人の本性や生態をドッキリで探る『ニンゲン観察バラエティ モニタリング』(TBS系)が迷走している。10月6日の放送では、X JAPAN・Toshlが新しいユニットを結成するためのボーカルオーディションを開催した。ガンバレルーヤ・よしこ、JOY、175R・SHOGOなどが受ける中、スターダストプロモーション所属のタレントで歌手の“もーりー”こと森英寿が選ばれた。
「同番組では、この選考の模様を夜8時のスタートから約1時間放送していました。ちなみに、普段は『驚く』『驚かない』といったように、くるくる回る右下の仕掛けの部分は、(最終審査に)『進む』『進まない』というように形だけ踏襲していました」(芸能ライター)
他の内容は「不気味な地下駐車場で怪奇現象が起きたら」「屋形舟で夢のショータイム アニソン歌手が熱唱」の合計3本で、個人視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)は3.9%だった。
「この日、前番組の『プレバト!!』が5.9%だったので、結果的に2ポイント分の視聴者が離れたことになります。裏の『ぐるナイ3時間スペシャル』(日本テレビ系、個人視聴率6.3%)に流れた可能性が高いでしょう。この日に限らず、最近の『モニタリング』は低調で、先月9月29日の放送は3.8%でした。同29日は『プレバト!!』がなかったため、夜7時からぶち抜きで3時間放送されたのですが、逆に普段『プレバト!!』を見ている層が他番組に逃げてしまったことになります」(テレビ業界関係者)
1~2年前を振り返ってみよう。2年前の2020年12月22日は『プレバト!!』が個人6.3%、それに続く『モニタリング』が5.6%と、0.7ポイント減。2021年10月28日は『プレバト!!』が個人7.5%、『モニタリング』が5.1%と、2.4ポイント減。
今年3月3日は『プレバト!!』個人7.0%、『モニタリング』4.4%と、2.6ポイント落ちている。
「とはいえ、ターゲットの違いはあるかと思います。F3(女性50歳以上)の個人視聴率が14~15%と圧倒的に多い『プレバト!!』に対して、『モニタリング』はF1(女性20~34歳)、F2(女性35~49歳)を獲りに行っている。ただ、せっかくのF3の大半が、『モニタリング』に移った途端、他局に逃げてしまうと、具体的に言うと、15%いたF3が『モニタリング』に移った途端、いきなり半減。ただ一方で、頼みのF1、F2の上げ幅もよくて2%、せいぜい1%であるため、結果的に低視聴率に見えてしまう。
これは男性視聴者の場合も同じで、M3(男性50歳以上)が10%近くいたにもかかわらず、これが『モニタリング』に変わると半減。一方、M1(男性20~34歳)、M2(男性35~49歳)の増加は毎週せいぜい0.5~1%、よくて2%。前番組のアドバンテージをここまで逃す番組も珍しい。コアターゲット重視の時代なので割り切ることもできますが、最近はテレビ界の全体的な流れとしてコアも下がっているので、“コア重視”も若干怪しくなりつつある」(同)
歌番組化する『モニタリング』の迷走
同番組に対して、視聴者からは「モニタリングっていつから歌番組になったん?」「モニタリングって歌番組なんか?ってくらい最近歌で尺を取りすぎ」「TBSのモニタリング、最近歌企画ばっかだな笑」といった意見が散見され、歌番組化に戸惑っている様子がうかがえる。
「10月6日のオンエアでも、屋形船の向かい側に歌手を乗せた小舟が停泊して熱唱し、客を喜ばせていました。最近では『道端に無人カラオケBOXがあったら…やる?やらない?』というくくりで、素人やプロの歌手が電話ボックス大の透明カラオケBOXの中で100点を目指したり、米米CLUBの石井竜也などが変装して何も知らない客の前で自慢の喉を鳴らすなど、とにかく歌企画が多い」(前出の芸能ライター)
これはいったい、どういうわけなのだろうか?
「歌企画であれば、細かい打ち合わせがいらないからです。『モニタリング』のドッキリは、ああ見えてセッティングに時間がかかる。うまく表情を撮るカメラ位置はもちろん、ドッキリを仕掛ける演者への指導など、細かい事前作業が必要なのです。それに対し、歌企画は歌手をツモってそのシチュエーションにハメれば尺も稼げるし、画も見える。細かいカメラ割もそこまで必要ない。いわば、コスパの良い企画なのです。そもそも『モニタリング』に限らず“生歌”はキラーコンテンツなので一定数は見るとは思いますが、だからといってこの番組でやることでもない。毎週2時間の長丁場を埋め、番組の延命のためにはこうしたこともやらなければならないのでしょうが、“終わりの始まり”も感じてしまいます」(前出のテレビ業界関係者)
2012年10月に水曜深夜の30分番組として始まって以降、人気を集め、翌13年4月からは木曜夜8時からの1時間番組に昇格、さらに2015年10月からは2時間枠に拡大して今に至る『モニタリング』。ベッキーや木下優樹菜の離脱(ベッキーは正式な降板とは発表されていない)、川口春奈の新レギュラー化、最近のももいろクローバーZ、河北麻友子、谷まりあの投入と、スタジオは華やかだが、企画はマンネリと停滞の一途をたどっている。果たして今後、どうなるのだろうか?