みなさんは、パチンコ・パチスロを打っていて「バグ」に遭遇した事はあるでしょうか。
ほとんどの方が「バグ」とは無縁で問題なく遊技できていると思いますし、「そんなのあるの?」と疑問に思う人も中にはいるでしょう。
結論から言いますと遊技機の「バグ」は存在します。様々な基盤や配線によって構成される精密機械ですので、非常に稀ですが通常とは異なる挙動を示す台が存在するのは事実なのです。
無論、遊技台は1台で数十万円もする高価なものですので、メーカー側も不具合がないように万全な体制で生産しております。しかし、過去には打ち手に不利となる「バグ」が発生してしまう機種がホールで稼働してしまって、メーカー側が「自主回収」するという事例もありました。
かなり昔には、遊技台の「バグ」を利用して直前に引いた小役を次ゲームで意図的に発生させる「コピー打法」など、打ち手に有利となるバグもございましたが、今はメーカーの頑張りによってほとんど「バグ」は発生しなくなりました。
「それなら安心だ」と思われるかもしれませんが、ホールでは“ある理由”によって、避けては通れない「バグ」が発生してしまう事があるのです。
それは、遊技台の「経年劣化」に他なりません。
以前のコラムでもご説明しましたが、遊技台はホール側が認定の手続きをした場合、最長で6年間稼働させることが可能です。ただ、精密機械が6年間も稼働すれば、「ガタ」がきてしまうのは無理もありません。
パチンコであれば、玉を飛ばす発射装置の調子が悪くなって玉飛びが安定しなくなったり、演出用のチャンスボタンが反応しなくなったりします。パチスロであれば、レバーやストップボタンの反応が悪くなる事もございます。
ただ、これらは「バグ」ではありませんので、台のメンテナンスや清掃を行うことによって改善する事もあります。問題なのは「基盤」に不具合が生じた時です…。
遊技台には、液晶基板やメイン基板、サブ基盤などが存在します。これらは、大当りなどのフラグ抽選や告知する演出の抽選などを行うため、非常に重要な役割を担っております。
経年劣化により基盤に「ガタ」がきた場合、「バグ」が起こってしまうのです。
私がホールで働いていた頃にも、基盤の「バグ」に関するエピソードがございましたので、ご紹介しましょう。
当時は『アナザーゴッドハーデス‐奪われたZEUSver.‐』が絶大な人気を誇っており、ホール側も長く設置しておりました。新台として導入されたころは不具合など一切ありませんでしたが、導入から3年もの月日が経ったある日、事件が起きました。
スロットコーナーを巡回していると、『ハーデス』を打っていたお客様から「ちょっと店員さん!この台おかしいよ」と言われました。
台を見てみると、私の目にはブラックアウトされた液晶と回り続けるリールが映し出されました。パチスロ初心者のお客様が、プレミアム演出のフリーズに驚いて「台が壊れた」と勘違いしてしまう事は少なくありません。
ですので、今回も「フリーズを引いて驚いちゃったのかな」と思って「こういう演出もあるんですよ」とお話したのですが…。
お客様から「フリーズじゃなくて、単純に液晶が映ってない」とのご指摘を受けたのです。よく見てみると画面には「左を押してください」の文字はなく、本当にブラックアウトしているではありませんか。
フリーズ演出ではなく、本当に台が壊れるなんて事が起こるとは思ってもいなかっただけに、どうしていいか分からずにテンパってしまいました…。「どうすればいいんだ」と対処の仕方も分からず、とりあえず台を開けてリセットボタンを押したりしましたが、全く改善されず焦りだけが込み上げてきたのですが…。
出来る事を手当たり次第に行い、最終的に遊技台の再起動で液晶部分が正常に戻りました。心から安堵したのですが、「もしAT中に再びブラックアウトしたら、押し順ナビが全く分からなくなってしまうのでは」という不安が頭をよぎったのです。
私は本件をホール責任者へ報告し、お客様にご迷惑が掛かると判断して稼働を停止する事となりました。
後にメーカーへ問い合わせたところ、「基盤の液晶を司る部分の機能が失われている可能性がある」「基盤の交換が必要」とのこと。基盤を取り寄せて交換したところ、症状は改善されましたので、警察検査を経て改めて遊技台として開放しました。
このように、基盤が故障して「バグ」が起こる事は非常に稀ですが、実際に起こるのも事実です。さすがに、大当り抽選などの極めて重要な部分の「バグ」は起こらないとは思いますが、「絶対にない」とは言い切れません。
遊技台はかなりタフな作りですが、経年劣化には勝てません。ホール側もメンテナンスをしっかりと行って長持ちさせていると思いますが、万が一「おかしい」と感じる事があった際は速やかにスタッフへ報告し、適切な対応をとってもらいましょう。
(文=ミリオン銀次)