2020年JRAラスト1か月! 騎手・調教師・馬主・生産者・種牡馬各リーディング争いをチェック!

 12月に入り2020年のJRAも残り4週間となった。例年この時期になると気になるのが、年間リーディングの行方だ。JRAにおいて騎手・調教師・馬主・生産者・種牡馬の年間成績は、それに関わる関係者にとって大きな目標となっている。特に騎手部門と調教師部門の争いは馬券にも直結する要素であり、大いに参考になると言えよう。

 今回は残り4週間となったJRAの各リーディング争いをチェックし、現在のナンバー1候補や注目の陣営、そして逆転の可能性を秘めたライバルについてまとめてみた。


■騎手
1位 C.ルメール 191勝
2位 川田将雅  158勝
3位 福永祐一  125勝
4位 松山弘平  116勝
5位 武豊    105勝

 現在100勝以上をしている上位5名はすべて関西所属騎手。しかし関西5位の武豊騎手(105勝)と、関西6位のミルコ・デムーロ騎手(65勝)の差は40勝もあるのだから、かなりの格差があると言えよう。1位ルメール騎手は騎乗停止や怪我さえなければ、2018年以来の200勝超えとリーディングは確実。ただJRA最多勝記録の215勝を超えるには26勝が必要なので、残り4週間では厳しそう。川田騎手と松山騎手はキャリアハイの過去最多勝利をすでに記録。福永騎手は残り9勝で過去最多更新となる。影の薄い関東は現在1位が横山武史騎手で82勝。2位は吉田隼人騎手の75勝で、この7勝差は逆転の範囲か? 鍵を握るのは3週間の中京開催だろう。

 なお最多賞金獲得騎手は、2位に約14億円の差をつけているルメール騎手で当確。最高勝率騎手はルメール騎手と川田騎手が僅差で争っている。また最多勝利新人騎手は泉谷楓真騎手が17勝、秋山稔樹騎手が16勝と熱い争いになっており、こちらも目が離せない。


■調教師
1位 矢作芳人 51勝
2位 友道康夫 49勝
3位 堀宣行  44勝
4位 安田隆行 42勝(2着38回)
5位 国枝栄  42勝(2着34回)
6位 藤沢和雄 42勝(2着34回)

 騎手と異なり調教師は大混戦。1位と2位の差はわずか2勝で、3位から6位も2勝以内の差となっている。特筆すべきは出走回数だ。現在1位の矢作厩舎は463回、2位の友道厩舎は238回とその差は歴然。出走回数が400回を超えているのは東西を見渡しても矢作厩舎のみ。過去5年の出走回数は平均513回で、過去最多勝利数の57勝超えまで残り7勝、12月はリーディング1位を目指して怒涛の出走攻勢が見られそうだ。逆転を狙う友道厩舎は過去最多の49勝で、初の50勝超えまであと一つ。これは難なくクリアできそうだ。3位争いも注目だが4~6位が面白い。3つの厩舎が42勝で並んでおり、順位は2着の差となっている。これは最後までもつれそうだ。

 なお最多賞金獲得調教師は、2位に約9億円の差をつけている矢作厩舎で濃厚。最高勝率調教師は唯一20%を超えている友道厩舎が優位に立っている。


■馬主
1位 サンデーレーシング 33億4840万円(106勝)
2位 シルクレーシング  32億9137万円(111勝)
3位 キャロットファーム 21億9705万円(108勝)
4位 社台レースホース  19億7764万円(77勝)
5位 ゴドルフィン    16億6169万円(93勝)

 グランアレグリア、ラッキーライラック、クロノジェネシスなどでG1を7勝しているサンデーレーシングが獲得賞金1位。ただし2位シルクレーシングとの差は約5700万円。勝利数は上だけにまだまだ逆転圏内といえる。そこから10億円以上離されたキャロットファームは、今年G1未勝利なのが痛いところ。今週のクリソベリルに期待が高まるが、そこを落とすと8年ぶりのG1未勝利も懸念される。社台レースホースは昨年の106勝から大幅ダウンで現在3年連続G1未勝利。ゴドルフィンは昨年に続く年間100勝まであと7勝だ。


