1年で会員数5倍、既婚者の“真面目な出会い”のパイオニア Healmate代表・磯野妙子氏インタビュー

●この記事のポイント
既婚者専門マッチングアプリ「Healmate」は、安心・安全を最優先に設計された“真面目な出会い”の場として成長を続け、累計会員数50万人を突破した。創業者・磯野妙子氏は自身の結婚生活の苦境を原点に、女性目線でプライバシー保護機能や同時写真公開機能などを独自開発。掲示板機能や徹底した安全対策により信頼を積み重ね、1年で会員数を大きく伸ばした。賛否ある分野だからこそ「救われる人がいる現実」に向き合う姿勢が支持を集めている。

 既婚者専門マッチングアプリ市場の成長が加速している。利用者数はおよそ150万人、市場規模は100億円規模に達しているといわれる。規模自体は大きくないものの、成長率は極めて高く、注目される分野なのだ。

 既婚者同士の出会いと聞けば、すぐに「不倫」という言葉を連想してしまう向きも少なくない。しかし、現実にはその連想が必ずしも的確ではない時代になってきている。既婚者であっても、ときめきや理解者を求める気持ちは消えるものではない。むしろ家庭という責任を背負う立場だからこそ、配偶者には打ち明けにくい悩みや愚痴を話せる相手が必要になる場面もある。そうした心の受け皿となるサービスが成長しているのは、ある意味で自然な流れといえるだろう。

 この市場には多くの企業が参入しており、現在ではおよそ10社がサービスを展開する競争市場となった。その中でもアクティブ会員数でトップクラスを維持しているのが「Healmate(ヒールメイト)」である。未経験からこの領域に飛び込んだ創業者、磯野妙子氏に話を聞いた。

自身の“苦境”を乗り越えようと踏み出した一歩が起業の原点

「この市場には潜在的なニーズが多く、『真剣な既婚者同士の出会い』というコンセプトは一定の支持を得られるだろうという感覚はありました。ただ、時流や環境に左右されやすい部分も大きく、10年先まで右肩上がりで成長するとは考えていません。それでもやり方を磨いていけば、まだ成長の余地はあると思っています。私はおそらく、どこまでいっても『満足』とは言わないタイプなのでしょうね」

 にこやかな笑顔で語るその姿には、楽観でも悲観でもない、状況を冷静に見据える目がある。磯野氏がヒールメイトを立ち上げたのは2022年6月である。出発点は綿密な市場分析や事業計画ではなかった。背景にあったのは、自身の結婚生活の行き詰まりと、生活を自力で成り立たせなければならない現実であった。

「何か新しい一歩を踏み出さなければいけないと思ったきっかけの一つが、夫と離婚を考えたことでした。離婚すれば、一人で子どもを育てる必要があります。結婚前は看護師として働いていたので復職は可能ですが、東京で子ども二人を育てるにはそれだけでは現実的に厳しいと感じました。だったら自分で何かを始めるしかないと思ったのです。漠然とではありましたが、高校生で看護師の道を選んだときと同様、『やるからには人の役に立ちたい』と考えていました」

「訪問看護ステーションはどうだろうか」など、何を始めるかを模索する中で、紆余曲折の末に出会ったのが、当時はまだ今ほどメジャーな存在ではなかった既婚者向けマッチングアプリだった。しかし、その出会いはまったくの偶然で、たまたま友人にアプリの存在を教えられ、夫と離婚した後、第二の人生を共に送れる相手を探すのが目的の登録だった。ところが実際に触れてみると、期待よりも落胆が多かったという。

「既婚者向けマッチングアプリを利用してみたのですが、嫌な思いをすることが多かったです。写真を交換した途端に連絡が途切れることもありましたし、いきなり性的関係を求めてくる人も少なくありませんでした。真剣に悩んでいて離婚前提だと伝えたら、『バカじゃないか』と言われたこともあります。辛い結婚生活の中で希望を求めて来ている人が、そこでさらに傷つくのはおかしいと感じました。それでもサービスが成り立っているのは、多くの人が嫌な思いをしても『こういうものだ』と麻痺してしまうからでしょう。しかし、それが当たり前でいいはずがない。そんな経験から普通の人間関係の感覚が保たれる世界、救いを求めている女性が決して傷つかない出会いの場を作りたいという気持ちが芽生えてきたのです」

