JRA京王杯SC(G2)タワーオブロンドンの敵は「雨予報」!? 東京の「超高速馬場」が大歓迎の理由

「昨年は強かったですし、十分休養させてこのレースに向けて調整をしてきました。順調に来ていて馬も元気いいですし、体調も良さそうなので応援してください」

 今年3月、高松宮記念(G1)に出走するタワーオブロンドン(牡5歳、美浦・藤沢和雄厩舎)の共同会見で、藤沢和雄調教師はそう自信ありげに語っていた。

 しかし、蓋を開けてみれば、1番人気の支持を得たものの、期待を大きく裏切る12着に沈んだ。関係者が危惧していた重馬場となってしまい、手応え十分で直線に向いたが「トモ(後肢)が流れて、手応えほど伸びなかった」(福永祐一騎手のレース後の談話)という。

 そんなタワーオブロンドンにとって仕切り直しの一戦となるのが、16日に行われる京王杯スプリングカップ(G2)だ。

 悲願のG1制覇に向けて順調なダノンスマッシュや、良血馬・グルーヴィット、G1馬のステルヴィオ等、骨っぽい出走メンバーが揃い、タワーオブロンドンがどんなレースを見せるのか。

「タワーオブロンドンは昨年、1分19秒4のレコードでこのレースを勝ちました。また秋のセントウルS(G2)でも、1分6秒7のレコード勝ち。そのままの勢いでスプリンターズS(G1)を勝ち、念願の初G1に輝きました」(競馬記者)

 後方からの競馬で、キレ味鋭い末脚を繰り出し、ほとんどのレースで上がり3Fタイムがメンバー中3位以内をキープしている。

 この中間は順調で、1週前追い切りではWコースで6F80秒4、3F37秒8、ラスト1F12秒1を出している。藤沢流“馬なり”調教で好タイムが出ているのは、絶好調の証だろう。

「タワーオブロンドンは、今年オーシャンS(G3)の最終追い切りで、テンから飛ばしすぎて最後バタバタでした。(結果3着)これは、休み明けのせいであり、元々は叩き良化型です。

 好調時の馬体のシャープさも出てきました。今は、テンションも高まらず、良い形で調整されていますので、今週の最終追い切りで狂いが生じることは考えづらいですね」(同)

 タワーオブロンドンの京王杯SCの2連覇、そして高松宮記念惨敗を払拭する態勢は整いつつある。

「ところが今週土曜日は、雨が降りそうなんです。気象庁が発表する『週間天気予報』によると、東京都は“曇り一時雨”の予報。降水確率は60%です。いつから、どれくらいの時間降るのかは、まだわかりませんが、いずれにしてもタワーオブロンドンにとって、雨は不安材料ですね」(同)

 実は高松宮記念以外にも、昨年の函館S S(G3)3着、キーランドカップ(G3)3着は、どちらも稍重で星を落としている。雨で馬場が重くなれば、かなりのマイナスだ。

「これまでレコードで2度重賞を勝っているように、この馬の持ち味は軽い高速馬場です。負けた北海道の2戦は、稍重の上に時計のかかる洋芝だったということも敗因としてあったと見ています。

 今の東京は軽い馬場で、時計が掛かる芝ではありません。今週からBコースで行われ、馬場状態は良好です。叩き3戦目で今が充実期のこの馬なら、少々雨が降っても末脚のキレは、削がれないのではないでしょうか」(競馬誌ライター)

 タワーオブロンドンが“最強”という称号を得るには、例え雨が降っても苦手とする馬場を克服することが必須であろう。それを成し得た時こそ、この馬の真のVロードがスタートするのではないだろうか。

 この馬を理解しているC・ルメール騎手の手綱で、京王杯SC連覇に邁進したいところだ。