秒0(34秒5)良
※2勝しているヤマニンゼファーとウオッカは速い方のタイムを掲載


 馬場の差はあれど、良馬場のモーリスよりも圧倒的に速いタイムだ。以上のように時計の比較では、過去に安田記念と芝2000mの古馬G1レースを勝利した牡馬を凌駕している。これだけでも十分にグランアレグリアが持つ能力は、芝の2000mで通用することがわかる。同様にマイルCSでも比較してみよう。


■マイルCSの時計比較

グランアレグリア 1分32秒0(33秒2)良

ニッポーテイオー 1分34秒9(記録なし)良
アグネスデジタル 1分32秒6(34秒3)良
ダイワメジャー  1分32秒7(34秒5)良
カンパニー    1分33秒2(33秒5)良
モーリス     1分32秒8(33秒1)良


 この比較でもグランアレグリアが過去の名馬を圧倒している。これまでの成績からは、古馬混合芝2000mのG1レースを勝利できるだけのポテンシャルがあることは間違いあるまい。

 さらに血統的な裏付けもありそうだ。父ディープインパクトは偉大な名種牡馬で、芝2000mのG1レースを数多く勝利している。大阪杯(G1)は産駒のアルアインが勝利し、G2時代にもアンビシャス、ラキシス、キズナが3年連続勝利を決めるなどコース適性は抜群。母の父Tapitはダート系種牡馬で、日本国内ではダートに良績が集中。芝2000mではわずか1勝と心もとない。とはいえグランアレグリアの成績や走りはディープインパクトの血が濃く出ており、芝2000mが大きくマイナスになるとは考えにくい。

 そして鞍上は百戦錬磨のクリストフ・ルメール騎手。今年も絶好調でその実力に陰りは見られない。ただ本人はグランアレグリアの距離適性に対して、過去のレースで以下のようにコメントしている。

1600mのデビュー戦勝利後
「距離はもう少し長くても大丈夫」

桜花賞勝利後
「オークスの2400mは難しい」

スプリンターズS勝利後
「マイルがベスト」

 サラブレッドは成長によって距離適性が変わってくるものの、このコメントからは1600~1800mあたりがベストで、2000mはギリギリかと思われる。

 最後に大阪杯が行われる阪神内回り2000mは、スタートしてすぐにコーナーがあり、また内回りコースのため直線が短い。グランアレグリアは内回り1400mの阪神C(G2)を圧勝しているが、スタートで遅れることも何度かあり、相手のレベルが段違いなこのコースで出遅れは致命的になる。

 現状、仕上がり具合などを抜きにして考えると、芝2000mはこなせるものの、スペシャリスト相手には一歩割引というのが正直な印象だ。大阪杯はそのスペシャリストが多数揃う一戦、特に芝1800~2000mがベストのコントレイル相手では、やはり苦戦は免れないだろう。

 しかし、近年は距離適性に固執する傾向が強く、こういったチャレンジはなかなか見られなかった。実際に1200mと1600mのG1レースを勝利したロードカナロアやデュランダルであっても挑戦すらしなかった偉業に、牝馬のグランアレグリアが挑むのである。まずはこの時点で陣営の判断に敬意を表したい。

 大阪杯は4月4日。グランアレグリアが新たな偉業を刻むのか、それともコントレイルが新世代の力を見せつけるのか、今からレースが待ち遠しい。