 この「自分が使いたいと思えるサービスがないなら、自分で作る」という率直な発想が、後の事業思想の核となった。市場の歪みに違和感を覚えるだけでなく、その裏に潜む需要へ視線を向けた点は印象的である。とはいえ、当初から起業志向だったわけではない。

「大学卒業後は看護師として大規模病院に勤務していました。命に関わる現場の充実感はありましたが、周囲に優秀な人が多く、この中で突出するのは難しいと感じていました。良かれと思って行動しても、組織の論理で否定されることもありましたし、性格的にも誰かの下で働き続けるのに向いていないと感じました。どこかで『自分の信念で動ける場所で生きたい』という思いがあったのです」

「性格的にもやりたいことをやらずに後悔するのが一番嫌です。これは父の影響もあります。父は複数の会社を立ち上げてきた人で、起業は特別なものではなく生活の延長線にある感覚でした。『欲しいものは自分で作れ』という考え方が自然に身についていたのだと思います」

踏み出したからこそ、出会えた“偶然”

 こうした内面の志向や家庭環境が、起業への一歩を後押しした。ただし、ビジネス経験はほぼゼロに等しい。立ち上げまでの過程には試行錯誤だけでなく、様々な偶然や運も重なっている。

「まずシステム開発会社を探しました。ネットで検索すると数え切れないほど出てきますが、どこが良いのか、提示金額が妥当かも判断できませんでした。ネットで知り合ったエンジニアに相談したところ、『開発会社に頼むとお金ばかりかかる』と言われ、『自分が開発を引き受ける』と申し出てくれたのです。彼自身も既婚者向けのマッチングアプリに興味があり、結果的に二人三脚で始めることになりました。本当にラッキーでした」

 ここで疑問に思うのは、マッチングアプリで不快な経験をしていたにもかかわらず、見知らぬエンジニアの提案をどうして信用できたのか、という点だが、そこはどうなのだろうか。

「自分でも不思議ですが、やり取りしていて違和感がなかったことが大きいと思います。レスポンスも誠実でしたし、『この人なら大丈夫かもしれない』と感じました。ただ、彼と創業するにしても問題は二人の関係性をどうするか。常識的には経営の経験が豊富な彼が代表になるか、完全な共同代表制にするかが順当だったでしょう。しかし彼は、『二人が同等の立ち位置ではなく、どちらかが上になる方がうまくいくと思う。自分は〝ナンバー2”としての適性は誰にも負けない自信があるから、あなたに代表になってほしい』と言ったのです。確かに二頭体制はうまくいかない、だとすれば強い思いを持つ私が代表になるべきと考えてのことでした。その言葉を聞き、これならうまくいくかもしれないと思い、代表を引き受けました。あとはやや怪しいと感じるかも知れませんが、私は直感に自信があるんです(笑)」

 技術面の課題を乗り越えた後、次に立ちはだかったのは資金である。ネットサービスは開発費だけでなく、宣伝費も必要になる。当時、潤沢な資金があったとは考えにくい。

「私が6割、共同代表が4割の出資でスタートしました。看護師をしていた時代にコツコツ貯めた貯金を吐き出しましたが、私はお金に対して比較的楽観的で、『使えば流れが生まれて新たに入ってくる』という感覚があり、ためらいはありませんでした。サービスをリリースして数カ月後には資金が底を突き、大切にしてきたアクセサリーを現金に換えたり、父の遺産を取り崩したりして、なんとか乗り切ったこともありました。父は『自分の決めた道を突き進め』というタイプでしたから、父も喜んでくれるはずだと勝手に思っています(笑)」

 生活基盤に関わる決断でもあり、安全圏を残した選択ではない。それでも前に進めたのは、彼女自身の価値観が背景にあったからである。

「失敗を恐れて何もせずにいると、結局何もできずに失敗すると思っています。だから『大丈夫、うまくいく』と自分に言い聞かせて進みました。経営判断として洗練されていたとは言えません。事実、ここでは話しきれない幾多の困難がありました。しかし、リスクを取って投資しなければ何も始まらない。その信念だけは一貫していました」

