4月11日に開幕した第1回福島開催は、計8日間無観客で行われ5月3日に幕を閉じた。なお同開催リーディングには11勝を挙げたデビュー3年目の西村淳也騎手が輝いた。2位の吉田隼人騎手、団野大成騎手が6勝だったため、ダントツの成績で優勝を収めている。
この開催期間中には歴史的快挙も成し遂げられた。4月25日に藤田菜七子騎手が女性騎手として史上初のJRA通算「100勝」を達成したのだ。
2月15日の小倉開催で落馬負傷した藤田騎手。約1カ月の療養期間を経て、予定通りの3月20日に復帰を果たすも、そこから「36連敗」を喫してしまう。その連敗中には、重賞4勝馬コパノキッキングと挑んだ東京スプリント(G3)で、圧倒的1番人気に支持されるも5着に敗れてしまうほどの不振だった。
だが、福島開催が転機となる。開催初日に待望の復帰後初勝利を挙げた。そして2週間後には、区切りの大記録達成となったのだ。
復帰後の初勝利やJRA通算100勝目を挙げるなど福島で話題の多かった藤田騎手だが、実は同開催でわずか「3勝」しかしていない。
「怪我をしてから明らかに精彩を欠いていますね。福島での3勝の内2つはスピードを活かしての逃げ切り勝ち。馬の能力で勝ったような内容のため、ジョッキーの手腕とは言い難いレースです。復帰後、馬込みを捌けなかったり、ポジション取りで負けたりするなどの弱点が目につき、メンタル面が不安視されます。
逆に好調の若手騎手は、先輩に対しても臆さず好位置を確保するなど必死です。小回り福島ではタイトに回ること、前へ行くことが重要なため、しっかりと実践しています。それに比べると今の藤田騎手は、どうしても気持ちの面で負けているように感じられてしまいます」(競馬記者)
実際に落馬負傷前の小倉開催は【5,6,6,53】で、勝率7.1%、複勝率24.3%という成績だったが、福島開催は【3,1,5,53】で、勝率4.8%、複勝率14.5%と成績を大きく落としている。落馬がメンタル面に影響を及ぼしている可能性もありそうだ。
さらに、成績不振の要因には新型コロナウイルスの影響があるかもしれない。
「昨年に比べて馬質が落ちているように感じます。その結果、成績も芳しくないという“負のスパイラル”に陥っていますのではないでしょうか。これには新型コロナウイルス感染防止策として実施されているトレセン入場規制が大きく関係しています。
現在、藤田騎手のエージェントは規制の影響でトレセンに来ていません。そのため、有力馬の確保ができていない状況です。実績や力のあるエージェントなら電話でも馬集めは可能ですが、そのあたりがうまくいってないようですね」(別の記者)
たしかに、先週の15鞍の内、5番人気が最高でそれ以外はほとんど下位人気だった。この状況では、結果を出すことが困難なことにも頷ける。
福島では結果を出すことができなかったが、今週末からは新潟開催がスタートする。昨年は第3回新潟開催で9勝を挙げリーディング獲得、さらに年間20勝でこちらもリーディングと、藤田騎手にとって相性のいい舞台だ。
ここで結果を出せば、有力馬の騎乗依頼が舞い込むこともあるはずだ。得意の新潟で“負のスパイラル”から抜け出すことができるだろうか。デビュー5年目の藤田騎手にとって、今年の新潟開催は正念場となりそうだ。