日本の製造業DXはなぜ「構想倒れ」に陥るのか…現場データを経営判断に直結させ、構造的赤字と人手不足を突破する「次世代MES」の正体

 日本の製造業において「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉が浸透して久しい。しかし、その実態はどうだろうか。現場では依然として紙やExcelによる管理が残り、経営層が欲しいリアルタイムの数字が上がってこない――。こうした「経営と現場のデータの断絶」こそが、日本企業の競争力を削ぐ最大の要因となっている。

 世界最大級の産業オートメーション企業、ロックウェル・オートメーションが展開するSaaS型MES(製造実行システム)「Plex」は、この深刻な分断をどう解消するのか。同社ジャパンのエンタープライズ ソフトウェア セールス本部長・吉崎哲郎氏に、日本の製造業が「真の全体最適」を実現し、グローバルで勝ち抜くための処方箋を聞いた。

現場と経営の「分断」が、企業の意思決定を致命的に遅らせる

――製造業のDX推進が叫ばれる中、依然として多くの企業が足踏みをしています。吉崎さんの目から見て、現在の製造現場にはどのような課題があるとお考えですか。

吉崎氏: 多くの経営者は、売上や利益といったKPI(重要業績評価指標)が、各工場でリアルタイムに達成できているのかを把握したいと考えています。しかし、その手前にある「現場のデータ」が、実は非常にアナログな形で眠っているのが実態です。 いまだに多くの現場では、作業実績が紙の伝票で管理されていたり、個別のExcelファイルに集計されていたりします。あるいは、導入から数十年が経過した古い基幹システムが、現代のスピード感に対応できず「情報の孤島」になっているケースも少なくありません。

――データがデジタル化されていない、あるいは分断されていることによる具体的な弊害は何でしょうか。

吉崎氏: 最も顕著に現れるのが「棚卸」の場面です。期末や四半期の締めにあたって、帳簿上の在庫と現物を突き合わせる必要がありますが、リアルタイムの動きが追えていないため、集計作業だけに1カ月もの時間を費やしている企業もあります。 経営判断を下すための材料が「1カ月前の過去データ」では、変化の激しい現代の市場環境には対応できません。また、製品1つを作るのに、直接的な材料費だけでなく、人件費や光熱費といった間接コストがどれだけかかっているかという「正確な原価管理」も曖昧になります。これでは、正しい投資判断も、戦略的な価格設定も困難です。経営と現場がデータで繋がっていないことは、単なる非効率を通り越して、深刻な経営リスクそのものなのです。

「現場の改善力」という強みが、時に「全体最適」を阻害する

――日本には「現場主義」という素晴らしい文化がありますが、それがDXの障壁になることもあるのでしょうか。

吉崎氏: 日本の現場の方々は非常に優秀で、属人的な工夫や「カイゼン」によって高い品質を維持してきました。それは間違いなく強みですが、一方で、その工夫がその場限りの「部分最適」に留まってしまうという側面もあります。 今、日本の製造業に求められているのは、個々の現場の頑張りを、会社全体の利益へとダイレクトに結びつける「全体最適」へのシフトです。そのためには、一部の熟練者の頭の中にしかないノウハウや状況を、誰もがアクセス可能なデジタルデータとして可視化しなければなりません。

――「Plex」というソリューションは、その分断をどのように埋めるのでしょうか。

吉崎氏: Plexは、工場の製造工程をデジタル化し、実績や在庫、品質管理をリアルタイムで紐付ける「MES(製造実行システム)」です。これを導入することで、現場で何が起きているかが即座に可視化され、経営層はそれに基づいた迅速な意思決定が可能になります。現場の「実行力」と経営の「判断力」を、データという神経系で繋ぐ役割を果たすのです。

北米で30年以上の実績。SaaS型MES「Plex」が選ばれる理由

――数あるMESの中でも、Plexが世界中で支持されている理由はどこにあるとお考えですか。

吉崎氏: 最大の特徴は、MESとして30年以上の歴史を持ちながら、完全にクラウド(SaaS)で提供されている点にあります。 従来のMESは、自社でサーバーを構築し、膨大なカスタマイズを加える「オンプレミス型」が主流でした。これでは導入に数億円のコストと数年の期間がかかり、変化のスピードについていけません。対してPlexは、SaaS型であるため、必要な機能からスモールスタートし、事業の成長に合わせてグローバルに横展開していくことが可能です。

――昨今の「EVシフト」など、製造工程そのものが激変する業界でも対応できるのでしょうか。

吉崎氏: まさにそこが強みです。Plexはもともと北米の厳しい自動車産業のサプライチェーンの中で磨かれてきました。近年、ガソリン車からEV(電気自動車)やハイブリッド車へのシフトが急速に進んでいますが、EVモーターの製造現場やそのサプライヤー様でも広く活用されています。 特に北米市場では、大手メーカーがサプライヤーに対し、高度な品質チェック体制や監査への即時対応力を求める傾向が強まっています。Plexを導入していれば、カナダ、メキシコ、中国など世界中に点在する拠点の生産データを一元管理できるため、グローバルでの競争力が飛躍的に高まります。

「導入して終わり」ではない。伴走型の支援と「ユーザーコミュニティ」の価値

――高機能なツールほど、導入のハードルが高いイメージがあります。ロックウェル・オートメーションではどのような支援体制を敷いていますか。

吉崎氏: 我々は、単にソフトを売って終わりという姿勢は取りません。お客様が目指すビジネスゴールを達成するために、外部のコンサルティングファームと連携して現状分析を行ったり、パートナーであるSIer(システムインテグレーター)と共に最適な環境構築を支援したりと、チームで伴走します。 また、我々のサポートで特徴的なのが、導入済みのお客様による「工場見学プログラム」です。

――それはユニークですね。どのようなメリットがあるのでしょうか。

吉崎氏: 同じような課題を抱えていた先行企業の現場を実際に訪問し、どのようにPlexを運用しているのか、導入時にどこで苦労し、それをどう乗り越えたのかを「生の声」で聞いていただくことができます。 マニュアルを読むだけでは分からない、実運用に即したヒントを得ることで、導入後の成功イメージを強固に持つことができます。こうしたユーザー同士のナレッジ共有も、Plexが提供する価値の一部だと考えています。

データ活用は、日本の製造業が生き残るための「必須装備」

――最後に、DXの停滞に悩む経営層や製造現場のリーダーへメッセージをお願いします。

吉崎氏: 深刻な労働力不足や、激化するグローバル競争。日本の製造業が直面している課題は、もはや精神論や個人の頑張りだけで解決できるレベルを超えています。 データ活用は「あれば便利なもの」ではなく、企業が生き残るための「必須装備」です。Plexを通じて現場と経営を繋ぐことは、日本が世界に誇る「現場の力」をデジタルで解き放ち、最強の経営基盤を作ることに他なりません。我々は、その変革に挑むすべての企業のパートナーでありたいと願っています。

※本稿はPR記事です。