私がこのコラムを綴っているのが11月2日。これから約6年もの間ホールへ貢献し、パチスロユーザーを楽しませてきた『ミリオンゴッド-神々の凱旋-』の撤去が、順次始まります。
現行機で「一撃万枚」を狙える数少ない爆裂機なだけに、別れを悲しんでいるユーザーは多いはずです。それこそ天国と地獄、両方の顔を持つ『ゴッド』シリーズ。多くのファンの印象に残るドラマを生み出してきたことでしょう。
それは私も同様です。大勝を狙って返り討ちとなったり、ジャグラー感覚で投資金額を3000円と決めて「GOD揃い一本釣り」を決めたりなど様々な思い出がございます。そして、ホール店員時代には忘れられない『ゴッド』ヘビーユーザーとの出会いもありました。
今回は、ホール店員時代に体験した『ゴッド』にまつわるエピソードをご紹介しましょう。神に魅せられ、神に全てを捧げた人間にまつわるお話です。
勤め先だった店舗には、『ゴッド』への愛が強すぎるあまり、それ以外の機種には目もくれずひたすら『ゴッド』のみを遊技していた「村田さん(仮名)」という常連様がいらっしゃいました。
時には「GOD揃い」を5回も引き当て「13000枚オーバー」の出玉を獲得した事もあり、その際は「ようやく爆出しできたよ!」と嬉しそうに話していたこともございます。
無論、そのような景気のいい経験ばかりではございません。時には2連続で天井へ連れていかれてもスルーするという悲惨な結末。「しばらく打てないよ…」と泣きそうになっていたエピソードは数多くありました。
どんな状況であろうとも「GOD揃い」を引ければ一気に逆転できる。これは村田さんの持論ですが、確かに『ゴッド』シリーズの魅力は「1/8192」の最強フラグに集約されているといっても過言ではありません。
酸いも甘いも知り尽くした村田さんを、我々スタッフはいつしか「ゴッドマスター」と呼称するようになりました。そんな村田さんは去年の今頃、『アナザーゴッドハーデス‐奪われたZEUSver.‐』の撤去日が近いと知り、こんな事を仰っていたのです。
「1か月お金を貯めて全力でハーデスを打ち収めする」
村田さんはシリーズの中でも特に『ハーデス』への思い入れが強く、並々ならぬ覚悟を感じ取りました。それこそ、撤去日には「有休を使って開店から閉店まで打ち切る」と気合十分の様子だったのです。
そして訪れた『ハーデス』の撤去当日。開店前には本機を打ち収めしようと多くのお客様が入場抽選に参加しておりました。その日に限っては『ハーデス』コーナーのみが100%の稼働状況となっていたのです。
島の中には奮闘する村田さんの姿がありました。チラッとデータカウンターの履歴を見ましたが、厳しい展開に苦戦している様子。ただ、店長の粋な計らいかは分かりませんが、その他の台はお客様側のプラス差枚となるお祭り騒ぎとなっていたのです。
4号機時代のパチスロ全盛期を思わせる盛況ぶり。『ハーデス』の圧倒的な存在感を撤去日に思い知らされることとなったのですが…。
唯一気がかりなのは、村田さんが出ていないということ。眉間にしわを寄せ、厳しそうに遊技を続ける「ゴッドマスター」は近寄りがたいオーラを漂わせておりました。
「頑張れ」と心の中でエールを送りつつ業務をこなしていると、さっきまで鬼の形相で遊技していたのが嘘のような満面の笑みを浮かべた村田さんが、私の元へ歩み寄ってこう言いました。
「10万使ってやっとGODが揃ったよ!」
「おめでとうございます!伸びるといいですね!」と返事しながらも、内心は10万円も投資していた事に驚いておりました。ただ絶望の淵に立たされながらも、心からGOD揃いを喜ぶ姿は、まさに「ゴッドマスター」。見ているこちらも自然と笑顔になったのです。
「何枚出るかな」「半分でも取り返せればいいけど」と高鳴る鼓動を隠せない様子で話す村田さん。私も「これからですね!頑張ってください」と精一杯のエールを送ったのですが…。
GOD揃いで現れたのは犬3匹…。大して伸びずに終了してしまったのでした。
もはやかける言葉もございませんでしたが、村田さんはその後もくじけることなく閉店まで『ハーデス』を打ち続けたのです。
帰り際に「最後にGOD引けて良かった」と話す村田さんの表情は、実に清々しいものでした。「心からゴッドを愛しているのだな」と感じたのを覚えております。
時は流れ、現在は『ミリオンゴッド-神々の凱旋-』の撤去が迫っている状況。昨年のように全ツッパで打ち収めを決行する村田さんが目に浮かびます。村田さんを始め、多くのファンが打ち収めをすると思いますが、皆さんが悔いの残らない結果となるよう祈っております。
(文=ミリオン銀次)
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