歌手の華原朋美さんが夫の大野友洋氏と極秘離婚していたと10月5日付「文春オンライン」(文藝春秋)記事で報じられた。大野氏の結婚歴と元妻に対する“DV疑惑”について、やはり「文春」が今年5月に報じていたが、この報道をきっかけにして実際に離婚したと2人の知人が今回の記事で証言している。
もっとも、「文春」の取材に対して華原さんは「(離婚は)してないですよ」と否定しており、「主人が戻って来て欲しいってずっと言ってるんで」とも話している。
一体何が本当なのか。華原さんが芸能事務所「伝元」の社長である大野氏と結婚したのは昨年8月だが、今年9月30日にはこの事務所からの独立を発表しているので、別れる、別れないの騒動があったのかもしれない。
そうだとすれば、非常に不安定な夫婦関係という印象を受ける。もともと、華原さんは2020年9月にベビーシッターをめぐる騒動でヴァイオリニストの高嶋ちさ子さんに怒りを爆発させたことからもわかるように、怒りを制御することができず、激しい怒り発作を起こすところがあるように見受けられる。
また、YouTubeに投稿した一連の動画から、感情がきわめて不安定であることがうかがえる。それだけでなく、対人関係も不安定で激しいように見える。その最たるものが、高嶋さんとの関係だろう。一時は「親友」と呼ぶほど、理想化していたかと思うと、怒りをぶつけてこきおろした。
このように理想化と無価値化を繰り返す人は、他人と安定した関係を築くのが苦手で、対人関係が非常に不安定なことが多い。大野氏との関係でも、こういう傾向が出てきた可能性もある。
あまり女性を大切にしない男性との関係を繰り返す「反復強迫」
もっとも、大野氏も自分に結婚歴があったことも、元妻に養育費を支払っていないことも伝えていなかったようなので、事実を「文春」の報道で知らされた華原さんが怒るのも無理からぬ話だ。
大野氏に限らず、華原さんのこれまでの男性遍歴を振り返ると、あまり女性を大切にしない男性が多かったような印象を受ける。その典型が、音楽プロデューサーの小室哲哉氏で、何度も結婚と離婚を繰り返していることからも、1人の女性をずっと愛して大切にするタイプではないように見受けられる。
この手の男性と恋愛関係になることを華原さんは繰り返している。このように同じパターンの関係を繰り返すことを精神医学では「反復強迫」と呼ぶ。こういう「反復強迫」を繰り返す背景には、誰か、とくに男性に依存せずにはいられない依存体質があるのではないか。
依存体質といえば、睡眠薬や抗不安薬などの処方薬に依存していた時期があり、薬物依存の治療のために精神科病院の閉鎖病棟に入院したことがあると華原さん自身が告白している。
依存対象の男性が必ずしも自分を大切にしてくれないと、愛情欲求が満たされず、不安も強くなり、精神的に不安定になることは十分考えられる。そうなると、睡眠薬や抗不安薬に過度に頼る傾向があるのかもしれない。
「文春」の報道通り華原さんが離婚したのなら、依存対象を失って不安定になる可能性が高い。また、実際に離婚していなくても、別れる、別れない、あるいは大野氏の事務所から独立する、独立しないでもめているのなら、やはり不安定になりやすい。
その結果、再び処方薬に依存するようになる恐れも十分ある。何よりも、華原さんの不安定な精神状態が最愛の息子さんに悪影響を与えるのではないかと危惧せずにはいられない。
(文=片田珠美/精神科医)
参考文献
片田珠美『やめたくてもやめられない人』 PHP文庫 2016年