人気アーティスト・aikoの所属事務所の元役員、千葉篤史容疑者が会社法違反(特別背任)容疑で逮捕された。その千葉容疑者をめぐって「文春オンライン」は22日付けで『《全身ブランド豪遊生活》と《aiko洗脳法》「嘘をついてスタッフを遠ざけ、aikoを孤立させた」』というセンセーショナルなタイトルの記事を配信。aikoが千葉容疑者に依存するよう仕向けられていたと報じ、衝撃が走っている。
1999年にリリースされたファーストアルバム「小さな丸い好日」でメジャーデビューしたaikoは、同年リリースのシングル「花火」「カブトムシ」がたて続けにヒットし、瞬く間に人気歌手として注目される存在に。以降、「ボーイフレンド」(2000年)、「桜の時」(同)、「えりあし」(2003年)をはじめコンスタントにヒット曲を飛ばし、『NHK紅白歌合戦』には14回の出場歴を誇る。
「aikoのライブの特徴は、とにかく観客との距離が近いこと。トークの時間がとても長く、ステージ上のaikoと観客が普通に会話をする光景が名物となっている。途中で席を離れて帰ろうとする女性客にaikoがマイク越しに『え? なんで帰るの?』と話しかけ、その客が『子供を迎えに行かなければいけない』と返答し会場内が笑いに包まれたこともあった。また、aikoの掛け声に合わせて会場内のスタッフが一斉に飛び跳ねるパフォーマンスを見せたりと、とにかくaikoのライブはアットホームでハートウォーミングなムードに包まれる点も、根強い固定ファンを獲得している秘密だろう。ちなみにファーストアルバム『小さな丸い好日』に収録されている『イジワルな天使よ 世界を笑え!』はシングルカットされていないが、ライブでは盛り上がる定番曲となっている」(音楽業界関係者)
不幸中の幸い
そんなaikoが騒動に見舞われている。aikoが所属する個人事務所「buddy go」元役員でポニーキャニオン元役員の千葉容疑者が、知人の芸能マネジメント会社代表と共謀し、ツアーで販売されるグッズの仕入れ取引にこの芸能マネジメント会社をかませ、利益を上乗せして「buddy go」に仕入れさせ、同社に約1億円の損害を与えた疑いがあるという。
「文春」記事によれば、千葉容疑者はポニーキャニオン在籍時代からディレクターとしてaikoを担当し、「buddy go」役員になってからは自分がいなければバンドメンバーを集められないなどとaikoに吹き込み、「aikoが自分に依存するように仕向けて」(「文春」より)いたという。
「今回はaikoの事務所が警察に刑事告訴をしたことで逮捕につながったということなので、すんでのところで千葉容疑者に会社を好き勝手にされるという最悪の事態は逃れることができた。アーティストやタレントが高い自由度で自分の思い通りに事を進めることができ、さらにアーティスト本人の実入りも良くなるというのは個人事務所のメリットだが、一方では、しっかりした大手のプロダクションであれば防げたはずのトラブルに巻き込まれるリスクが高い。aikoも今回の件を契機に、信頼できる人物に経営を任せたほうがよい」(テレビ局関係者)
「文春」記事によれば、千葉容疑者はポニーキャニオンでaikoをブレイクさせた「育ての親」的な存在だったというが、芸能事務所関係者はいう。
「担当のマネージャーやプロデューサー、ディレクターなどとアーティストの関係というのは本当に難しい。特に無名時代から二人三脚でやってきてアーティストが売れたようなケースだと、いつまでもマネージャーなどがいろいろと口出ししてくるのを鬱陶しく感じ、もっと自分の思うようにやりたいという思いになって、売れる前からのスタッフを遠ざけたり、担当を変えてほしいと言い出したりする。aikoの場合は逆に千葉容疑者をパートナーとしてずっと信用していたということなので、よほど千葉容疑者のaikoへの取り入り方がうまかったということだろう。
今回は事務所が被害を被った格好だが、一番危険なのは、アーティストの威光を笠に着た人物が、私腹を肥やすために外部の人間なり会社なりに対し法に触れる行為をして損害を与えてしまうこと。そうなると事務所側が『加害者』になってしまうので、取り返しがつかない状態になる。今回はその前に千葉容疑者を追い出せたのは不幸中の幸いだった」
個人事務所である以上、aikoも会社の経営に目を光らせる必要があるようだ。
(文=Business Journal編集部)