明石家さんまが“レギュラー番組0本”になる日…視聴率好調の『さんま御殿』に潜む死角

 明石家さんまが、あきらめ気味に言った。「とうとう来たか、そういう波が」。

 これは、11月21日に放送されたラジオ番組『ヤングタウン土曜日』(MBS)で飛び出した発言だ。

 この日、さんまは、22年続くMBSの長寿番組『ちちんぷいぷい』が2021年3月で終了することに触れ、「来年から制作費もかなり少なくなる、テレビ的にはね。たぶん、ラジオも余波を食らうやろうけど。大変になるよ、コロナのせいって言ったらなんですけど」と言及。コロナ禍による広告収入の落ち込みにより、テレビ・ラジオを取り巻く環境はさらに厳しさを増す、と予想したのだ。

 一方で、さんまが携わるレギュラー番組も決して安穏としてはいられない状況だという。現在、関東のレギュラーは『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)、『ホンマでっか!?TV』『さんまのお笑い向上委員会』(ともにフジテレビ系)の合計3本。最近は好感度が落ちているとも言われるさんまだが、レギュラー番組はどのような状況なのだろうか?

好調『さんま御殿』の唯一の死角

 まずは『さんま御殿』から見ていこう。12月1日放送の個人視聴率は7.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と同時間帯でトップ。わかりやすいように、他の日テレの代表的な番組の個人視聴率と比較してみよう。

 11月29日の『ザ!鉄腕!DASH!!』は8.2%、同日の『世界の果てまでイッテQ!』は9.5%。また、最近は月曜19時の時間帯で“無双状態”となっている『有吉ゼミ』の11月30日が8.0%。これらと比べると『さんま御殿』はやや劣るが、評価できるのは、さんまという個人の冠番組という点だろう。

「タレントによる単独司会のトーク番組でこれだけ数字を取っている番組は、『さんま御殿』だけと言っても過言ではないでしょう。ちなみに、他のゴールデン・プライム帯のトーク番組で言えば、さんまが一目置いているくりぃむしちゅー・上田晋也による『おしゃれイズム』の11月29日は5.1%、翌30日の『しゃべくり007』が6.1%。いずれも22時台と時間帯が違うので一概には比べられませんが、23年続いている『さんま御殿』が、これだけ高い水準を保っているのはすごいですね」(芸能ライター)

 しかし、そんな『さんま御殿』にも死角がないわけではない。たまに物議を醸すのが、さんまの“男女観”だ。時には女性蔑視と揶揄されるなど、槍玉に挙げられている。11月10日の放送では、「最悪だった男の言動」というテーマでトークが進んでいたのだが……。

「女性視聴者からの投稿VTRで、デート中に胃が痛くなってしまったことを告げると、彼氏から『えーっ!?……飯どうしよっかなぁ。俺は食って帰るけど、お前ひとりで帰れる?』と言われたという怒りのエピソードが紹介されました。このVTRを見たさんまは、なぜか共感。『(相手の様子を)見てたら“(自分で)家には帰れるな”と思う』と話し、『(彼女を置いてでも)行きたいところもあるし』と主張。これには女性陣も『えーっ!? デート中ですよ』とドン引き。ゆきぽよが『おうちまで送り届けるとか、少しゆっくりカフェに入って温かい飲み物いる? とか(優しさを見せてほしい)』と言うと、朝日奈央も『それ、それ!』と激しく同意していました」(同)

 もちろん、基本的には個人の考え方の違いなのかもしれないが、さんまの対応については、あまりにも気遣いがないと非難されていた。

「身についた固定観念は変えようがありませんし、それで話が盛り上がることもある。また、スタッフもそうした部分をあえてカットせず、そのまま流している。つまり、これもひとつの視聴率の起爆剤と考えており、“確信犯”であることは間違いないでしょう。ただ、こうした言動は今後、さんまの“アキレス腱”になるとも考えられます」(同)

EXIT投入も不発の『ホンマでっか』

 09年10月にスタートし、11年1月5日放送回では歴代最高視聴率となる19.8%を記録したのが『ホンマでっか』だ。さんまの軽妙なトークと、各分野のプロフェッショナルとの掛け合いが話題を呼び、“尾木ママ”こと教育評論家の尾木直樹氏や、流通ジャーナリストの金子哲雄氏などの人気者を輩出してきた。しかし、すでに12年目を迎え、やや息切れ状態のようだ。

「11月25日は世帯視聴率6.1%、個人視聴率3.3%でした。この原因としては、前の『日本シリーズ ソフトバンク×巨人 第4戦』が長引いたことで放送開始が80分延長され、22時20分からスタートしたためと考えられます。ただ、実は今、『ホンマでっか』は良くも悪くもこの数字が平均値となっているのです。

 開始当初からレギュラーだったマツコデラックスが9月で卒業したことに伴い、10月からお笑いコンビ・EXITが新たに加わりました。番組側としては、女性ファンを大量に持つ人気者を加えて、何とか番組を活性化させたいという狙いがあったのでしょう。しかし、2人の加入が番組内で発表された10月7日は世帯6.8%、個人3.6%でした。さらに、翌週の14日も世帯6.6%、個人3.8%とほぼ変わらなかったのです。つまり、残念ながらEXITの投入もあまり効果が得られなかった。というより、そもそも番組自体の体力が弱ってきていると言ってもいいでしょう」(テレビ局関係者)

『向上委員会』は高額ギャラがネックに?

 土曜23時台に放送されている『お笑い向上委員会』はどうだろうか。さんまをはじめ、今田耕司や雨上がり決死隊・蛍原徹、ネプチューン・堀内健らの芸人たちが予測不可能なトークを展開。本来の進行を無視して、毎回アドバイスを求めてやってくる「向上ゲスト芸人」の出番が飛ぶこともしばしばだ。

「10月31日は、前に土曜プレミアム枠で『ほんとにあった怖い話 2020特別編』が放送されました。同番組は世帯7.2%、個人4.4%だったのですが、『向上委員会』になると世帯3.2%、個人1.8%と激減。また、11月21日は前が松本人志と中居正広によるコラボトーク特番『まつもtoなかい』で、同番組は世帯10.2%、個人5.9%でした。しかし、『向上委員会』になると4%も落ちて、世帯6.2%、個人3.3%。つまり、前の番組の勢いを維持できていないのです。『向上委員会』は今の日本のバラエティの中でもかなり異質というか、マニアック。関西では10%を取ることもあり、人気のようですが……」(同)

『お笑い向上委員会』の視聴率は23時台としては及第点という見方もあるが、ネックなのは、1本300万円とも言われるさんまの高額なギャランティだ。

 奇しくも、さんま自身が言っていたように、今後もテレビ業界の減収が続けば、各局の編成サイドは費用対効果を真剣に考えることになるだろう。その余波が、自身のレギュラー番組にも直撃するようなことにならなければいいのだが……。

(文=編集部)