28日、阪神競馬場で開催される春のグランプリ・宝塚記念(G1)は、サートゥルナーリアVSラッキーライラックの下馬評が大勢を占めている。これにクロノジェネシスが3番手でグローリーヴェイズ、ブラストワンピースと続きそうだ。
だが、宝塚記念といえば、過去10年で1番人気馬の勝利はわずか2勝。半数の5勝を6~8番人気があげているように、波乱の傾向が強い。週末の天気もどうやら関西地方は崩れる見込みが強く、良馬場での開催は期待出来そうにない。
馬場読みだけでなく、データも大好きな与田飛鳥が過去の傾向を踏まえつつ、「爆穴」ゲット予想を試みた。馬場読みは諸刃の剣でもあり、天気次第で当日の馬場状態は傾向が真逆になることも多いだけに、雨予報ならデータの方が信頼できるだろう。
そこで、まずは過去10年で宝塚記念を6~8番人気の穴馬が優勝した年の馬場状態を確認してみたい。
18年7番人気ミッキーロケット 稍重
16年8番人気マリアライト 稍重
15年6番人気ラブリーデイ 良
11年6番人気アーネストリー 良
10年8番人気ナカヤマフェスタ 稍重
これ以外に稍重で開催された年は3番人気サトノクラウンが優勝した17年の1度がある。単勝オッズ1.4倍と圧倒的1番人気の支持を受けたキタサンブラックが9着と惨敗。これを含めると10回中、4回の稍重での開催はすべて荒れたと考えても的外れとまでは言い難いのではないか。
今年の宝塚記念は稍重~不良の馬場で開催される可能性が高い。ならこれを逆手に取って穴予想をしても無理筋ではないという見方も可能だ。25日現在の『netkeiba.com』の想定オッズでは、キセキが6番人気、ワグネリアンが7番人気、スティッフェリオが8番人気となっている。
これらの中なら、ダービー馬とはいえ、最近未勝利が続くワグネリアン。前走の天皇賞・春(G1)で明らかに前残りの恩恵が強かったスティッフェリオよりは、武豊騎手のキセキに食指が動く。
「◎」は、稍重なら荒れる宝塚記念を決め打ってキセキとしたい。
同じく狙える人気帯のワグネリアンやスティッフェリオを選ばなかった理由は「道悪適性」の差にある。何しろ唯一のG1勝ちである菊花賞(G1)が不良の泥んこ馬場だった。昨年の凱旋門賞(G1)も重馬場でブラストワンピースやフィエールマンが苦しむ中、日本馬で最先着の7着と健闘している。
1番人気だった昨年の宝塚記念はリスグラシューの前に2着と敗れたが、相手は暮れの有馬記念(G1)で今回人気確実のサートゥルナーリアを5馬身突き放す圧勝をした馬だ。既に引退して今年の出走がないなら度外視できる。
また、天皇賞・春から一気に距離が短縮することも折り合いがつきやすくなる。ライバルのサートゥルナーリアが良馬場の経験しかなく、ラッキーライラックも稍重の府中牝馬S(G2)を3着に敗れているなら、道悪適性は未知数といっていい。「重の鬼」キセキは大きなアドバンテージだろう。ゲートに関してはもはや運頼み。前走は好スタートを決められただけに、今回も何とか「好発」を祈るのみだ。
「〇」 はラッキーライラックとしたい。
近年の競馬で牝馬の活躍が顕著なことも後押しとなる。長らく牝馬が勝てないといわれていた宝塚記念も2005年スイープトウショウ、16年マリアライト、19年リスグラシューともはや過去の話となった。マリアライトやリスグラシューは前年のエリザベス女王杯を勝った実績があったことも、昨年の同レースを制したラッキーライラックにとっては好材料だ。
この馬の父はオルフェーヴルだけに祖父はステイゴールド。過去10年で4勝をあげている種牡馬で、孫にあたるラッキーライラックも力のいる馬場も大きな割引材料とはならない。オルフェーヴル自身も12年の勝ち馬でもあり、馬場が多少渋ってもこなせる裏付けはある。
デビュー時に480キロだった馬体は、前走の大阪杯優勝時には520キロと40キロもパワーアップした。ここまでくればもう、牝馬だからといって2キロ減らすのはどうかとすら思えるレベルだ。
「▲」は思い切ってトーセンスーリヤを抜擢してみたい。
前走の新潟大賞典(G3)で初重賞勝ちをしただけの馬に過度な期待は禁物かもしれないが、何しろ追い切りの内容が凄かった。追い切りだけで期待するのは無茶な話だというのは百も承知だが、唸るような走りには激走の予感があった。
良馬場ならばむしろ狙わないのだが、馬場が渋るからこそ前残りに注意もしておきたい。今回は全くの人気薄のため、思い切ったレース運びも可能だろう。横山ファミリーは父・典弘騎手、三男の武史騎手の活躍が目立つが、長男の和生騎手も穴で狙える騎手として密かに穴党から熱い視線を集めている。
「△」はクロノジェンシスでどうか。
重馬場の京都記念(G2)をカレンブーケドール相手に2馬身半の楽勝を決めたのは記憶に新しい。距離も大阪杯と200mしか変わらないならラッキーライラック同様に崩れるリスクは小さいだろう。
鞍上の北村友一騎手は、レシステンシアに続きダイアトニックまで乗り替わる不運もあった。それだけにクロノジェネシスだけは何としてでも死守したいところ。気合が入らない理由がない。
「★」にカデナの激走を期待する。
前走の大阪杯は鮫島克駿騎手のイン突き狙い撃ちが見事にハマったレースだった。逃げたダノンキングリーのペースがスローだったこともあって、4着に終わったが、もう少し流れる展開になっていれば3着以内も十分にあった内容だ。
むしろ馬券になっていたら目立っていたかもしれないだけに、4着で終わったことは人気の盲点として美味しい存在になったといえるのではないか。
サートゥルナーリアはあえて消してみたい。アーモンドアイが宝塚記念を避けている理由として、この時期の荒れた馬場を使いたくないという陣営のコメントもある。サートゥルナーリアも同じくロードカナロアの産駒であり、まったくの他人事ではないだろう。
実際にこれまでのキャリアで良馬場のレースしか経験がなく、道悪の適性は不確かである。気性的に難しい馬だけに、初の道悪がどういった結果に転ぶのかはやってみないとわからない。思い返せば皐月賞を快勝して臨んだダービーの凡走は、初の左回りと東京競馬場も少なからず影響したのではないか。
阪神コース自体は神戸新聞杯(G2)で経験済だが、渋った馬場に能力を発揮できない可能性も捨て切れない。「爆穴」ゲットのためにも虎穴に入らずんば虎子を得ずだ。
買い目は以下の通り。
3連単 1頭マルチで4点流しの36点
[14] ⇒ [6,11,16,17]
おそらくどの組み合わせが来ても高配当間違いなしの馬券で攻める。
(文=与田飛鳥)