SNSで話題になった「聴難問チャレンジ」は、音だけを手がかりに解くオンライン謎解きクイズ企画だ。
特設サイト上で音声データを聴き、「音の違い」や「微妙な違和感」から答えを導くこのクイズは、東大生を対象にしたテストで正答率0.35%という難易度も超難問レベルで、“聴難問”とシャレをきかせたチャレンジとなっている。最初の正解者には100万円相当のニュージーランド・テカポ旅行が贈られるというインパクトのある賞品設定も相まって、「手がかりが音だけなのが斬新」「誰か一緒に解いてほしい」「聴難問とは新しいですね!どんなんだろう?」「挑戦してみましたが、全然分かりません」といった声がSNS上にあふれた。
この“聴難問”を仕掛けたのが、「聴こえ」の不安や聴き取りにくさをサポートすることに特化したブランド「audio-technica MIMIO(オーディオテクニカミミオ)」だ。声が聴こえやすくなるヒアリングアシストイヤホンや、テレビの音声を聴き取りやすくするお手元テレビ用スピーカーなどを展開し、一人ひとりの聴こえに寄り添うことを理念に掲げている。
老舗オーディオメーカー・オーディオテクニカが手がける同ブランドは、なぜ自ら“聴難問”を仕掛けたのか。そして、「高音質」やスペックではなく、「聴こえ」というテーマを前面に押し出したのか。その背景と狙いを、株式会社オーディオテクニカの専務取締役 マーケティング本部ゼネラルマネージャー・成原公太郎氏と、ヒアリングサポート事業部 事業企画課・本間美賀氏に聞いた。
音だけで解く“聴難問”が目指した体験
──今回、「聴難問」をつくりだした背景は?
本間美賀氏(以下、本間氏):今回の企画の出発点には、「聴こえ」というテーマがあります。聴力は視力のように急激に変化するというより、ゆっくりと少しずつ低下していく性質があり、そのため自分の聴こえの変化に気づきにくいという傾向があります。
そこで私たちはまず、「自分の耳はいまどう聴こえているのか」に立ち止まるきっかけをつくりたいと考えました。単に製品を紹介するのではなく、「耳を澄ませて音を聴く」という体験そのものを企画にできないかと検討し、その結果生まれたのが今回の聴難問チャレンジです。
──通常の企業キャンペーンだと「わかりやすさ」を重視することが多いと思いますが、今回あえて「東大生でも解けない難問」にした理由を教えてください。
本間氏:問題が簡単だと、誰でもスッと解けてしまい、聴こえの個人差を体感する余地が生まれにくいからです。あえて難しくすることで、「なんだこれ?」という驚きから盛り上がり、「私にはこう聴こえた」といった会話が生まれていくことを期待しました。
そこで、東大生の正答率が0.35%という超難問レベルの“聴難問”に設定することで、「本気で耳を使う体験」を生み出そうと考えたのです。結果として、SNS上でも音声に関してのコメントが多く交わされ、人によって聴こえ方が違うことを共有する場になっていたと感じています。
オーディオテクニカが「聴こえ」を前面に出した理由
──オーディオブランドのプロモーションは通常、高音質やスペックを訴求するものが多い印象です。その中で今回、「聴こえ」というテーマを前面に出した発想はどこから生まれたのでしょうか?
成原公太郎氏(以下、成原氏):前提として、当社には「音を通して心豊かな人生を」というブランドステートメントがあります。「audio-technica MIMIO」というブランド名にもその思いを込めており、耳(MIMI)に優しく音(OTO)を届けることで、年齢や環境によって変化する「聴こえ」をネガティブに捉えるのではなく、それぞれの人生や暮らしに合わせて前向きに整えていく、という発想を表しているのです。
そのうえで、近年では聴こえに関する悩みは、中高年の方だけでなく若い世代にも広がっているといわれています。WHOの世界聴覚報告書によると、2050年には世界人口の約4分の1が聴こえの問題を抱える見込みとされており、日本国内でも現在、聴こえにくさを感じている方は、約1,400万人に上るとされていますから、もはや誰にとっても無関係な話ではなくなっているといえます。一方で、聴こえにくさはコンプレックスとして受け止められやすく、悩みを口にしにくい側面もあります。さらに、そもそも聴こえにくいことを自覚していない方も多いため、社会全体の課題として顕在化しにくいのが実情でしょう。
だからこそ今回の企画では、高音質やスペックだけを訴求するのではなく、「聴こえ」そのものと向き合うきっかけをつくることを重視しました。「聴こえ」がもっと日常の中で自然に向き合えるテーマになり、結果として、聴こえが人によって違うことを前提として受け止め、相互に寄り添える社会へと変わっていくことが望ましいと考えています。
サウンド×ロジックでつくった“耳で解く”謎解き
【特設サイト:https://audio-technica-mimio-chounanmon.com/】
──「聴こえ」に焦点を当てたプロモーションは、これまであまり例がなかったと思います。企画を形にしていく上で、どのような試行錯誤がありましたか?
本間氏:チームでは約1年かけて、「どうすれば自分の聴こえに自然と意識を向けてもらえる体験にできるか」を議論してきました。
当初は、社会課題としての聴こえの問題をストレートに伝える案も検討しましたが、多くの方に関心を持ってもらうには、エンタメとしての面白さや楽しさも必要だと考えました。そこでたどり着いたのが、「音声体験型の謎解きクイズ」という形式です。日常生活の中では意識されにくい聴こえに、遊びながら自然に向き合っていただける形を目指しました。
音の作り込みにはサウンドデザインのプロであるA to Z Studioを、謎解きの設計には論理パズルに精通したJAPAN MENSA会員のクリエイターを起用しました。サウンドとロジック、それぞれの専門性を掛け合わせることで、「耳を澄ませて考える」という体験に価値を感じてもらえるようデザインしています。
単なる聴力検査のようなものではなく、「聴こえた音をどう判別し、違和感に気づけるか」という“聴くチカラ”全体を試すような構造になっている点が特徴です。最終的には、「同じ音でも、人によって聴こえ方も感じ方も違う」という気づきにつながる体験になっていればという思いも込めています。
聴こえの課題から「聴覚のウェルビーイング」へ
──今後のヒアリングサポート市場において、audio-technica MIMIOはどのような展望を描いていますか。
成原氏:音響メーカーとしての歩みの中で磨き上げてきた技術を活かしながら、私たちはこれからも「聴こえ」にまつわる課題の解決にしっかりと向き合っていきます。それが、当社ならではの社会貢献のあり方になると考えているからです。
聴こえの問題は、コミュニケーションの断絶や社会的孤立、さらには認知症リスク要因のひとつに挙げられるなど、心身の健康にも影響しうることが指摘されています。そうした点も踏まえ、ビジネス的な観点だけでなく、長期的な社会課題として取り組みたいと考えています。
audio-technica MIMIO製品を通じては、単に聴こえにくい部分を補うためのものではなく、「会話がスムーズにできるようになった」「音楽をまた楽しめるようになった」といった前向きな変化を届けられるような、聴こえを支える存在でありたい。
これは、いわば「聴覚のウェルビーイング」と呼べるような状態で、音を通じて人や社会とのつながりを守り、日々の生活を少しでも心地よくしていくことが、audio-technica MIMIOの目指す姿のひとつです。
「audio-technica MIMIO」は、その実現に向けて、製品とコミュニケーションの両面から挑戦を続けていきます。
(取材・文=福永太郎)
※本稿はPR記事です。