■生産者
1位 ノーザンファーム  141億9014万円
2位 社台ファーム  60億6825万円
3位 白老ファーム  17億6074万円
4位 ノースヒルズ  17億2988万円
5位 ダーレージャパン  12億5792万円

 アーモンドアイ、グランアレグリア、ラッキーライラックなど今年G1レースを10勝しているノーザンファームが断トツの成績。ただしこれでも昨年より現時点で約27億円少ないのだから恐れ入る。ノーザンファームのトップは2012年以降続いており、今後もその勢いが途切れることはなさそうだ。ノースヒルズはコントレイルらの活躍で2011年以来のトップ5復活で、3位白老ファームとは約3100万円差。重賞ひとつでその順位が入れ替わるかもしれない。さらに5位ダーレージャパンと6位下河辺牧場の差は約1億5000万円、7位三嶋牧場はさらに7500万円の僅差。このあたりの順位は最後までわからないだろう。


■種牡馬(全体)
1位 ディープインパクト 72億7654万円
2位 ロードカナロア   38億2470万円
3位 ハーツクライ    27億0753万円
4位 オルフェーヴル   22億1076万円
5位 ルーラーシップ   21億3064万円

 2位に34億円近い大差をつけているディープインパクトが、2012年以来9年連続でリーディング獲得濃厚。グランアレグリア、コントレイル、フィエールマンらの活躍は目覚ましく、この3頭だけで今年G1レースを7勝している。2位ロードカナロアは38億円のうち約6億円をアーモンドアイで稼いでおり、同馬が不在となる来年は正念場。現3歳世代の代表馬がヤマカツマーメイドとパンサラッサというのも寂しい。1~3位までの順位は動かなそうだが、4位オルフェーヴルと5位ルーラーシップの差は約1億円、6位キングカメハメハも差がなく続いており、最後のビッグレース有馬記念次第で順位が折れ替わるかもしれない。


■種牡馬(2020年デビュー)
1位 ドゥラメンテ  3億1948万6000円(28勝)
2位 モーリス    3億1322万9000円(26勝)
3位 リオンディーズ 1億6782万6000円(12勝)
4位 ミッキーアイル 1億5664万6000円(11勝)
5位 マクフィ    1億4296万2000円(11勝)

 今年当初はスタートダッシュに失敗したものの、大方の予想通りドゥラメンテとモーリスが抜けている。社台グループの良血繁殖牝馬が多いため、この成績はある程度想定されていた。現時点で獲得賞金の差はわずか約600万円。来週には順位が入れ替わっていてもおかしくはない。ドゥラメンテ産駒は重賞勝ち馬がいないが、年末の2歳G1にアドマイヤザーゲやジュンブルースカイが出走予定。対するモーリス産駒はインフィナイトが来週の阪神JFに出走を予定しているが、若干駒不足の印象。現時点ではドゥラメンテが2歳リーディングに近い存在と言えよう。4位ミッキーアイルは出走頭数が上記2頭の半分以下だが、産駒メイケイエールが小倉2歳SとファンタジーSを連勝し、来週の阪神JFに出走予定。新種牡馬最初のG1勝利はこの馬かもしれない。


 以上のように現時点でのJRAリーディング争いをまとめてみた。正直のところ、各分野とも例年と大きな変わりはない。しかし細かいところで言えば、最高勝率騎手を争うルメール騎手と川田騎手の騎乗馬の質や騎乗内容、激戦必至の調教師リーディング争いなど、トップレベルで見ごたえのあるレースが見られそうだ。令和2年のJRAも残り4週間。馬だけでなく人の戦いにもぜひ注目してほしい。