10月にシングル曲『JUST DANCE!』で世界同時デビューを果たし、米ビルボードチャート「Billboard Global Excl. US」で5位にランクインしたTravis Japan(トラジャ)。だがタイミングを同じくして所属するジャニーズ事務所では混乱が相次ぎ、トラジャの快挙の話題がかき消されてしまっている状況を受け、トラジャのファンからは事務所に対して厳しい声が続出している。
混乱の始まりは今月1日、滝沢秀明氏がジャニーズ事務所の副社長を退任し同社を退所すると発表されたことだった。その理由をめぐってさまざまな情報が錯綜するなか、その3日後の4日深夜には、ジャニーズグループのなかで随一の人気を誇るKing&Prince(キンプリ)の平野紫耀、岸優太、神宮寺勇太が来年5月にグループから脱退し、同時に平野と神宮寺はジャニーズ事務所を退社し、岸も同年秋に退社すると発表。事務所内で起きている異変に注目が集まる事態となっている。
「タッキー(滝沢氏)とキンプリの件を無関係だとする見方もあるが、根っ子となる原因はジュリー(藤島ジュリー景子)社長の存在だ。200人以上のジャニーズJr.が所属するジャニーズアイランドの社長として若手の育成を担っていたタッキーは、20年にはSnow ManとSixTONESの同時デビューを成功させ、今年10月にはトラジャの世界同時デビューも実現させるなど、着実に成果を重ねてきた。また、舞台の現場に足しげく通い演出や指導をしたり、テレビ局をはじめとするメディア各社の幹部への接待に自ら勤しむなどして、社内でも“タッキーのシンパ”が増えていた。
だが、Snow ManとSixTONESはデビューした途端にジュリー社長の管轄下に置かれ、タッキーの業務範囲はあくまで若手の育成どまりで、ジュリー社長からは“一マネージャー扱い”の域を出ない。いろんな提案をしても受け入れられず、ついにシビレを切らしたというのが正しい表現だろう。
一方のキンプリも、グループとしても各メンバーソロでもテレビや映画、音楽活動と途切れることなく活動が続き、今年は全国ツアー(「King & Prince ARENA TOUR 2022 ~Made in~」)も成功させ、傍目から見れば順風満帆そのもの。だが、デビュー当時からの目標だった海外進出については進展はなく、確実に利益を見込める国内での活動に注力させたい事務所から、その夢はスルーされていた。そうしたなかで後からデビューしたトラジャは積極的に海外での活動を広げて、『キンプリは国内、トラジャは海外』という構図が出来上がってしまった。トラジャはメジャーデビューこそキンプリから4年遅れとなったものの、メンバーたちはほぼ同期。そうしたこともキンプリに複雑な心境を抱かせる要因になっていたのかもしれない。
さらに、ジュリー社長と反目していたジャニーさん(ジャニー喜多川元社長)の“申し子”的存在だったキンプリとしては『ジャニーズにいても自分たちに将来はない』という考えに傾いても仕方ないだろうし、キンプリの一部メンバーが“監視”ともいえるようなマネジメントをしてくるジュリー社長のことをよく思っていないという話は漏れ伝わっていた」(テレビ局関係者)
トラジャの快進撃
そんなキンプリにとっては因縁のライバルともいえるトラジャは、今年7月にアメリカのワールド・オブ・ダンス(WOD)世界大会に出場し、10月には『JUST DANCE!』の全世界配信リリースで世界同時デビューを実現。そして同曲が米ビルボードチャート「Billboard Global Excl. US」で5位にランクインし、日本のアーティストのデビュー曲としては史上初の同チャートランクインという快挙を成し遂げ、ミュージックビデオも公開から1週間で1000万回再生を超えるなど、目覚ましい快進撃を続けているのだが――。
「トラジャの活躍は、残念ながら日本ではファン以外の間ではほとんど話題になっていない。タッキーやキンプリの騒動でかき消されている。以前であれば、ジャニーズ事務所がスポーツ紙やテレビの情報番組などに大きく扱わせるところだろうが、事務所がゴタゴタ続きのなかで無理にトラジャを持ち上げれば、明らかに不自然に映るので、事務所もメディアもそういうことがやりにくいという面はあるだろう。
もっとも、今までジャニーズと一枚岩だったスポーツ紙にも変化がみられる。タレントの脱退や退所などセンシティブな事案については、これまでスポーツ紙はジャニーズから事前にレクチャーを受けて事務所の意に沿うかたちで報じてきたが、タッキーとキンプリの件では事務所にとってマイナスになる、疑問を呈するような批判的な記載も目立つようになった。事務所側も混乱しているからなのか、お得意だったメディア統制に崩れがみられるのは興味深い」(週刊誌記者)
実際にTwitter上ではトラジャ、そしてキンプリのファンから次のように疑問の声が相次いでいる。
<タッキー、キンプリの話題ばっかりでトラジャ世界5位と素晴らしい結果残してるのに話題になってなくて不憫>
<デビューしたのにタッキー退所、キンプリ脱退でデビューの話題は掠れ 挙句勝手に巻き込まれてヘイトを浴びせられ トラジャなんかした???>
<海外で活動するための道を潰されたグループと海外デビューさせてもらえたグループを同じ番組に出すなんて、ジャニーズ事務所は最後の日までKing & Princeを苦しめるの?>
<事務所もっとトラジャを推そう!デビューだよ!デビュー!!!>
<むしろ華々しい世界デビュー直後にこんな問題被せてこられてクソ迷惑。心からおめでとう!って祝ってたいのに。どうせ御涙頂戴で売上上げたいだけでしょ?>
<なんか話題を被せたのでは?と疑ってしまう。やりそうじゃん>
<トラジャ海外デビューしてもあんまり話題になってないし、キンプリ騒動の影に隠れてちゃって不憫だな>
<確かにトラジャの話題を邪魔してる>
華々しいはずのトラジャの世界デビュー
テレビ局関係者はいう。
「膨大な労力を費やし何年もかけて仕込んできた、本来であれば華々しいはずのトラジャの世界デビューの話題を、社内のゴタゴタで潰して台無しにしてしまっているという事実そのことが、今のジャニーズ事務所が置かれている状況を象徴している。
タッキーとキンプリ一部メンバーの退所がトリガーとなり、タレントのみならずスタッフの退所が続くという見方もあるなか、タッキーが育てデビューさせたSnow ManとSixTONESの動向に事務所が警戒していることは容易に想像がつく。ジュリー社長はじめ経営陣としては、とにかく事態の鎮静化と社内の引き締めが最優先で、トラジャの件まで手が回らないとしてもおかしくはない。そもそもトラジャの世界デビューもタッキーが推進してきた案件なので、ジュリー社長的には複雑な思いがあるのかもしれない」
(文=Business Journal編集部)