バナナマン、テレビ業界ウケが異常に良い理由&サンドウィッチマンとの最大の違い

 有吉弘行がこの秋から、月曜から日曜まで全曜日のゴールデン(19~22時)、プライム(19~23時)のテレビ番組を制覇することがわかった。現在、火曜の23時45分から放送されている『有吉クイズ』(テレビ朝日系)が火曜20時に昇格。これで7日間、有吉がGP帯のお茶の間を独占する。

 そんな中、同じようにほぼ毎曜日、ゴールデンタイムに出ているお笑いコンビがいる。それがバナナマンだ。月曜は『YOUは何しに日本へ?』(テレビ東京系)、火曜は『バナナサンド』(TBS系)、木曜は『奇跡体験!アンビリバボー』(フジテレビ系)、金曜は『沸騰ワード10』(日本テレビ系)、土曜は『ジョブチューン~アノ職業のヒミツぶっちゃけます!』(TBS系)と計5番組。

 また、彼らは金曜深夜にTBSラジオの『金曜JUNK バナナマンのバナナムーンGOLD』を担当。さらに、設楽統は平日午前に『ノンストップ!』(フジテレビ系)という月曜から金曜までの帯番組の司会を務め、加えてコンビとしては日曜深夜に放送されている『乃木坂工事中』(テレビ東京系)のMCでもある。

 同じように毎曜日のテレビに出ているサンドウィッチマンは『M-1グランプリ2007』(テレビ朝日系)の優勝を契機に大ブレイクしたが、バナナマンは気づけばここまでのし上がってきたイメージがある。その背景は? また、彼らしか持ち得ない安定感とは?

さまざまなジャンルの番組出演

 若手時代は、いわば“その他大勢”だった。さらにさかのぼれば、チョイ役の俳優として2時間のサスペンスドラマ枠『土曜ワイド劇場』(テレビ朝日系)にも2人で出ていたこともあるほどだ。そんな彼らが、どうやってそこから脱したのか? 
 
「まず、あらゆるジャンルの番組で爪痕を残したことが挙げられます。2007年放送の第20回『ビートたけしのお笑いウルトラクイズ』(日本テレビ系)では日村勇紀がカンニング竹山とともにに初優勝し、リアクション芸で認められました。また、深夜のバラエティ番組『虎の門』(テレビ朝日系、2001~08年)でバナナマンの2人は『話術王決定戦』に参戦。同企画は、同じ話をいかにおもしろく伝えられるかの話術を競うものなのですが、第2回は日村が、続く第3回で設楽も相次いで優勝し、コンビで連覇しています。

 さらに、『ウンナン極限ネタバトル!ザ・イロモネア~笑わせたら100万円!!~』(TBS系)では合計4回100万円を獲得(3回はコンビで、残り1回は設楽が『ピンモネア』というスピンオフ企画で優勝)。これによって、テレビ向けの一発ギャグなど即興性、瞬発力がものを言う企画でも存在感を見せつけました。しかも、本業のコント師としては『キングオブコント2008』(同)で準優勝と、地道ではありますが、各分野できちんと結果を残し、自分たちの技量を披露しているのです」(テレビ業界関係者)

日村のキャラと設楽のトーク力

 さらに、お茶の間に浸透するために欠かせなかったのが、日村による少年時代の貴乃花(貴乃花光司)のモノマネやイジられるキャラクターだったが、「それに重ねて、やはり設楽のトーク力が大きかった」(同)という。

 具体的には、どんなところが挙げられるのか?

「何よりも話し方がスマートで、聞いていて心地よいし、意識的だったのか、若手特有のとがった感じやギラギラ感もそこまで強く感じなかった。そのため、さまざまなトーク番組にゲストで出るたび、ポイントが“加点”されていった印象がある。また、適度に毒舌でありながら人の機微もわかるので、笑い系の番組もシリアスな番組もイケる。つまり、どの番組に当てはめてみてもうまくこなせる、ユーティリティーな幅広さがあった」(同)

 では、他のコンビとの違いはなんだろうか?

「たとえばその点、さまぁ~ずだと、どうしても感動系がなかなかイメージしにくい。また、タカアンドトシ、キャイ~ン、オードリー、ナインティナイン、くりぃむしちゅーのように、2人の掛け合いで番組を進行していくタイプとも違う。

 バナナマンと似たようなコンビだとサンドウィッチマンを思い浮かべますが、サンドはどの番組でも下ネタ系は言わない。バナナマンの場合、特に『バナナムーンGOLD』を中心に、そこもカバーできている。良い意味で、すべてが程よく、適度なコンビなのです」(同)

 8月19日深夜放送の『バナナムーンGOLD』では、本人たちも担当番組の息の長さに言及。『ノンストップ!』は11年目、『アンビリバボー』も司会を務めて今年10月で10年と振り返り、「10年続く番組、なかなかない。ありがたい話だよ」と感謝していた。

 他の番組を見ても、『YOUは何しに日本へ?』は9年、『沸騰ワード10』も7年、『ジョブチューン』もレギュラーパネラーとして9年。また、意外に思われるかもしれないが、『バナナマンのせっかくグルメ!!』(TBS系)も単発のパイロット版時代を含めると、8年もの歴史があるという。

「彼らの番組は、スタッフの努力もありますが、好不調の波がそれほどなく、常に安定しているということ。最近だと『せっかくグルメ!!』が好調で、8月14日の2時間スペシャルは世帯視聴率10.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、個人6.8%でした。裏の同日の『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ系)が世帯9.8%、個人6.2%、また『世界の果てまでイッテQ!』(同)が世帯9.9%、個人6.9%であることから見ても、まったく遜色ないどころか、互角に戦えている点が素晴らしい」(同)

 それでいて、ナインティナインやダウンタウンのように“ザ・大御所”といった風格や威厳は、良い意味でまとっていないため、視聴者に近いところにいる印象がある。

 さる8月、バナナマンの2人は恒例の単独コントライブ「BANANAMAN LIVE」を開催。一昨年、昨年はコロナ禍で見送りになったため、3年ぶりのステージとなり、チケットはいつものごとく即完だったという。どれだけ人気が出てもコントだけはやり続けるという、生粋の舞台人だ。

 普段の主戦場はテレビだが、こうしてネタもおろそかにせず、心血を注ぐところもまた、業界人から評価を受ける要因だろう。今後も活躍の場を広げていってほしいものだ。