朝ドラ『エール』松井玲奈の夫・奥野瑛太はチンピラも軍人も演じる隠れた名バイプレイヤー

 ついに福島三羽ガラスが始動したNHKの連続テレビ小説『エール』。戦争へのカウントダウンが始まり、生活も少しずつ変化しだした第15週の9月21日(月)~25日(金)のストーリーを振り返ろう。

福島三羽ガラスの「暁に祈る」が大ヒット

 戦争の気配が色濃くなってきた昭和12年のある日。たまたま目にした新聞で公募に入選した歌詞を見た古山裕一(窪田正孝)は、思いつきで作曲をしてみた。実は、その曲はコロンブスレコードの新曲のB面として発表する予定の「露営の歌」だった。

 歌手は佐藤久志(山崎育三郎)でレコードを出すと、50万枚超えの大ヒット曲に。出征する兵士を見送る際に歌われる曲となった。

「露営の歌」のヒットを受けて、裕一は妻の古山音(二階堂ふみ)と娘の華(根本真陽)にオルガンをプレゼント。音は音楽教室を開くことを思いつく。

 そんな中、音の姉の関内吟(松井玲奈)の夫の関内智彦(奥野瑛太)から、「暁に祈る」という映画の主題歌をつくってほしいと打診される。裕一は作詞家と歌手を指定できることを条件に、依頼を引き受けることに。裕一、鉄男(中村蒼)、久志の福島三羽ガラスで初の曲をつくることになった。

 一方、音の音楽教室には生徒がひとりも集まらず、思うように進んでいなかった。それを喫茶バンブーのオーナー夫妻に話したところ、梶取恵(仲里依紗)の協力で生徒が集まり出した。

 生徒の弘哉(外川燎)という少年は音程が取れず、レッスン中にみんなに笑われて音楽教室を辞めようとするが、裕一に勧められたハーモニカのおもしろさを知り、続けることにした。

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「暁に祈る」の作曲の件は、鉄男の作詞が陸軍から合格が出ず、停滞していた。6回目のダメ出しを受けて鉄男は作詞家を降りようとするが、裕一は鉄男が降りるなら自分も降りると、辞退を申し出る。それを聞いた智彦は、吟に「裕一に考え直してもらうように音に頼め」と当たる。

 吟は音を通して裕一に考え直してほしいと頼み込むが、音は裕一の思いを知っているため協力できないと断る。

 吟は大日本帝国婦人会で妹の参加を求められ、子どもがいないことで力仕事当番を押し付けられ、夫からは化粧を注意され、音からは裕一の説得を断られ、つい音の音楽教室を「何の役にも立たない」と当たってしまう。

 しかし、音は「こんな時代だからこそ、音楽は必要」だと説き、音楽教室に来る生徒たちが徐々に仲良くなり、明るい笑顔を見せるようになったことを説明し、さらに吟を追い詰めてしまう。

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 裕一は、智彦から作詞のラストチャンスを言い渡され、鉄男のやる気を出させるために、気分転換に帰省を提案。久しぶりに帰る福島の人々は2人を温かく迎えてくれるも、なぜか久志が一足早く帰っており、女性たちを夢中にさせていた。

 裕一は鉄男に内緒で、小学校のときの恩師の藤堂先生(森山直太朗)を呼んでいた。妻の庄子(堀内敬子)は川俣銀行の元先輩。なつかしさに浸りながら思い出話をしているうちに、裕一は藤堂先生が出征することを知る。

 一方、裕一のお膳立てで藤堂先生と2人になった鉄男は、陸軍から受けた仕事が行き詰まっていることを相談した。戦場で戦う兵士の気持ちがわからないとこぼす鉄男に、藤堂先生は「自分を思って書いてほしい。実は出征することになった」と告白する。

「歌は心の支えになる。誰にでも大切な曲はある。村野と古山がつくった曲とともに行けたら、こんなに心強いことはない」と言われ、鉄男はもう一度、歌詞を書くことにした。

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 打ち合わせ当日。鉄男は、出征する恩師を思って歌詞を書いたと説明。戦いに行く者の気持ちを理解しようと思いながら書いた歌詞は、その場で採用され、映画「暁に祈る」は昭和15年に上映され、大ヒットした。

 1年後、裕一のもとに戦地の盛り上がりを伝えるニュース歌謡の仕事がくる。音楽教室を続ける音には、生徒たちから「発表会をしたい、先生の歌が聞きたい」との声が上がり、音は発表会を開くことを決心。

 その数日後に、太平洋戦争開戦となった。

チンピラも軍人も演じる隠れた名バイプレイヤー

 前週の『エール』で、そこはかとない存在感で裕一たちに戦争を突き付けたのが、吟の夫の智彦だ。ほのぼのとした古山一家の物語に戦争というスパイスを加えて、引き締まった1週間となった。そんな智彦を演じる奥野瑛太は北海道出身の俳優で、数々の映画やテレビドラマで活躍している。

 代表作には、映画では『SR サイタマノラッパー』シリーズや『クローズEXPLODE』、最近のテレビドラマでは『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』(フジテレビ系)などがある。強面を活かしたチンピラ役などが多いが、『エール』をはじめドラマ『永遠の0』(テレビ東京系)、映画『アルキメデスの大戦』、大河ドラマ『おんな城主 直虎』(NHK)といった歴史ものでは、チンピラとは正反対な軍人や武将も演じている。

 今週からは、いよいよ戦争が裕一たちの日常生活を変えていく。その中で、リアルに戦争の影響を受ける軍人である智彦の運命はどうなるのか?

 戦争を盛り上げる軍歌づくりに悩まされる裕一、豊橋の関内家の婿取り問題にも注目しよう。

(文=安倍川モチ子/フリーライター)