極楽とんぼ・加藤浩次の司会で2006年から続いていた朝の情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)が来年3月で打ち切りになると複数のメディアで報じられている。問題の多発に加えて視聴率の低迷から抜け出せず、さらに「あの番組」の躍進が決定打になったとみられているようだ。
かつては平均世帯視聴率が10%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を超えることもあった『スッキリ』だが、最近は同時間帯の民放番組でテレビ朝日系『羽鳥慎一モーニングショー』、フジテレビ系『めざまし8』に次ぐ三番手に甘んじることが多くなっていた。番組の強みであるコア視聴率(13~49歳男女の視聴率)を重視し、昨春のリニューアル後はバラエティ色を強めてダンス企画やオーディション企画をフィーチャーしたり、エンタメコーナーで若者受けしそうなアーティストを積極的に取り上げるなどしていたが、状況を改善するには至らなかったようだ。
9日付の「週刊女性PRIME」(主婦と生活社)が「『スッキリ』が2023年3月に打ち切り決定、17年の歴史に幕 すでに後任番組のキャストを調整中」と終了決定を報じ、7日付の「日刊大衆」(双葉社)でも「加藤浩次『スッキリ』来春終了へ!」などと伝えられた。
『スッキリ』といえば、最近はトラブルが多発していた。昨年1月末には、ペットサロンの従業員や客の証言を基に「独自 愛犬急死“押さえつけシャンプー”ペットサロン従業員ら証言」と字幕を付けてシャンプー後に犬が死んだ問題を取り上げたが、サロン経営者が「虐待死させたかのように印象付け、事実に反する放送で名誉を傷つけられた」とBPO(放送倫理・番組向上機構)に申し立て、審議にかけられる事態になった。
同年7月の東京オリンピックでは、卓球女子シングルス準々決勝で伊藤美誠選手が「報道陣のカメラのライトがまぶしい」と韓国選手との試合中に訴え、ネット上で「韓国のテレビクルーの嫌がらせか」などと騒動になったが、のちに「週刊新潮」(新潮社)の取材で『スッキリ』のクルーだったことが判明。同誌に指摘されるまで知らんぷりをしていたフシもあり、番組と局の姿勢に疑問の声が集中した。
さらに極めつきともいえる不祥事となったのが、昨年3月にアイヌ民族を描くドキュメンタリーを紹介したお笑い芸人が差別用語ともとれる発言をした騒動。BPOから「放送倫理違反」と指摘され、昨年12月と今年3月に再発防止策の一環として「先住民族アイヌを知る」と題した企画を放送した。低視聴率に加えてトラブル続発、さらに上層部でもかばい切れない「アイヌ騒動」が終了の決定打になったともいえそうだ。
『スッキリ』にトドメを指したのはあの番組?
だが、実は『スッキリ』に引導を渡したのは加藤の古巣である吉本興業との見方もある。2019年に吉本芸人らの「闇営業問題」が騒がれた際、加藤は番組内で吉本上層部を猛批判。「このままの体制が続くなら会社を辞める!」と言い放ち、次第に当初よりはトーンダウンしていったものの、実際にエージェント契約への変更を経て昨年3月に完全独立した。
それと同時期にスタートしたのが吉本所属の麒麟・川島明をMCに起用したTBS系情報バラエティ『ラヴィット!』で、同番組には吉本芸人が大挙して出演。吉本が『スッキリ』の裏番組を猛プッシュしたことで、一部では「加藤潰しか」と騒がれた。開始当初は低視聴率にあえいでいた『ラヴィット!』だが、暗いニュースが多い中でバラエティに特化した明るい内容が固定ファンを呼び寄せ、徐々に視聴率が上昇。毎朝SNSのトレンドワードを騒がせるなど話題性もあり、最近は『スッキリ』に迫る勢いで逆転間近と期待されていた。
リニューアル後に情報バラエティ路線に舵を切っていた『スッキリ』にとって、バラエティに特化した『ラヴィット!』の猛追は番組の今後を考え直させるような出来事だったといえる。すでに後継番組のキャストを調整中で近々に局から発表があるともいわれているが、ついに『スッキリ』は約17年の歴史に幕を閉じることになるのだろうか。