パチスロ「大量リーチ目の東の横綱」 ~2号機名機伝説「デートラインZ-1&デートライン銀河」編~【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.35】


 パチスロに液晶などの映像表示装置が無かった時代、ゲーム演出の要となっていたのは言うまでもなく出目である。

 まぁ、演出と言っても、大半のマシンは「ボーナス絵柄がスベってテンパイしたらチャンス」とか、等倍返し(ボーナス成立後に払い出し率を一定に保ってコインの減少を抑制する機能)で出現する小役がリーチ目になったりと、ずいぶんとシンプルなものだった。

 そんな中、当初から緻密なテーブル式リール制御によってパズルのような多種多彩で複雑な出目演出を行っていたのが、「パルサー」シリーズで知られる西の山佐と、「デートライン」シリーズを輩出した東の興進産業である。

 のちにテクノコーシンと社名を変え、4号機の爆裂AT機時代には独創的なマシンを数多く輩出し注目を集めたが、ラスターへと再度の社名変更後、2014には経営難により破産を宣告。業界から撤退した。

 そんな同社の2号機を2機種、今回はご紹介しよう。

 1988年にリリースされた2-1号機『デートラインZ-1』は、2号機では定番のBR両ボーナスとフルーツ(小役の集中役)を持つAタイプ機。

 最大のセールスポイントはもちろん、興進産業の伝統である大量リーチ目。その総数は1500を超えるとされていた。

 もうひとつの特徴はフルーツにあった。継続ゲーム数が20Gと短い分、当選確率が設定1でも108分の1、設定6に至っては58分の1と超激高だったのである。

 ただし、これにはちょっとした裏があった。

 実はフルーツの当選確率は通常時のコインの増減を監視する差枚数カウンタの状態によって変動する仕組みとなっており、カウンタが一定の値を超えていると(=払い出し率が高い状態)、確率が0…つまり抽選されないのである。

 まぁ、そもそも継続ゲーム数も短く、それ自体で相当量のコインを獲得できるというものでなかったので、本機種におけるフルーツは「通常ゲームにちょっとしたアクセントを加える脇役」といったところか。

 『デートラインZ-1』に続いてリリースされた2-2号機『デートライン銀河』も、伝統の大量リーチ目とフルーツを搭載したスタンダードなAタイプ機。

 ただし、フルーツは「銀河ゲーム」と名付けられ、また継続ゲーム数も標準的な60Gに拡大したことで獲得枚数も増加。存在感が大きく増した。

 伝統のリーチ目については、役構成やリール配列の一新により前作とは少々パターンが変わったが、基本的な法則などは歴代マシンのものを踏襲しており、古くからのファンにも違和感を抱かせないよう配慮されていた。

 まぁ、そういった仕様やゲーム性のことよりも、この機種の最大の特徴ともいえる要素が、実はハードウェアにあった。

 なんと、史上初の「スタートレバーの無いパチスロ機」だったのである。

 レバーを廃した代わりに、元々レバーがあった筺体左側の上部に、スタートボタンを装備。それを「ぺしっ」と叩くことでリールを始動させる仕組みとなっていたのだ。

 当時としては非常に斬新な機構で注目を集めたのだが、慣れないうちは空振りすることしきりで、お世辞にも操作性が向上したとは言えなかった。

 なぜ、レバーを廃してボタンにしたのだろうか。ぜひとも当時の開発者にその旨、お話を伺いたいところだが、先述のとおりもう会社が存在しないのだから、パチスロ史における永遠の謎のひとつとなりそうだ。

(文=アニマルかつみ)