松本潤『どうする家康』視聴率低迷で危険水域…ジャニーズ大河状態で大河ファン離れか

 嵐・松本潤が主演中のNHK大河ドラマ『どうする家康』が2月19日、第7回の放送を迎える。1月8日に世帯平均視聴率15.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)でスタートし、今月5日に放送された第5回で自己ワーストの12.9%を記録。翌週12日放送の第6回は13.3%に微増したが、NHK大河としては厳しい数字となっており「視聴率低迷」との評価が広まりつつある。

 大河ドラマ62作目となる『どうする家康』は、戦乱の世に孤独な日々を過ごした三河国(現在の愛知県東半部)の少年・竹千代、のちの徳川家康の生涯を描く。家康を演じるのは、嵐のグループ活動は休止中で現在ソロ活動に邁進中の松本。脚本は『相棒』(テレビ朝日系)シリーズや『コンフィデンスマンJP』(フジテレビ系)シリーズなどで知られる古沢良太氏が担当する。

「嵐といえばジャニーズ事務所でトップ人気を誇ってきたグループであり、松本もドラマや映画など俳優業で経験を積んできた。それだけに、2021年1月に『どうする家康』の制作発表が行われた時から業界内外で注目を集めていたが、現状、視聴率で苦戦している」(スポーツ紙記者)

 ここ数年の大河ドラマの第1話視聴率をみてみると、2020年の『麒麟がくる』(長谷川博己主演)は19.1%、21年の『青天を衝け』(吉沢亮主演)が20%、22年の『鎌倉殿の13人』(小栗旬主演)が17.3%をマークしており、これらと比べて『どうする家康』は出だしで躓いたという雰囲気がたしかにある。

 昨年の『鎌倉殿の13人』は三谷幸喜氏の脚本ということで話題を呼び、放送終了の時期にはネット上で「鎌倉殿ロス」も広がっていた。そんな『鎌倉殿の13人』も途中で12%台を連発したり、『2022 FIFAワールドカップ』の日本対コスタリカ戦の中継と裏かぶりした11月27日(第45回)は6.2%を記録するというダメージをくらったりもしたが、放送を開始した1月以降、3月までは最低でも13%台をキープ。それと比較すると、今年の『どうする家康』が早くも12%台を刻んでしまったことは、やはり心配だ。また、「鎌倉殿ロス」から抜け切れず『どうする家康』の視聴ができていない人もいるかもしれない。

「三谷氏が脚本を務めた16年の『真田丸』(堺雅人主演)も人気があったのに比べ、翌17年の『おんな城主 直虎』(柴咲コウ主演)は評価もいまひとつで視聴率的にも苦戦。良作の後だと、視聴者を新たに魅了するのに苦労してしまうという面はあるかもしれない」(テレビ局関係者)

「ジャニーズ祭り」と揶揄する声も

 ちなみに三谷氏は04年、当時ジャニーズ事務所のSMAPメンバーとして活躍していた香取慎吾主演の大河ドラマ『新選組!』でも脚本を担当。当時の香取や現在の松本のように現役ジャニタレが大河主演に起用されるケースは何度かあった。東山紀之が1993年に主演した『琉球の風 DRAGON SPIRIT』が大河初のジャニタレ主演作。次は『新選組!』で、続けて05年の『義経』でも当時タレントとして活躍していた滝沢秀明が主演。その後、14年に当時V6の岡田准一が『軍師官兵衛』で主演し、松本は『どうする家康』でジャニーズ史上5人目の大河主演ということになる。

『どうする家康』には織田信長役で岡田がキャスティングされているほか、なにわ男子・長尾謙杜も出演が決定。ネット上では、そんな『どうする家康』を「ジャニーズ大河」「ジャニーズのゴリ押し」「ジャニーズ祭り」と揶揄する声も。とはいえ、『新選組!』には香取と同じく当時SMAPのメンバーだった草なぎ剛が、『義経』にも滝沢とタッキー&翼として活動していた今井翼が登場した回があった。また、『軍師官兵衛』には生田斗真も起用されていたし、ジャニタレが主演ではなかった18年の『西郷どん』(鈴木亮平主演)には風間俊介や当時関ジャニ∞の錦戸亮が出演。今井や風間は『麒麟がくる』にも出ていて、さらに同作には長谷川純、ジャニーズJr.内ユニット・HiHi Jetsの井上瑞稀も登場していた。

「今のところ『どうする家康』よりも『麒麟がくる』のほうが『ジャニーズ大河』といえそうだが、『麒麟がくる』は主演がジャニタレではないのでゴリ押し感が薄かったのかも。逆に『どうする家康』は主演がジャニタレ、しかも視聴率が不安なので『バータージャニーズ』を投下しているようにも見えてしまうのかもしれない」(週刊誌記者)

NHK、嵐の松本潤起用の狙い

 また、テレビ局関係者はいう。

「将来の受信料収入減少を懸念して若者層の取り込みに力を入れるNHKとしては、国民的人気を誇るアイドルグループ・嵐のメンバーを主演に起用することで、20~40代の視聴者を大河に誘導しようとする考えがあったのでは。ただ、メイン視聴者層である60代以上のなかには、松本のようなキャラのアイドルが主演にいることに抵抗を感じる人も一定数いるだろうし、嵐のファンが大河の視聴に流れているという動きも目立っていない。結果としてNHKの試みは現段階ではうまくいっていない印象で、ジャニタレが多数投入されれば往年の大河ファンが離れる懸念もある。いずれにしても松潤を起用しておきながら早くも視聴率12%台という危険水域に陥ったというのは、NHK的にもジャニーズ事務所的にもマズイ状況といえる」

 なお、歴代ジャニタレ主演大河の全話平均視聴率は『琉球の風 DRAGON SPIRIT』が17.3%、『新選組!』が17.4%、『義経』が19.4%、『軍師官兵衛』が15.8%となっている。時代とともに「若者のテレビ離れ」が取り沙汰されるようになり、『軍師官兵衛』は「関東地区で3年ぶりに15%を越えた」ということで「健闘」と評価する声もあった。

 さらに高視聴率を獲得しにくい今、『どうする家康』がジャニタレ主演大河のなかでワーストとなってしまう可能性は高い。しかし、20年以降の大河ドラマ全話平均(『麒麟がくる』の14.4%、『青天を衝け』の14.1%、『鎌倉殿の13人』の12.7%)には勝ってほしいところだが、バーターでテコ入れする以外の策はあるだろうか。

(文=Business Journal編集部)