JRAは何故2021年「有馬記念の後に」ホープフルSを復活させるのか。意外な事実と「大損」となった今年の失策とは

 

 ファン投票1位のクロノジェネシスが優勝した有馬記念(G1)によって、2020年の全日程を終了した競馬界。歴史的レースとなった11月のジャパンC(G1)に勝るとも劣らない名勝負には、多くのファンが満足して一年の競馬を終えたに違いない。

 グランプリを“大トリ”に、まさに「これぞ競馬」という大団円に終わった今年の中央競馬。しかし、来年からはこうもいかないかもしれない。かねてから物議を醸したホープフルS(G1)が、再び中央競馬開催のラストを飾ることになったからだ。

 2017年からG1に昇格し、開催を12月28日に固定されたことで有馬記念に替わって、一年の競馬を締める役割を託されたホープフルS。しかし、古くから有馬記念を年間最後の競馬と親しんできた多くの競馬ファンからは、早くから反対の声が上がっていた。

 そんなファンの声が届いたのか、今年はG1昇格後初めてホープフルSが有馬記念の前日に開催されることとなり、競馬は有馬記念で終了する従来の形を取り戻したように見えた。

 しかし、来年2021年には再びホープフルSが競馬の大トリを飾ることに……この背景には、一体何があるのだろうか。

「JRAを始めとした競馬界としては、年末の有馬記念開催から、年明けの1月5日前後に開催される金杯までの間隔をなるべく空けたくないという思惑があるそうです。

今年は有馬記念が27日で、来年の金杯まで1週間程度しかないということもあって、26日の土曜日開催に前倒しされたホープフルSですが、来年は有馬記念が12月26日と早まるため28日開催が復活した経緯があります」(競馬記者)

 そうなるとホープフルSの有馬記念前日開催は、残念ながらファンの声が届いたわけではなかったということか……。また、28日開催は「今後も続く」可能性が濃厚なようだ。

「実は、今年のホープフルSの売上は80億3759万8800円で、前年比マイナス43.7%と大幅なダウンとなりました。JRAが今年開催した平地G1の中では、唯一100億円に届かなかった最低の売上です。

また、JRAにはこれまで何度も有馬記念後の競馬開催を試みては、ファンから顰蹙(ひんしゅく)を買ってきた歴史があります。ホープフルSのG1昇格、並びに有馬記念後の開催は、年明け金杯との“間”を繋ぎたいJRAにとっても、大きな大義名分となるわけです。今年のような事情がなければ12月28日の固定開催は当分続くでしょうね」(別の記者)

 つまりホープフルSの有馬記念前日開催は、多くの競馬ファンにとってはよかったが、前年から約62億円の売上ダウンとなったJRA的には失策だったということか。

 これならお得意の「土日月の3日間開催にすればよかった」という声が漏れ聞こえてきそうだ。