2005年以来の外国馬制覇なるか――。
11月29日、東京競馬場・芝2400mで行われるジャパンC(G1)の、海外予備登録馬がJRAから発表された。
39回目で初めての外国馬未出走となった昨年とは打って変わり、今年は予備登録段階で豪華メンバーが顔を揃え複数の出走が見込まれる状況だ。
コロナの影響で、フランスやイギリスではG1の賞金が大幅にダウン。凱旋門賞(G1)の優勝賞金も171万4200ユーロ(約2億1085万円)と例年の4割減となった。
しかし、ジャパンCの優勝賞金は例年通りの3億円。その魅力は例年以上に増しており、外国馬の本気モードも伺えるというわけだ。
JRAが発表した海外からの予備登録馬は、アイルランド馬が5頭でフランス馬が3頭。注目のA.オブライエン厩舎からは、アンソニーヴァンダイク、ジャパン、ラブの3頭が登録してきた。
武豊騎手が凱旋門賞で騎乗予定だったジャパンに注目が集まるところではあるが、中でも最注目はラブ(牝3歳、愛国・A.オブライエン厩舎)だろう。
現在までの成績が10戦6勝とそれほどインパクトはないが、今年に入ってのG1・3連勝が強烈だ。
英1000ギニー(G1)4馬身1/4
ニューマーケット競馬場
英オークス(G1)9馬身
エプソム競馬場
ヨークシャーオークス(G1)5馬身
ヨーク競馬場
4馬身1/4、9馬身、5馬身とG1レースながら全て圧勝で、3連勝中と勢いに乗っているのだ。
凱旋門賞は馬場の悪化により出走を取りやめたが、3連勝で評価を上げたラブは、一時エネイブルを上回るほどのオッズとなっていた。取りやめ前も各ブックメーカーのオッズは、エネイブルに続く2番人気に推され「2強」といわれていたほどの馬だ。
しかし、パリロンシャンと府中の馬場は別物。実際に2005年のアルカセット以降、外国馬の勝利はない。
だが、それでもラブにはチャンスがあると記者はいう。
「オブライエン調教師は、不良馬場を嫌ってラブの凱旋門賞出走を回避しています。海外メディアのインタビューに対し『きれいな走りをするので、良馬場でのレースが望ましい』とコメントしていますし、日本の時計が速い馬場をこなす可能性は十分にあるのではないでしょうか。
前走5馬身で圧勝したヨークシャーオークスは、ヨーク競馬場が舞台。かつて、日本のゼンノロブロイがエレクトロキューショニストにクビ差で惜敗したインターナショナルS(G1)と同じです。日本で活躍した馬が善戦した事を考えれば、逆も十分にあり得るでしょうね。出走してくるようなら楽しみです」(競馬記者)
ゼンノロブロイが敗れたエレクトロキューショニストはドバイワールドC(G1)勝利など生涯成績12戦8勝で、全てが3着以上という名馬だ。インターナショナルSもミラノ大賞(G1)勝利後の一戦だった事を踏まえれば、状態面にしても悪かったという事はなさそうである。
ただ、ジャパンC参戦を表明した外国馬が、直前になって出走を回避する例もしばしばある。
ラブについて『JRA-VAN Ver.World』では、11月の米G1ブリーダーズカップ参戦を見送る可能性が高い事とともに、オブライエン調教師が「ラブの今季はもう終わりかもしれない」と答えた事を報じている。
しかし、その一方でラブは日本のエリザベス女王杯(G1)にも予備登録していた。すでにJRAから回避が発表されているが、改めてジャパンCへ予備登録を行っただけに出走の可能性もありそうだ。
また、ジャパンCへの出走が濃厚なジャパンはラブと同じオブライエン厩舎の管理馬。チームオブライエンそのものが来日を果たすのであれば、ラブの日本遠征のハードルも大きく下がるといえるだろう。
仮に出走してくるのであれば、今年のジャパンCは大いに盛り上がる。
外国馬のジャパンC制覇。2005年以来の快挙を成し遂げるのはラブなのかもしれない。