いったいC.ルメール騎手を止めるのは誰だ。
29日に行われたジャパンCはルメール騎手のアーモンドアイが優勝。3冠馬対決で注目された引退レースを制し、芝G1・9勝という金字塔を打ち立てた。
鞍上のルメール騎手は今年G1・8勝目。自身が2018年に記録した最多勝記録に並び、残り1か月で記録更新がかかる。また、G1騎乗機会4連勝となり、こちらも自身の持つ記録に並ぶ形となった。
今週末に行われるチャンピオンズC(G1)では上位人気が予想されるカフェファラオに騎乗するため、記録更新があってもおかしくない状況だ。
それに待ったをかけるのは、1番人気が予想されるクリソベリルに騎乗する川田将雅騎手でなく、アノ騎手かもしれない。
2年前にルメール騎手がG1騎乗機会5連勝に挑戦した時のことを振り返りたい。
18年の秋華賞(G1)をアーモンドアイで優勝したルメール騎手。翌週の菊花賞(G1)を7番人気フィエールマンで、さらに天皇賞・秋(G1)を2番人気レイデオロで制しG1・3連勝と、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだった。
天皇賞・秋の翌週に行われたのは、地方競馬の祭典「JBC」。この年、史上初となる中央競馬を舞台に行われ、主催はJRAで、日曜日の京都開催にG1レースが3つ組み込まれる形だった。
そんな中、ルメール騎手はG1・4連勝をかけて京都10RのJBCスプリント(G1)に4番人気グレイスフルリープで挑む。
レースは1番人気マテラスカイがハイペースで逃げ、グレイスフルリープはそれをマークする形でぴったりと後ろにつけた。直線で粘り込みを図るマテラスカイだったが、グレイスフルリープがクビ差交わして優勝。ハイペースがプラスに働いた追い込み馬がマテラスカイに届かなかったことを考えると、逃げ馬をマークしたルメール騎手の好騎乗が光る内容だった。
これでルメール騎手はG1・4連勝。まさにルメール無双と呼べる状態だ。
G1・5連勝がかかる京都11R・JBCクラシック(G1)でルメール騎手が騎乗したのは1番人気サンライズソア。もはや大偉業の達成目前に思われた。
逃げるサンライズソアだったが、テイエムジンソクが早めにマークしてきたことで、息を入れづらい展開。直線で粘り込みを図るも、4コーナーから進出を開始したケイティブレイブが差し切り勝ちを飾った。
「『ルメール半端ないって』ってジョッキールームでみんなが騒いでいた。これはもう止めるしかない、なんとか自分がストップするしかないと思っていた」
当時の流行語でもある「大迫半端ないって」を交えて、こう振り返ったのはケイティブレイブに騎乗した福永祐一騎手だった。
逃げるルメール騎手のサンライズソアを積極的に捉えにいった福永騎手の手腕が勝利をもたらしたとも言えるだろう。
「現在、ルメール騎手はG1・4連勝中ですが、福永騎手は2週連続でその2着に敗れています。特に無敗の3冠馬コントレイルで敗れたのは悔しかったはずですよ。レース後に『アーモンドアイは強いです』とコメントしたのは、コントレイルの能力を引き出しながらも負けてしまった悔しさの表われに感じます。
それだけに、再び福永騎手がルメール騎手の連勝記録をストップさせることに期待したいですね」(競馬記者)
今週末のチャンピオンズCで福永騎手が騎乗するのは、7歳馬のエアスピネル。2017年のマイルCS(G1)ではハナ差の2着とG1にも手が届きかけた古豪である。ダートのキャリアはわずか3戦のため、変わり身を見せる可能性もあるはずだ。
伏兵の1頭に過ぎないが、もしかすると福永騎手が2年前の再現をするかもしれない。