女性である自分が使いたいと思える運営・機能を徹底的に追求

 サービス設計で最も重視したのは、利用者が安心できることだった。競合サービスが存在する中で差別化は必須である。

「当時4つ程度あった先行サービスの良い部分は取り入れました。既に結果が出ているのですから、それを取り入れない理由はありませんからね。そのうえで譲れない部分を強みにしました。たとえばプロフィール写真のぼかし具合を細かく調整できる機能です。開発は難しかったのですが既婚者が利用するため、プライバシー保護は特に重要と考え、リリースに間に合わせました。また、その後に導入したのが写真交換の仕組みです。片方だけ送り、相手が送らないまま見られてしまうことがないよう、双方が同時に公開しない限り表示されない設計にしました。これは他のネットサービスにもない機能だったので、現在、特許を申請中です。他にもたくさんのオリジナル機能を開発しました。手間はかかりましたが、『安心して使える場所を作る』ことを最優先したのです」

 市場分析以上に重視したのは、自分自身が使いたいと思えるかどうかである。それが結果として、信頼を積み重ねることにつながっていく。事業開始から3年目にあたる2024年初頭、ヒールメイトはようやく成長の転機を迎えた。会員数が右肩上がりで伸び始めたのである。背景には、社会的な空気の変化もあるだろう。不倫や夫婦関係を題材にしたドラマや映画が相次ぎ、「こうした関係も現実の一部として存在するのではないか」という感覚が、より広く共有されるようになったことが影響した可能性もある。また、会員数が一定規模に達したことで、「試しに覗いてみよう」「課金してみよう」という心理的ハードルが下がった面もあるはずだ。とはいえ磯野氏本人は、この要因を控えめに語る。

「オリジナルの機能が評価されて急に伸びたわけではありません。理由を探すなら、ユーザーと距離の近い『会員様第一』の運営を心掛けて、リリース後もアップデートの頻度を高く保ってきたことがあるでしょう。現在でも年間100件以上の細かな改善を行っています。初期はもっと多かったと思います。私たちはユーザーにはなれませんから、実際に使っている会員の声を何よりも重視しました。改善告知にコメントで意見をもらえる仕組みを作り、それを反映しています。実装した機能を『使いにくい』と言われれば数日で修正することもありました。会員と一緒にサービスを育ててきた感覚があります」

 マッチングアプリの利用者は、本来、早期に出会いを卒業することを目的としている。パートナーが見つかれば、一刻も早く卒業したいと考えるのが普通だろう。それにもかかわらず、運営を応援するような関係性が生まれるのは珍しい現象である。それどころか、一部の会員は出会いそのものではなく、「居場所」としてサービスを利用するようになったという。

「ヒールメイトにはユーザー同士が意見交換できる『掲示板』があるのですが、それを読むだけで満足する方や、『居場所』として使っている方もいます。ユーザー同士で『このサービスはいいよね』と盛り上げてくれることもあります。運営の姿勢が伝わった結果、『放っておけない』『一緒に良くしていこう』と思ってくれたのでしょう。あの光景を見たとき、やってきたことは間違っていなかったと感じました」

 顧客重視の姿勢は、コスト配分にも表れている。最も資源を投じたのは安全対策である。会員数の増加に伴いカスタマーサポートや安全対策のスタッフを充実させてきたし、違反行為が確認されれば即座に警告や投稿の削除、利用停止、強制退会などの処分を実行。加えて必要と判断すれば躊躇せず弁護士対応も実施してきた。

「残念ですが、会員が何十万人もいればトラブルをゼロにすることはできません。だからといって、『自己責任』で切り捨てるのではなく、起きた事例を共有し、リスクを伝えることを重視してきました。弁護士の紹介など、可能な範囲のサポートも行っています。費用や批判のリスクもありますが、隠すより『泣き寝入りしない姿勢』を示すことが重要だと考えています。それでここでは悪いことは出来ないという雰囲気が伝われば、下心のある人が来なくなるし、結果として我々が考える既婚者の心の癒やしになるコミュニティができると考えたのです」

