JRA新潟記念(G3)ワーケア「やる気なし」は本当か。最終追い切り“ダメダメ”も、2年前ブラストワンピースと共通する「本気度MAX」の事情

 6日、新潟競馬場で行われる新潟記念(G3)は、サマー2000シリーズ優勝馬が決まる最終戦となる。

 現在の首位は札幌記念(G2)を勝ったノームコアだが、13pt以上という優勝条件を満たしておらず、現実的に可能性がありそうなのは小倉記念(G3)を勝ったアールスター、2着だったサトノガーネット、七夕賞(G3)2着のブラヴァスといったところだろう。

 ちなみにサマー2000シリーズの優勝賞金は4000万円(馬主に3200万円、厩舎関係者に800万円)と、新潟記念の優勝賞金4100万円と合わせるとG1並みだ。夏の王者という勲章はもちろん、チャンスがある陣営の「新潟記念に懸けるモチベーション」は、他のレース出走時よりも遥かに高いに違いない。

 そんな夏の最終決戦に懸ける陣営に勝るとも劣らない意気込みで、“意外な理由”で新潟記念に挑む馬がいる。3歳馬のワーケア(美浦・手塚貴久厩舎)だ。

 ワーケアといえば昨夏のデビューから、ここまですべてC.ルメール騎手が騎乗し続け、今年の日本ダービー(G1)でも3番人気に推された大器である。周囲の期待も当然、秋のG1制覇であり、一見するとサマー2000シリーズでしのぎを削っている“中堅クラス”の馬たちとは見据えているものが異なるようにも見える。

 実際にワーケアは、この新潟記念が始動戦。勝っても、サマー2000シリーズを優勝するわけでもなく、今回のモチベーションはそれほど高くないと見るのが大方の競馬ファンの見解だろう。

 さらに1週前追い切りでは、併走馬に1馬身の遅れ。最終追い切りで併入と前進を見せたが、この動きが「ワーケア“やる気なし”」という評価を後押ししているようだ。

 しかし、ワーケア陣営の内情は大きく異なるという。

「陣営のモチベーションは高いですよ。元々、9月のセントライト記念(G2)からの始動予定でしたが、ルメール騎手が『左回りの方がいい』と進言したことで、新潟記念の参戦が決まりました。

その先には当然、今回と同じ左回り2000mの天皇賞・秋(G1)を見据えての参戦。陣営は表向き『今回の結果で秋の方向性が決まる』と話していますが、菊花賞(G1)は右回りというだけでなく、3000mへの不安も大きい。やはり天皇賞・秋が“本命”です。

しかし、その一方でワーケアの現在の収得賞金は2300万円。天皇賞・秋へ確実に出走するためには、賞金の上積みが必須です。追い切りはイマイチでしたが、もともと調教では動かない馬。100%とは言いませんが、仕上がりは良いですし、陣営はこのレースを獲りに来ていると思いますよ」(競馬記者)

 実際に過去10年で、5度のフルゲート(18頭)で行われている天皇賞・秋。

 昨年こそ16頭立てだったが、凱旋門賞(仏G1)に出走していたキセキ、ブラストワンピース、フィエールマンや、コックスプレート(豪G1)を制覇したリスグラシューなどが参戦を表明していれば、フルゲートになっていたことが濃厚だろう。

 今年は新型コロナウイルスの影響によって海外遠征が難しい状況だけに、有力馬が集中する可能性が高い。今年、2007年以来のフルゲートとなった宝塚記念(G1)は、今年の事情を象徴したレースといえる。

「大物3歳馬の新潟記念参戦といえば、2年前のブラストワンピースが有名。あの馬も戦前では、大きく馬体を増やすなど陣営の“本気度”が疑われていましたが、当時の収得賞金は2800万円と心許ない状況……いざ蓋を開けてみれば日本ダービーから-2kgと始動戦とは思えない好仕上がりで、大外一気の完勝でした。

ワーケアのハンデは、そのブラストワンピースから1kg少ない53kg。左回りの2000mは陣営の掲げるベストの条件ですし当然、賞金の上積みを狙ってくると思います」(同)

 収得賞金が2300万円に留まっている通り、ここまで重賞制覇がないワーケア。だが、そんな馬にルメール騎手が乗り続けている意味は大きい。“異例の始動戦”で賞金を加算し、胸を張って秋のG1レースに挑む腹積もりだ。