今週は2歳限定重賞の新潟2歳ステークス(G3)が行われる。最初の2歳重賞である函館2歳ステークス(G3)は、人気薄リンゴアメの勝利で波乱となったが、この新潟2歳Sはどんな結末になるだろうか。
出走予定馬は、2歳戦最多勝利と絶好調の福永祐一騎手が騎乗するキズナ産駒のフラーズダルム、新馬戦とダリア賞を連勝しているブルーバード、ディープインパクト産駒のシュヴァリエローズとロードマックス、外国産馬のショックアクションといった面々。
新種牡馬は重賞初出走となるドゥラメンテ産駒のファルヴォーレだけだが、メンバーのレベル的にはまずまずといったところか。ただこの新潟2歳Sの位置づけに関しては、近年その価値が大幅に低下しているようだ。
そもそもこのレース、グレード制が始まった1984年以降の優勝馬を見てみると、その後G1を勝利したのは、朝日杯フューチュリティステークスを勝ったセイウンワンダー、マイネルレコルト、そして桜花賞を勝ったハープスターのわずか3頭。つまり3歳の5月以降にG1レースを勝利した馬はゼロなのである。
さらに古馬(4歳以上)になって重賞を勝利した馬まで条件を下げてもこの7頭のみというから驚きだ。
■新潟2歳Sを勝利し4歳以上で重賞を勝利した馬(1984年以降)
ロードクエスト
マイネイサベル
シンメイフジ
セイウンワンダー
バランスオブゲーム
ロサード
ダイナシュート
それどころか、このレースを勝利して以降、未勝利の馬がなんと14頭もいる。該当の過去優勝馬36頭の約4割が、優勝した時点で競走馬としてのピークを終えてしまっているのかもしれない。
■新潟2歳Sを勝利した後未勝利の馬(1984年以降)
ウーマンズハート
ケイデンスコール
フロンティア
ザラストロ
エフティマイア
ワナ
ゲイリーファンキー
タヤスダビンチ
トウショウフェノマ
エクセレンスロビン
ユートジェーン
ダイカツリュウセイ
マイネルムート
ダイナエイコーン
例を挙げれば2012年の優勝馬ザラストロは、新潟2歳Sを勝利後に32連敗。デビューから2連勝で勝利した1995年の優勝馬タヤスダビンチも、その後18連敗……同じく1993年の優勝馬エクセレンスロビンもデビュー2連勝から20連敗と散々な成績となっている。
最近の傾向を見ても、過去3年の優勝馬も同様のパターンだ。
昨年の優勝馬ウーマンズハートは、上がり32秒8の豪脚で勝利したことから桜花賞候補にも挙がったが、その後4連敗で桜花賞16着、オークス12着に大敗。2018年の優勝馬ケイデンスコールはNHKマイルカップで2着と驚かせたが、その後は5戦して2桁着順が4回と惨敗続き。2017年の優勝馬フロンティアも、デビュー2連勝で勝利するも、その後は12連敗と見るも無残な内容だ。
この傾向は単純に優勝馬だけに当てはまらない。昨年の2着馬ペールエールは、その後朝日杯フューチュリティステークス16着、ニュージーランドTを15着、青龍ステークス15着と信じられない成績。2018年の2着馬アンブロークンも、その後3度の1番人気に支持されるも6連敗で登録抹消となっている。
こういった傾向から見ても、新潟2歳Sを勝つことは、確かに重賞ウィナーという実績、そして翌年のクラシック出走をほぼ確実にする賞金は得られるものの、その将来性が厳しくなる現実が待っているのである。
この要因は一つや二つではないだろう。まずは函館2歳Sや小倉2歳Sも同様の傾向があるだけに、小回りコースや平坦コースなど、春のクラシックが行われる阪神・中山・東京とは、コース形態が大幅に異なること。
続いて時期的にメンバーのレベルが低い中での勝利であり、強い馬と相対したときに通用しないこと。そしてこの時期で重賞を勝つには仕上がり早の反面、成長力に欠けることなどが考えられる。
新潟2歳Sは2009年から2015年まで18頭のフルゲートが続いていたが、年々出走馬が減少し、今年は登録馬が11頭と少なかった。夏の新潟で行われた2歳戦は先週までに32レースあったが、それにもかかわらず11頭にとどまったのは、将来性を危惧した陣営が回避してのものかもしれない。
逆に言えば、そういったレースだからこそ、来年のクラシックよりもここで重賞勝利を狙いたいという陣営もあるだろう。そんな思惑を見抜くことが、このレース的中のカギに繋がるかもしれない。
いずれにせよ今年出走する馬には、そんな前例を跳ね返す成績を残してもらいたいものである。