パチスロ『ミリオンゴッド』で「一世一代の大勝負」!? 「GOD降臨」で大勝利を確信も…


「最近パチンコの調子どう?」「だめだめ、負けてばっかりだよ」

 パチンコ好きの友人や同僚との会話でよくある光景。私の場合ほとんどが負け報告で、勝った話をすると「珍しいね」と驚かれるほどです。

 やはり、必然的に「激アツの○○が外れた」や「○○万円使って一回も当たらなかった」などの負け自慢で盛り上がる事も多く、勝てない状況を仲間内で慰めあうのは日常茶飯事でした。

 パチンコで負けた時の気持ち。それは使った額にもよりますが「なにやってるんだろう」と自分自身に情けなくなる事もあれば、「ふざけるな」と怒りがこみ上げて頭に血が上る事もあるでしょう。

 私はホール店員として働いておりましたが、自分自身がこれまでたくさん「負け」を経験してきたからこそ、負けているお客様に対しての配慮は人一倍気を付けて接客しておりました。

 新人スタッフやパチンコ未経験者などが、負けているお客様の気に障る接客をして怒らせてしまったりする事は珍しくありません。相手の気持ちを理解していないとホールでの接客は務まらないのです。

 だからこそ、私は後輩スタッフの指導をする際は必ず「一度でいいからパチンコを実際打って負けてみたほうがいい」と教えておりました。無論、お金を使いますので強制はしておりませんが、お客様の立場を実際に体験することで接客スキルは確実に上がるでしょう。

 ただ、私の場合「負けている人」への思いが強すぎる傾向があります。毎日のように遊技されている常連様が負け続けていたりすると、ついつい感情的になって心の中で「がんばれ」と応援してしまう事もありました。

 そんな私が応援し続けていた「負け続ける常連様」との思い出深いエピソードを、今回ご紹介させていただきます。

 私が働いていたホールには、仕事終わりの夕方に必ず来てくださる常連様がおりました。大体閉店まで遊技されるのですが、驚くほど「ヒキ」が悪いため相当な額を投資していたと思われます。

「毎日閉店までガッツリ打っているけど、大丈夫なのかな」と私は心配になってしまい、ある日思わず話しかけてみました。

「毎日お越しいただいてありがとうございます。最近調子はいかがですか?」と声を掛けると「お店に貯金してばっかりだよ。戻ってこないけど(笑)」「でもね、パチンコしか楽しみがないからいいんだ」と哀愁を漂わせた苦笑いで答えておりました。その表情は私の心に深く刺さったのです。

 パチンコにドハマりしていた“かつての自分”を見ているようでした。とても他人とは思えず、それからは毎日のように話をする間柄となったのです。無論、個人的な私情を業務に持ち込むのはよくありませんが、どことなく憎めない人柄で応援せずにはいられませんでした。

 はじめは「今日もだめだね…」、「やられたよ」と私にわざわざ報告して下さっていたのですが…。来る日も来る日も勝てない展開が続き、しばらくホールに来なくなってしまったのです。

 それから、1週間、2週間と時は過ぎていきましたが、このお客様が来ることはなく「なにかあったのだろうか」と心配する日々を送っておりました。「借金なんてしてなければいいけど…」とも考えてしまったのですが…。

 1か月ほど経ったでしょうか。リニューアルオープンと称して『ミリオンゴッド‐神々の凱旋‐』が大幅増台する特別な日に「負け続けていたお客様」が姿を現したのです。

 私はすぐさま駆け寄り「突然来なくなったので心配しましたよ!」とお声掛けしました。すると「今日の一日に賭けてたんだよ」と、私の心配をよそにやる気満々の表情を見て私は心から安堵したのです。それと同時に「ヒキが弱いのにゴッドなんて打って大丈夫だろうか」という大きな不安を抱いておりました。

 増台した『ミリオンゴッド』の抽選をクリアし、お客様の完全復活を賭けた一世一代の大勝負が幕を開けたのです。

 私も一緒になって応援したい気持ちで一杯でしたが、グッと堪えて日々のホール業務をこなしておりました。暇さえあれば『ミリオンゴッド』の島を覗いていたのですが、お客様の台は一向に当たる気配がありませんでした。

 相変わらずのヒキの弱さに、応援している私はもとよりお客様自身も落胆の色を隠せない様子でした。私も心の中で応援していたものの、強烈に漂う敗戦ムードはどうする事もできません。

「大やけどする前に止めたほうがいいかもしれない」なんて考えながらホールを巡回していた矢先でした。お客様が物凄い剣幕で私の方へ猛ダッシュしてきたのです。

「引いた!引いたよ!GOD!」

 死んだ魚のような目で打っていたお客様の瞳には力強い精気が宿り、勝利を確信したかのような自信に満ちた神々しいオーラを身に纏っている錯覚すら起こりました。

 遊技台へ行ってみると、リール中段に美しく並ぶ【GOD】【GOD】【GOD】が確かに降臨していたのです。「やりましたね!」と私はわが身のように喜び、心の中で万歳三唱をしたのです。

「お金を貯めて勝負しに来てよかったよ」と話すお客様の目には涙が浮かんでおりました。私も神の降臨にテンションが上がり「今日は寿司か焼肉ですね」と勝利を祝福する言葉を投げかけてその場を後にしたのです。

「本当に良かった」と喜びを噛みしめながらスタッフルームで休憩をとり、私は再びホールへと戻りました。「何枚くらい出てるかな」と期待を胸に『ミリオンゴッド』の島へ行ってみたのですが…。

 当然のように続いていると思って向かったものの、驚いた事にお客様の台はすでに「ゴッドゲーム」が終わっていたのです。

 さっきまでの勝利を確信し、希望と自信に満ちた姿はもうありませんでした。絶望に満ちた表情で「何も言うな…」といってお客様は席を立ち、1000枚ちょっとのメダルを流してホールを後にしたのでした。あの時の悲しみに満ちた後ろ姿は今でも忘れません。

 そのお客様は、この負けに懲りたのかそれからというもの、1円パチンコや5円スロットで無理のない健全な遊技を楽しむようになりました。

 パチンコに行く際は「負けてもいい額」を決めておき、自分の軍資金に見合った遊び方で楽しむのが一番かもしれませんね。

(文=ミリオン銀次)