最近は「リモート出演」という言葉もあまり聞かれなくなった。もちろん新型コロナウイルスの脅威はまだ消えていないし、むしろこれからが要警戒という感もあるが、在宅時間が増えたことでテレビ業界にも微妙な変化が訪れている。
「フジテレビの番組が、わりと好調なのです。たとえば、6月24日放送の『林修のニッポンドリル みやぞん&フワちゃんがナゾ調査SP』は世帯視聴率10.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、個人も5.9%と及第点でした。21日の『志村友達 大集合スペシャル』は4月1日の志村さんの追悼特番でマークした21.9%には及びませんでしたが、3時間で12.2%を記録。おそらく、このコンテンツは定期的にオンエアされていくでしょう。
また、宮根誠司による『Mr.サンデー』は6月21日も11.0%と相変わらず安定しています。さらに、16日の『潜在能力テスト』は10.9%で、裏番組の『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)の12.2%に僅差に迫っています。一時はフジテレビの全番組のなかで視聴率2ケタは『サザエさん』だけだと皮肉られていましたが、復調の兆しが見て取れます」(制作会社スタッフ)
『VS嵐』『とくダネ!』は苦戦の傾向
ただ、一方で、それまで人気が伝えられてきた老舗の番組には、やや陰りがみられるという。
「25日放送の『VS嵐』は7.9%、個人視聴率も4.7%と振るいませんでした。リモート企画になってから、少し数字を落としているようです。
また『とくダネ!』は小倉智昭の1枚看板から、サブ司会の伊藤利尋アナ、山崎夕貴アナ、さらに、昨年9月からはスペシャルキャスター(カズレーザー、古市憲寿など)もコメンテーター陣に加わり、誰が司会かわからない状態が続いている事情などもあり、平均6%が関の山。ただ、それ以下に落ちることもないため、一定のファンがいるのでしょう。
それに対し、『スッキリ』(日本テレビ系)は7~9%を推移しています。昨年の吉本興業の闇営業騒動以降、加藤浩次の発言がネットニュースに取り上げられることが多くなり、その反響がきちんと数字に結びついています」(同)
『とくダネ!』はメインキャスターを務める小倉氏の降板の噂も絶えないが、番組自体も見直すべきときがきているようだ。
苦境のTBSをフジテレビが逆転
また、フジテレビは視聴率でTBSに抜かれて民放4位の時期もあったが、最近は3位につけることも多くなってきたという。
「たとえば、これは6月22日月曜日の記録ですが、『ネプリーグ』8.3%、『痛快TVスカッとジャパン』8.5%、『鍵のかかった部屋 特別編』8.8%と、わりと高めで安定しています。見ている層の構成比までは追えていませんが、視聴者がごっそり入れ替わることはまずあり得ませんから、引き続き見られていることがうかがえます。
一方、裏のTBSは『CDTV ライブ!ライブ!』4時間SPを放送。あいみょん、King & Prince、King Gnu、SixTONES、LiSAなど、今もっとも勢いのあるアーティストが生出演したにもかかわらず、世帯は6.3%、個人も3.8%と、フジテレビに負けてしまいました。番組としても、おそらく目標値には程遠い結果でしょう」(テレビ局関係者)
TBSは4月から月曜の番組編成を大幅に入れ替えたが、コロナ禍の混乱も加わり、スタートダッシュにつまずいてしまったようだ。曜日でいえば、TBSは金曜日にも“ほころび”が生じつつあるという。
「金曜のゴールデンタイムといえば、かつてはTBSの独壇場でした。『爆報!THEフライデー』『ぴったんこカン・カン』『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』の3番組が強固に立ちはだかっていたのですが、6月19日の数字は『爆報』7.9%、『ぴったんこ』8.8%、『金スマ』9.5%と、やや陰りがみられます。個人視聴率も3~4%で推移。対照的に、フジテレビは19時から『超ド級!世界のありえない映像』を2時間オンエアし、10.4%(個人6.5%)。その後の『さんまのまんま35周年SP』も9.2%(個人4.8%)と、TBSに競り勝っています」(同)
また、約3カ月遅れで開幕したプロ野球を日本テレビがゴールデンタイムで中継していることも、フジテレビ復調の一因だろう。
緊急事態宣言が解除されてからは、テレビとの接触率が徐々に少なくなってきているのも事実だ。すべての局に当てはまることだが、一度テレビに戻ってきた視聴者をいかにつなぎとめるか、これが今後のカギとなるだろう。
(文=編集部)