大好きだった機種が打てなくなる…。
毎日でも打ちたいと思うほど面白い機種が撤去期限を迎えた時の悲しみは、私にとっては恋人との別れにも似た非常につらいものでございます。多くのパチスロファンも似たような体験をされた事があるのではないでしょうか。
パチスロ4号機の伝説的機種、約62万台というパチスロ史上最大のセールス数を誇って全国のファンが熱狂した初代『北斗の拳』が撤去される直前には、「この名機が打てなくなるのはつらい」「北斗が打てないならパチスロをやめる」など撤去を惜しむ声が後を絶たない状況でした。
4号機と5号機がホールに混在していた時代にも「もうすぐ全ての4号機がなくなって打てなくなる」という焦燥感にも似た感情がこみ上げましたし、4号機が消えてからはショックのあまりしばらくホールさえも行かなくなったほどです。
私はふと思いました。「あの時」と「今」は非常に似ていると。ホールを賑わせていた5号機の主役たちが次々に撤去期限を迎えていき、5号機から6号機の時代へとシフトする転換期が今まさに迫ってきております。
『ミリオンゴッド‐神々の凱旋』や『沖ドキ!』など、5号機の名だたる主役たちは年内に撤去を迎え、近い未来には6号機のみの設置となる予定です。
もちろん、6号機も十分に面白いものでございますが、5号機時代を牽引してきた数々の名機を打てなくなってしまう事を考えると、寂しさや悲しさを抱かずにはいられません。
特に5号機屈指の名作揃い『ゴッド』シリーズには大変お世話になりました。その中でも『アナザーゴッドハーデス‐奪われたZEUSver.』は、私にとって因縁を感じさせる特別な存在でございます。
パチスロ仲間やネットで「GOD引いて万枚出した」「GODを引いた時の興奮は病みつきだ」という話を頻繁に耳にし、いつしか「自分もGODを引いてみたい」と思うようになりました。
『ハーデス』の爆発力に惹かれ、来る日も来る日も打ち続けたのですが、諭吉だけが減っていく毎日…。導入開始から撤去日を迎える約6年間、ただの一度もGODが降臨することはなく、コテンパンにやられる日々を過ごしておりました。
累計何万ゲーム回したでしょうか…気が遠くなるほどのゲーム数を回し、その度にGOD揃いの存在も遠く感じていったのを今でも覚えております。
そして迎えた昨年の『ハーデス』撤去日…私は「最後に絶対GOD揃いを引いてやる!」という強い意志で戦場へと赴いたのです。
ホールには『ハーデス』の打ち納めをしようと多くのお客様がいらっしゃり、あっという間に満台になりましたが、なんとか台を確保する事ができました。
ただ、400G台のヘルゾーンを超え、800G台のヘルゾーンを超え…気づけばヤケクソで天井を目指すという泣きたくなる展開に…。「最後まで神は味方しないのか」と思いながら、次第には「この機種は自分に恨みでもあるのか」と、被害妄想すら抱いてしまう始末。
「どうせ天井間際で当たるだろうな」「一回当てたら帰ろう」と意気消沈。鳴かず飛ばずの展開に私のメンタルは完全にやられておりました。
しかし、忘れもしない1097Gに“奇跡”が起きたのです!
「プチュン」。筐体から聞きなれない音が発生し、下向き加減で打っていた私は驚いて顔を上げました。するとそこには真っ黒な画面に、うっすらと疲れ果てたオッサンの顔が映し出されているではありませんか。
最初は状況が呑み込めなかった私ですが、ほどなくして画面に表示された文字を見て全てを理解しました。
「左を押してください」
ついに…ついにGOD揃いを引く事ができた!!
私の心は歓喜という感情に満たされ、感動のあまり泣きそうになっておりました。心に重くのしかかっていたどんよりとした空気が晴れわたり、天空を優雅に飛び回る天使のような清らかな気持ちが私を満たすと同時に、言葉にはできぬ「興奮」「欲求」が生まれたのです。
大量出玉獲得のトリガーであるGODの破壊力…果たしてどれだけの出玉を獲得できるのか。ハーデス降臨でコンボフリーズが炸裂して爆乗せも夢じゃない! 私の心は「万枚」の二文字に支配されておりましたが…。
ふたを開ければケルベロスが3匹で2000枚という何ともいえない出玉で終了…浮かれていた私を一気に現実へと引きずり込む残念な結果でした。ただ、念願のGOD揃いを引いて『ハーデス』とお別れできた事は本当に良かったと思っております。
これまで、多くのファンが楽しんできた5号機を打てる期間はそう長くありません。思い入れのある機種や撤去までに打ってみたい機種などを「打ち納め」してみてはいかがでしょうか。
(文=ミリオン銀次)