アジアで大ブレイクのw-inds.を抑圧し続けた“ジャニーズの壁”…日本芸能界のタブー

 元AKB48で女優の渡辺麻友の引退が発表された6月1日、男性3人組ダンス&ボーカルユニット「w-inds.」の緒方龍一が心身症などを理由にユニットを脱退すると、所属事務所ライジングプロダクションが発表した。緒方は事務所との契約を終了し、芸能界を引退する意向だという。来年3月でデビュー20周年を迎える予定だったw-inds.だが、緒方は「この数年間、精神的に不安定なことが続いていました」とのコメントを発表した。

 ライジングプロといえば、安室奈美恵、MAX、SPEED、DA PUMPなど歌って踊れる人気グループを次々と輩出。そんな1990年代のライジングプロ全盛期の勢いを受け継ぐべくDA PUMPの弟分として2001年にデビューしたのがw-inds.だった。当時14歳だった橘慶太を中心に、千葉涼平、緒方の3人で高度なダンス技術や歌唱力にこだわった美少年3人組として注目を集めた。

 しかし、日本の芸能界では、そんなw-inds.に大きな壁があったという。テレビ局関係者はいう。

「w-inds.は、実力はもちろんビジュアルも良く、デビューして4年後の台湾ソロライブを機に、中国、香港、台湾、韓国などアジア圏で大ブレイクし、タイ、マレーシア、シンガポール、ベトナムへも進出して、日本のアーティストとしては他に類を見ないほど海外で活躍をしていました。その一方、彼らの実力や活躍は国内ではあまり知られていないんですよね。

 なぜかといえば、歌って踊れる美少年3人組といえば、ジャニーズ事務所の競合になるからです。w-inds.デビューのあと、韓流の男性グループが日本でも勢いを増しましたが、どのグループも“アイドル”という肩書を前面には打ち出さず、日本の大手メディアもアイドルグループという呼び方をほとんどしてこなかった。日本の芸能界ではアイドルと呼んでいい男性グループはジャニーズだけという暗黙のルールがあるんです。

 w-inds.はあんなに実力があるのに、もっと人気が出てもいいはずでした。メンバーたちもデビュー当初はまだ子どもだったので、そんな大人の事情は知らずに伸び伸びやっていましたが、やればやるほど大人の事情を理解し、限界を感じながらやっているようでした。w-inds.が国内で大きくブレイクしなかったのは、ジャニーズという厚い壁の存在があったためというのは、業界内では共通した見方ですよ」

強かったメンバーの絆

 それでも約20年にわたり結成当初のメンバーだけでやってこられた裏には、メンバーの絆とライジングプロの方針にあるという。

「3人にとってはジャニーズという共通の敵がいたので絆も強くなりますし、何より3人ともとても誠実で仕事にひたむきなんです。加えて、ライジングはジャニーズ以上にタレントの教育には厳しい面もある。w-inds.の3人は、これまで不祥事はもちろん、スキャンダルのようなものもありません。慶太くんが10代の頃に松浦亜弥との熱愛が報じられましたが、結果的に2人は結婚。そこまで貫いた彼に対する信頼度は高いです。千葉くんも緒方くんもマジメだと評判ですよ」(別のテレビ局関係者)

 今回、緒方が引退に至った背景について、業界関係者はこう語る。

「グループとして今は全盛期のような勢いはありませんが、固定ファンはしっかりついています。慶太くんはデビュー当時からほとんどの曲の作詞を手掛けていますから、メンバーの中でも収入面や将来性も手堅く、心配ありません。慶太くんからはだいぶ遅れましたが、30代になって千葉くんも17年に一般女性と結婚しました。昔気質の事務所の会長は“所帯を持ったなら、がんばらなければ”と背中を押すタイプですし、本人も意欲的でしょう。その一方で緒方くんはグループ内では唯一独身。千葉くんが結婚したくらいから、将来のことを悲観的に考えるようになってしまったようですね」

 緒方はコメント内で「いつ、どのような形になるのかはお約束できませんが、またいつか元気な姿でみなさんにお会いできますよう、自分らしく精進していきたいと思います」と綴っているが、またいつか3人が揃う姿をみられる日がくることを祈りたい。

(文=編集部)