 この姿勢は信頼を生み、その信頼が新規流入や継続契約につながる。短期的な利益だけを見れば過剰とも映る対応であるが、長期的には合理的な判断である。背景には、幼少期からの価値観が影響している。

賛否のある分野だからこそ、“信頼”がすべて

「父からよく『ゴミが落ちていたら、跨いでいく人間になるな』と言われて育ちました。問題を見て見ぬふりをするな、という意味だったと思います。一時的に損に見えても、守るべきところを守らなければ信頼は失われる。そう考えるようになったのでしょう。加えて、私が女性であることも関係しているかもしれません。個人差はありますが、女性の方がリスクを強く感じる場面は多いと思います。それが設計にも反映され、『安心して使える』という感覚につながったのではないでしょうか。結果的に女性が増え、男性も集まる循環が生まれました。ただ、それは戦略というより『本気で安心できる場を作りたい』という思いの表れです」

 磯野氏が目指してシステムはかなり完成に近づいている印象だが、それでもまだ改善の余地はあるのだろうか。その点について尋ねてみた。

「謙遜ではなく、まだまだです。事実、会員の方からもこうして欲しいという要望が届いていますから、それについては今後も答え続けていくつもりです。その意味でも満足といえるものは永遠に出来ないのかも知れませんね。ただ、これで充分と思った瞬間に成長は止まると思っています。さらに言えば、ヒールメイトだけでは根本的な解決にならないケースも多いことが分かってきました。出会いよりも『話を聞いてもらえる場』『共感し合える場』に救われている人が多いのです。掲示板を見て、別のコミュニティの必要性を強く感じ、新たな開発を計画しています。収益性は高くないと思いますが、必要としている人に届くことの方が重要です」

 すでに市民権を得たと言える既婚者向けマッチングアプリだが、それでもネガティブに見る人がいるのも事実。そこに携わることに、磯野氏はどう思っているのか。

「この分野に賛否があることは理解しています。ただ、このサービスで救われている人がいる事実を見続けてきました。誰かとつながることで『もう少し頑張れる』と思える人がいるなら、そこに関われることに意味があります。批判を受けることもありますが、それでも『現実に救われている人がいる』のも事実ですし、そのことで『生きてきて意味があった』と思える仕事ができれば十分です。その意味で、わたし自身もこの仕事をしながら、会員の方に支えられているのかもしれませんね」

 市場分析や資本戦略ではなく、拠り所はあくまで経験と利用者の声である。この一見素朴な姿勢こそが、結果として信頼を積み重ね、ヒールメイトを成長軌道に押し上げた最大の要因だといえるだろう。

文=平原 悟(ひらはら さとる)
ライター。1961年福岡県生まれ。「現代ビジネス」「週刊現代」などで活動。

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Healmate(ヒールメイト)は、既婚者専用のマッチングアプリ。男女の真面目な出会いやセカンドパートナー探し、異性・同性の友達づくり、仲間づくりなど、様々な用途でご利用いただけます。掲示板やグループチャット、イベント(オフ会)などの機能もあり、既婚者コミュニティとしても活用されています。

女性は完全無料、男性は登録無料でマッチング女性とのメッセージ以上は有料です。登録は簡単ですから、ぜひ一度サイトをのぞいてみてください。

【サービス概要】

名称:Healmate(ヒールメイト)
サービスURL:https://healmate.jp/
累計会員数:50万人
男女比:男性 54%、女性 46%
会員年齢層:20~50代
料金:女性 無料
   男性 スタンダードプラン ¥9,800/月
      プレミアムプラン  ¥11,800/月
※割引料金が適用されるお得な3カ月プラン・6カ月プラン・12カ月プラン有(例:6カ月プランなら1カ月あたり¥5,800)
お支払い方法:クレジットカード各種、PayPal、あと払いPaidy、銀行振込
インターネット異性紹介事業届出済 受理番号(30220008-000)

【本件に関する報道関係者からのお問合せ先】
会社名:レゾンデートル株式会社
設立:2021年12月7日
代表者:磯野妙子
会社HP:https://raisondetre-inc.co.jp/
住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷5-27-5 16階
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