パチンコ店「お手上げのトラブル」で「ホール機能停止」!? 店員に「気絶寸前の地獄」が…

 元ホール店員のミリオン銀次です。

 これまで、パチンコ店の「揉め事」や「人為的ミス」などのトラブルに関するコラムを何度か綴らせていただきましたが、そのほとんどがその場で解決するものばかりです。

 しかし、中にはホール店員がどうする事もできない「お手上げ」のトラブルが起きてしまう事もございます。

 パチンコ店はお客様に遊技台を提供する事が大前提でございますが、それ以外にも快適な遊技空間の維持に努める事が求められます。

 遊技台に手垢が付いたままで、ゴミが放置されていればお客様に不快な思いをさせてしまいます。室温に関しても「暑い」「寒い」と感じてしまうホールともなれば、お客様は来店して下さらなくなってしまうでしょう。

 だからこそ、ホール店員はこまめに遊技台の清掃を行い、お客様が快適に遊技できるホール温度を調節している訳ですが…。

 あれは数年前の猛暑日。とろけるような暑さとなっている外気の温度に負けないよう、ホールではエアコンをガンガンに稼働させておりました。

 ホールのような広い空間ともなると、業務用の特殊なエアコンを複数基動かして冷やさなければなりません。ましてやお客様が入店、退店するたびに外部からの熱気が店内に入り込むので、低めの温度に設定しなければ快適な温度にはならないのです。

 ただ、その日はどれだけエアコンをフル稼働させても、一向にホール温度が下がらなかったので、最低温度にしてギリギリ快適に過ごせるレベルでした。

 遊技されているお客様は快適に過ごせているかもしれませんが、ホールを走り回っている我々からするとホール内でも暑く感じます。「勘弁してくれ」と内心思いながら業務を行っていたのでした。

 すると一人のお客様から呼び出しを受けました。呼ばれた先の遊技台に向かってみると、衝撃的な光景が待ち受けていたのです。

 呼び出したお客様の上半身はビショビショに濡れており、苛立ちを隠せない様子で私を睨みつけているではありませんか。

 私は「一体何が起こったのか」「暑さの余り水でも被ったのか」など、色々な考えを張り巡らせて状況を理解しようとしました。しかし、訳が分からなかったというのが本音です。

「一体どうされましたか!」と驚きながら訪ねてみると「どうしたもこうしたもないよ!」「なんで上から水が降ってくるんだよ!」と声を荒げて仰いました。

 状況を呑み込めない私はふと上を見上げてみました。するとお客様の真上に設置されていたエアコンから緩めた蛇口のように水が滴り落ちているではありませんか。

「申し訳ございません!ただちにタオルをご用意いたしますので!」と言ってその場を凌ぎつつ、すかさず他のスタッフに助けを求めたのです。

「エアコンが水漏れしているから脚立とタオルを持ってきてください」とインカムを入れ、私は該当のエアコンをすかさず切りました。

 しかし外は灼熱の猛暑日で、エアコンを切った付近の温度は瞬く間に上昇。更にはホールにあってはならない「二次災害」へと発展してしまいました。

 なんとエアコンから漏れた水がパチンコ島の一部に侵入し、複数のデータ機器がショートしてしまったのです。

 幸い、遊技台に問題はありませんでしたが、データ表示器はブラックアウトし、ホールコンピューターは台データを送受信する機能が失われてしまう最悪の事態となりました。

 ホールは暑くてたまらない上に、パチンコ島の機能も失われた絶望的な状況。もはや「お手上げ」と言わざるを得ません。お客様に遊技を続行していただく事は不可能です。

 私はタオルで濡れた頭部を拭いているお客様に「遊技ができない」という旨の説明を行い、サービスドリンクをお渡しして謝罪の意を伝えました。

 状況を理解していただき、なんとか事なきを得たわけですが、データ機器がショートしているので、他のお客様にも遊技を止めていただかないといけません。ホール温度も下げる事ができないので、エアコンの影響下にある一部のエリアを封鎖する事となったのですが…。

 それからが本当の地獄でした。

 エアコンから漏れた水を全て拭き取り、パチンコ島内に流れ込んでショートした原因の箇所を特定する事となったのです。エアコンが止まって灼熱の状況だったので、意識が飛びそうになりながら作業を行っておりました。

 ショートした部分を全て特定し、新しい機材と交換し終えたのは約2時間後。とめどなく吹き出る汗で機材がショートして「三次災害」が起きてもおかしくない状態でした。それでも、なんとかエアコン以外の問題を解決する事ができたのです。

 エアコンに関しては空調業者の方に早急に対応してもらい、次の日の営業日にはホールの機能が復活。ホールにいつもの平和が戻りました。

 汗まみれになって対応に追われた地獄のようなエピソードした。あのような経験は二度としたくないですね(笑)。

(文=ミリオン銀次)