6日、中京競馬場で行われたダート王決定戦・チャンピオンズC(G1)は、4番人気のチュウワウィザード(牡5歳、栗東・大久保龍志厩舎)が優勝。今年1月の川崎記念(G1)に続く3つ目のビッグタイトルを手にすると共に、嬉しいJRA・G1初制覇となった。
また、鞍上の戸崎圭太騎手は2018年の皐月賞以来、久々のG1制覇。今年は、昨年11月の落馬事故の影響で、5月まで休養を余儀なくされるなど苦しいシーズンを送っていた。それだけに、復活を印象付ける大きなアピールとなったに違いない。
その一方、またも「G1の重圧」を前に不完全燃焼で終わってしまった男がいる。5番人気のクリンチャー(牡6歳、栗東・宮本博厩舎)に騎乗した三浦皇成騎手だ。
今回のチャンピオンズCの上位人気は3歳のカフェファラオを除けば、G1優勝経験のある強豪がズラリと並んだ豪華メンバー。実績十分のチュウワウィザードでさえ4番人気に甘んじ、インティやモズアスコットといったフェブラリーS(G1)勝ち馬に至っては10番人気、11番人気の穴馬という評価だった。
そんな中、G1未勝利の古豪クリンチャーが5番人気に支持されたのは、前走のみやこS(G3)の内容が際立っていたからだ。
チャンピオンズCの前哨戦となったこのレースで好位に取り付いたクリンチャーは、早めにスパートする積極果敢な競馬を見せ、2着馬に3馬身、3着馬には7馬身差をつける圧勝。鞍上の川田将雅騎手が「この馬の特長を活かそうというレースを選択しました」と語った通り、スタミナ勝負に持ち込んで後続をちぎり捨てた。
この結果には、クリンチャー陣営も「とても熱心に、この馬のことを研究してくれた」と川田騎手に感謝感激といった様子。チャンピオンズCでは川田騎手がクリソベリルに騎乗するため、宮本博調教師が「前走が理想的。あれをイメージして乗ってもらうように伝える」と“バトン”を託したのが三浦騎手だった。
しかし、三浦騎手のチャンピオンズCの騎乗は、クリンチャー陣営にとって不完全燃焼だったと述べざるを得ないだろう。
3枠5番から、まずまずのスタートを決めたクリンチャーだったが、外から先行馬が殺到し、ズルズルとポジションを下げていく。結局1コーナーは11番手で通過。後方待機を余儀なくされると、瞬発力勝負に出た最後の直線では、進路を探して右往左往するシーンも見られ11着に大敗した。
「スタート直後は隣にいたエアアルマスの後ろを取りに行ったようですが、思ったよりも前に行けず、外から次々と前に入られたのが結果的には致命傷でしたね。1コーナーではチュウワウィザードに、やや進路をカットされる不利もありました。
ただ厳しい言い方をすれば、ある程度想定できた流れではあったので、もっと積極的にポジションを取り行ってもよかったのかもしれません。
川田騎手も『返し馬で乗って、やはり瞬発力ではないと感じた』と話していましたし、みやこSのようなスタミナ勝負に持ち込みたかった陣営からすれば、瞬発力勝負になってしまった競馬ぶりには、なかなか納得できないでしょうね」(競馬記者)
一方、納得できなかったのは、クリンチャーを応援していたファンも同様のようだ。レース直後からSNSや掲示板には「何故、後ろから?」「あの競馬でどうにかできるわけない」「川田騎手に乗ってほしかった……無理だけど」と、三浦騎手のレースぶりに疑問の声が続々……。
中には「G1の三浦は信頼できない」「三浦騎手だから切った」という厳しい声もあった。
2008年に91勝を挙げ、武豊騎手が持っていた新人最多勝記録を塗り替えるなど、輝かしいデビューイヤーを飾った三浦騎手。昨年は自己最多となる102勝を挙げるなど、今では関東のトップジョッキーの1人に君臨しているが、G1はデビューから通算92連敗……。
特にここ5年間は連対すらなく、ファンの間でもすっかり「大舞台で勝負弱いジョッキー」として認識されてしまっている。
「流れに乗って、3コーナーに入るまではいい手応えでしたが、4コーナーで手が動く形に。左回りで少しスムーズさを欠いたところもあったようです」
レース後、今回の敗戦をそう振り返った三浦騎手。しかし、みやこSの再現を期待していた人々からは「そこじゃなくて……」という声が聞こえてきそうだ。