多くの人間が望むもの。それはお金に余裕のある生活ではないでしょうか。
無論、幸せの定義は人によって様々で、必ずしもお金と幸せがイコールとなる訳ではございません。ただ、収入に比例して「心にも余裕が生まれる」のも、また事実です。
私はホール店員時代、給料の殆どをパチンコに費やしていました。そのため、常に懐にも心にも余裕がない状況で毎日を過ごしていたのです。そのため「好きなだけパチンコを打てる経済力がほしい」と思ったことが何度あったか分かりませんが…。
勤め先だったホールには、そんな私の願いを体現し「理想のパチンコ生活」を送っている一人のお客様がいらっしゃいました。
その方は「大蔵さん(仮名)」。お金はもとより、心にも余裕のある羽振りのいいお客様でした。
常にニコニコと笑顔を絶やさずに遊技。大量出玉を獲得した際は、コーヒーレディを呼んで仲のいい常連様全員にドリンクをご馳走する。そんなことを当たり前のようにしていたのです。
スタッフに対する心配りも完璧で、体調を崩してホールを巡回していた私の異変に気付いて「今日元気ないね。大丈夫かい?」と心配して下さることもございました。
接するだけで自然と笑顔が生まれる仏のようなお客様。恨み辛みが集中するホールで大蔵さんの存在はひと際輝いており、後光が差し込んでいるように見えたのです。
後に常連様から聞いた話によると、大蔵さんは地域でも有名な高級料理店のオーナーを務めているとのこと。言葉を選ばずに表現するならば「勝ち組」です。「余裕がある訳だ」とスタッフ全員が羨望の眼差しを向けたのはいうまでもございません。
そんな「仏の大蔵」が、まさか仁王像も震える“暴挙”に出るとは…。今回は、そんな忘れられないエピソードをご紹介いたします。
この方のプレイスタイルは「これと決めた台を全ツッパする」というもの。どれだけハマろうともお構いなしで、ひたすら投資を続けるのがお決まりパターンでした。当然でしょう。誰もが羨む財産を持っていらっしゃるのですから。
当時は、今なお絶大な人気を誇る『CR真・北斗無双』の全盛期で、大蔵さんも本機の魅力に取りつかれておりました。毎日のように来店しては全ツッパを繰り返していたのです。
私もプライベートで『北斗無双』ばかり遊技していたので、大蔵さんと本機の話題で盛り上がることも少なくありませんでした。ただ、大好きだった『北斗無双』が「仏の大蔵」の理性を狂わせる事になるとは…。
ある日、私が遅番で夕方からホールでの業務を開始すると、いつものように大蔵さんが『北斗無双』を遊技しておりました。島を巡回している際「調子はどうですか?」と尋ねると「今日は駄目だよ。すでに赤保留を3回外している」とのこと。
ただ、相手は資金力のある大蔵さん。まだまだ余裕があるとは思いますが、私は「すぐに当るといいですね。頑張ってください」と励ましの言葉を入れてその場を去ったのです。
1時間ほどたったでしょうか。再び『北斗無双』の島を巡回すると、私を見つけた大蔵さんが近寄ってきて「今日はだめだ…。今度はキリン柄が出たのに外れたよ」と微笑んでおりました。
ただ、この時の私は若干の違和感を覚えました。いくら資金に余裕があるといっても、度重なる激アツ外しは相当堪えたのではないか。と感じたのです。
私はすかさず「何がきても当たらない日ってありますよね。日を改めてチャレンジしたほうがいいかもしれません」とフォローを入れました。すると「そうだよねえ。気を使ってくれてありがとう」といってその場を後にしたのでした。
それからどれぐらいの時間が経ったでしょうか。休憩や事務作業などを終え、ホールに戻ってみると「流石に今日はもう帰るだろう」と思っていた大蔵さんが、私の助言などお構いなしに「全ツッパ」を続行しているではありませんか。
心配になって度々様子を伺っていたのですが、データ表示器の回転数は900、1000、1100と次第に増えていくばかり。その頃の大蔵さんの表情は、まるで能面。笑顔は完全に消え去っていたのです。
「大丈夫かな」と不安を抱いたその瞬間…。
急に席を立った大蔵さんは猛然と私の元へ詰め掛かり「おい!いい加減にしろよ!金保留が来ても何が来ても当たらねえぞ!」と罵声を浴びせてきたのです。
私は驚きながらも「落ち着いてください!」と熱くなっている大蔵さんをなだめようとしました。しかし、「こんなに当らないなんてあり得ねえだろうが!」とヒートアップして言葉遣いもどんどん悪くなっていったのです。
挙句には「俺の台を操作してるんじゃないだろうな!」とありもしない事実を疑い出す始末…。もはや私ひとりの手には負えない状況となってしまいました。
最終的にはホール責任者が対応をとり、更には店長までもが事態の収拾を図ろうとホールに出向いたのです。
必死の説得の末、大蔵さんも冷静を取り戻し「つい熱くなってしまいました。ご迷惑をお掛けして申し訳ありません」と深々と頭を下げて終息を迎える事となりました。
ニコニコと笑顔を絶やさない仏のような大蔵さんが、仁王像も顔負けの形相で問い詰めてきた。あまりにもギャップが激しかったために、トラウマになりかけたエピソードでございました。
(文=ミリオン銀次)
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