●この記事のポイント
戸田建設が発表した2026年度戦略の核は、建設業の枠を超えた「社会課題解決型」の事業展開にある。長崎県五島沖で日本初の運転を開始した「浮体式洋上風力発電」を脱炭素戦略の柱に据え、独自のハイブリッドスパ型浮体技術で工期を4分の1に短縮する革新的な施工を実現。さらに長崎スタジアムシティや酒田市での「SECC(未来型都市構想)」を通じ、再エネと地方創生を融合させた持続可能なまちづくりを推進する 。技術と人の力で「Build the Culture」を具現化する同社の展望を追う。
戸田建設株式会社が主催する「TODAグループ 2026 展望発表会 “Build the Culture. Day”」が2月16日に開催された。代表取締役社長の大谷清介氏が登壇し、2026年度の事業戦略とその実現に向けた取り組みを説明。建設業界が「2024年問題」や資材高騰などの転換期を迎えるなか、同社が打ち出したのは、建設事業と戦略事業の強みを掛け合わせるという持続的な成長シナリオだ。脱炭素の切り札となる洋上風力発電と、長崎・酒田などで進める地方創生を軸に、創業150周年に向けた中長期ビジョンが示された。
●目次
- 建設×戦略事業で描く2026年度成長シナリオ
- なぜ「浮体式」が鍵なのか
- 長崎スタジアムシティが映す地域創生モデル
- 約170メートルの風車に、広瀬アリスさんも圧倒
- 大型プロジェクトがつなぐ、長崎との継続的な関係性
建設×戦略事業で描く2026年度成長シナリオ
2026年度の戸田グループは、ブランド価値の向上と社会課題の解決を通じた成長を重視している 。その具体策として、収益成長の柱に据えるのが「脱炭素×エンジニアリング」を掲げる洋上風力発電事業である。
2026年1月5日、長崎県五島市福江港沖にて、日本初となる「浮体式洋上ウィンドファーム」が運転を開始した。直径80メートルの巨大風車8基が稼働しており、再生可能エネルギーの拡大を通じて地球温暖化対策という社会課題の解決につなげる考えだ。
なぜ「浮体式」が鍵なのか
四方を海に囲まれた日本は、海底に基礎を固定する「着床式」に適した浅い海域が少ない 。一方、深い海でも設置可能な「浮体式」は、日本の排他的経済水域(EEZ)を最大限に活用できるため、エネルギー自給率向上の切り札として期待されている。
今後は、風車を支える「ハイブリッドスパ型浮体」の大型化や量産技術の開発を進めるとともに、着床式の案件も増やし、設計・施工の体制を一段と強化していく方針だ。また、NEDOの次世代技術開発プロジェクトにも採択されており、五島市椛島沖では新しい施工方法の実証試験が進行している。従来工法と比べ建設コストを抑えつつ、工期を約4分の1まで短縮できるめどを立てるなど、事業者としての技術とノウハウの蓄積が着実に進んでいる。
長崎スタジアムシティが映す地域創生モデル
建設事業における取り組みの事例として紹介されたのが、長崎スタジアムシティプロジェクトだ 。戸田建設は約6,000席を有するアリーナ「ハピネスアリーナ」と、長崎県内最大規模のオフィス棟「スタジアムシティノース」の設計・施工を担当した。
大谷氏は「長崎は今、百年に一度の変革期を迎えている。未来を切り開くプロジェクトとして関係者が一体となって挑んだ結果、過疎化が進むエリアの地方創生拠点として高く評価されている」と述べ、高度な技術力と地域の未来づくりを両立させてきた手応えを示した。
さらに、2026年度の重要な柱として位置づけられているのが、ウェルビーイングをテーマにした「SECC(Smart Energy Complexity)」事業である。これは再エネを軸に自治体・企業・住民が連携し、地域の課題解決に取り組む未来型の都市構想だ。
酒田市プロジェクト(山形県):行政保有の遊休施設や土地(PRE:公的不動産)を活用。
エネルギー連携:洋上風力発電との連携により、環境・地域・ウェルビーイングを一体で設計するモデルケースを目指す。
約170メートルの風車に、広瀬アリスさんも圧倒
トークセッションでは、同社CMイメージキャラクターを務める俳優・広瀬アリスさんが登場した。6月にCM撮影で長崎県五島市の現場を訪れた広瀬さんは、「実物は本当にすごくて、とても迫力があって圧倒された。想像ができない大きさで、思わず『うわっ』となった」と振り返った。
大谷氏は、この設備の規模感を具体的な数字で補足した。
全長:約170メートル(海中に約70メートル、海上に約100メートル)
スケール感:東京タワー(333メートル)の約半分の高さ
日本は洋上風力に適した国だが、着床式が使えるのは水深50メートル程度までの浅い海に限られる。大谷氏は「水深約100メートルの五島沖では、浮体式の技術開発が不可欠であり、日本の風力発電発展の鍵になる」と強調。技術の凄みを、現場の迫力と人のリアルな実感とともに伝えるセッションとなった。
大型プロジェクトがつなぐ、長崎との継続的な関係性
囲み取材では、長崎・五島への思いについても語られた。大谷氏は、大村市立図書館や長崎駅前のMICE施設、長崎スタジアムシティなど、大型プロジェクトが続いてきた経緯に触れ、地域との深い結びつきに謝意を示した。
一方で、「坂道が多く、高齢化が進むと住みにくさも出てくる」と課題にも言及。その中でも長崎が魅力ある街として存在感を高めることは、他の過疎地域にとっても力になると指摘し、SECC事業の持続的なモデルケースとしての期待を語った。
イベントの締めくくりには、全国の支店代表社員による「ネクストカルチャーピッチ」を開催。各支店が自らの取り組みを熱量高くプレゼンし、その姿に広瀬さんと大谷氏も惜しみない拍手を送った。
会場は次代へ挑戦しようとする社員の熱気にあふれており、戸田建設グループ全体の一体感と前向きなエネルギーを象徴する一日となった。
※本稿はPR記事です。