パチンコ店「非常事態」で開店できず!? 苛立つお客…「絶体絶命の大ピンチ」発生!!


 パチンコが好きすぎて職業にしてしまった男。元ホール店員のミリオン銀次でございます。

 ホールには色々なお客様が訪れ、店員とのトラブルが度々生じてしまうのは、これまでのコラムでご紹介した通りですが…。

 ホール店員が直面するトラブルは、お客様との間だけで起こるものではございません。

 ホール運営に支障をきたすシステムや、スタッフ間のトラブルなど、お客様とは関係のないところで大問題が発生している事もあるのです。私がいたホールでも、色々なトラブルがございました。それこそ、ホール営業が困難となる場面にも遭遇したことがございます。

 今回は、私が過去に実際体験した「前代未聞のトラブル」をご紹介させていただきます。

【開店時間に間に合わない!?】

 パチンコ店の開店時間は地域によって異なりますが、みなさんはホールスタッフが開店前に何をしているのかご存じでしょうか。

 開店を待つお客様を整列させたり、抽選を行ったりすることはご存じだと思います。更に店の中では、遊技台の清掃や状態チェック、玉やメダルが残っていないかなどの最終確認が行われております。

 その他に、遊技台やサンドを管理しているホールコンピューターにて「開店処理」が行われます。これは、売り上げや台のデータ表示器情報の前日分をクリアして、本日分として反映させるために行われる重要な処理です。

 この処理を行わないと、当日の売り上げが正確に把握できません。更にデータ表示器の大当りや回転数の履歴も前日から引き継いでしまうので、お客様に適切な台情報を提供する事ができなくなってしまうのです。

 このように、「開店処理」はホール運営において非常に重要な役割を担っておりますので、店長やホール責任者が行っておりました。

 ある日、いつものように開店前の準備を行っていると、店長が「開店処理ができない!」と焦った様子で報告してきたのです。私は軽いノリで「大丈夫ですか?」と店長に話しかけたのですが、「それどころじゃない」と言わんばかりに切羽詰まった様子で、こちらの声を聞く耳すら持っておりませんでした。

 冷静沈着でどんなトラブルも適切に解決してきた店長からは想像もつかない姿でした。「あの百戦錬磨の店長が焦っている」と感じ取った私は、大きな不安を抱かずにはいられなかったのです。

 他のスタッフも、ただならぬ空気を感じ取りザワつき始めました。「これってヤバいんじゃない?」「開店できないよね?」と不安の色が隠せない様子でした。

 当然です。これはすなわち開店時間が遅れて「お客様に迷惑が掛かる」という事を意味しているのですから。

 出来る事なら私も力になってお手伝いしたいところですが、ホールコンピューターは一般社員が扱える代物ではありません。できる事といったら心の中で店長を応援するぐらいでした。

 店長は慌てた様子でサポートセンターへ連絡をして、解決手順のレクチャーを受けていましたが、その時すでに開店時間には確実に間に合わない状況でした。私は事情を話すために店外で待つお客様の元へ向かったのです。

 お客様の数は20名ほど。時間を過ぎても店に入れない事態でしたが「開店時間が遅れるなんて事あるんだね」「大変だね」と温かいお言葉をかけてくれるお客様ばかりで安堵していたのですが…。

 いつまでたっても店長からのGOサインが出ません。先ほどまでは仏のような顔をしていたお客様が10分、15分と開店時間がオーバーしていく内に、苛立ちを露わにされるようになってしまいました。

「いいかげんにしてくれ!」「台に何か仕込んでるんだろ!」といった罵声が飛び交う事になってしまったのです。

「さすがにまずい…」そう思った私はカウンターの女性スタッフにドリンクをまとめて持ってくるようにお願いし、お待ちいただいているお客様全員にサービスドリンクを配って誠意を示しつつ場を繋いだのです。

 一人一人のお客様にお声掛けしていたものの、ヒートアップしたお客様の対応は非常に大変でした。少しでも怒りを鎮めていただくように四苦八苦しながら、「まだか、まだか」と開店の合図を待ち続けました。

「もうこれ以上この場を凌ぐことができない…」と、泣きそうになりながら対応を続けていたその時でした。ついに「開店できます!」との報告が入ったのです。

 予定より約30分過ぎてからの開店でした。私は「大変お待たせしました!」と深々と頭を下げて自動ドアを開け、お客様を店内へご案内したのです。店内では普段ホールに出ない店長がおり、お客様に対して「大変申し訳ございませんでした」と謝罪する姿がありました。

 店長からは今回のトラブルに関する説明はなかったものの、原因についてはキッチリと把握していたようでした。このような事態を二度と起こさないために改善案を練って「マニュアル」を作成してくれたのです。

 それからというもの、開店時間が遅れるというトラブルはなくなりましたが、お客様にご迷惑をお掛けする事態が起きないという確証はありません。

 それはつまり、皆さんが同じようなトラブルに遭遇する可能性もあるという事です。そうなったら問題が解決するまで待つしかありませんが、ホール側にはお客様に対して誠意の伝わる対応をしてほしいですね。

(文=ミリオン銀次)