『ちむどんどん』黒島結菜は炎上女優?朝ドラの呪縛に苦しんだ夏菜という前例

 世紀の炎上作の終了まで、あと10日ほど。連続テレビ小説『ちむどんどん』(NHK)が9月30日にエンディングを迎える。視聴者の中には「いつ終わるんだ?」「打ち切りでいい」など、むしろその終焉を心待ちにしていた人もいるかもしれない。『ちむどんどん』の後を受けて10月3日から始まる朝ドラ第107作は、NHK大阪が制作を担当する『舞いあがれ!』。空とパイロットに憧れるヒロインを福原遥が演じる。

 ここで気になるのは、『ちむどんどん』ヒロインの黒島結菜の今後だ。

「もともと彼女は、同作の脚本を手がける羽原大介による連続テレビ小説『マッサン』(2014年後期)で朝ドラ初出演を果たし、翌15年4月26日放送の第17回から『花燃ゆ』で大河ドラマ初出演。17年には土曜時代ドラマ『アシガール』に主演として抜擢されるなど、一貫してNHKに出続けてきた、いわばNHKの“秘蔵っ子”です。そして、満を持して朝ドラヒロインに起用されましたが、『ちむどんどん』では作品に恵まれたとはいえない結果になってしまいました。そんな彼女は、10月から民放ドラマに出演します」(テレビ業界関係者)

 黒島が出演するのが、King & Prince・平野紫耀が主演する金曜ドラマ『クロサギ』(TBS系)だ。同作は、ジャニーズ事務所の先輩・山下智久が2006年に主演した大ヒットドラマの、いわば“リメイク”。山下によるオリナジル版は全11話で平均世帯視聴率15.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録し、彼が歌った主題歌『抱いてセニョリータ』は80万枚以上のセールスをマークした。

「16年前の“遺産”を引っ張り出して、何とか平野を単独主演ドラマでも数字が稼げる俳優にしたいという、TBSとジャニーズの意図が透けて見えます。そんな平野の相手役という、大事なポジションを務めるのが黒島です。オリジナル版では堀北真希が演じていました」(同)

 彼女にとっては朝ドラ後初めての民放ドラマとなるだけに、今後の女優人生を占う意味でも大事な作品になりそうだ。ここで簡単に、他の朝ドラヒロインの民放進出について振り返っておこう。

朝ドラヒロイン後に苦しむ女優が続出?

『あさが来た』(2015年後期)の主演の座を射止めてブレイクしたのが波瑠。翌16年4月クールには大野智主演の水曜ドラマ『世界一難しい恋』(日本テレビ系)のヒロインを務め、大野演じる気難しいホテルの社長に振り回される中途採用の社員を好演し、評価を高めた。しかし、間髪入れず同年7月クールに『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』(フジテレビ系)で民放連ドラ初主演を務めたものの、全話平均の視聴率は8.1%と不振に終わった。

 また、『ゲゲゲの女房』(2010年前期)で主演を務めた松下奈緒は、翌11年1月クールに『CONTROL~犯罪心理捜査~』(フジテレビ系)で民放連ドラ初主演。それまでのイメージを一変させる刑事役に初挑戦し、平均視聴率13.4%という好結果に貢献した。しかし、その後、フジが松下を推そうと『早海さんと呼ばれる日』(2012年)、『鴨、京都へ行く。-老舗旅館の女将日記-』(2013年)という2作に主演として連投させたが、その後が続かなかった。

 また、『おかえりモネ』(2021年前期)のヒロインで、黒島と同じく“NHKの申し子”だった清原果耶は、翌22年1月期の『ファイトソング』(TBS系)で民放連ドラ初主演を果たしたが、これもインパクトを残せたかは疑問だ。

 こうして見ていくと、朝ドラヒロインを務めた女優がその後、民放ドラマに溶け込むには、少し時間がかかるといえる。特に黒島の場合は批判が絶えなかった『ちむどんどん』のヒロインということもあり、そのイメージを払拭するのは容易ではないかもしれない。

 ここで、黒島の今後を見る上でのモデルケースがある。それが夏菜だ。

朝ドラの呪縛に苦しんだ夏菜

 2012年後期の朝ドラ『純と愛』のヒロインに抜擢された夏菜。彼女が演じた純は、『ちむどんどん』の暢子と同じ沖縄生まれという設定だった。夏菜はそれまで『ファイト』(2005年前期)、『瞳』(2008年前期)と2回の朝ドラオーディションに参加したものの、いずれも1次テストで落選。“3度目の正直”で、『純と愛』では応募人数2258人の中からヒロインの座を射止めた。しかし、同作のストーリーは登場人物の認知症や溺死、舞台となるホテルの全焼など、不幸の連続だったこともあり批判が殺到。全151話の平均視聴率は17.1%だった。

「今回の『ちむどんどん』と同じく、『純と愛』のオンエア当時も、次の朝ドラへの期待が高まる風潮が漂っていました。実際、その揺り戻し効果も多少あったのか、2013年前期の『あまちゃん』は全話平均20.6%と、大台に持ち直しています。一方、夏菜は『純と愛』の呪縛から抜けきれないのか、ドラマの主演は務めるものの、今も深夜帯が多い。ただ、彼女の場合は朝ドラ前から『ピカルの定理』(フジテレビ系)に出演するなどバラエティの素質があっただけに、その両輪で生き延びた感があります。一方、黒島はそうではないので、今後が注目されますね」(同)

 また、黒島の場合、これまでどちらかというと元気な少女を演じることが多く、地声が比較的高いこともあり、『クロサギ』ではシリアスな役柄をどこまでこなせるかが、今後の女優人生を占う上での一つのキーポイントになりそうだ。