24日発売の「週刊新潮」(新潮社)で、銀座の高級クラブでホステスに不適切な行為をはたらき、同店ママがホステスから損害賠償を求めて訴訟を起こされるという性加害問題を起こしていたと報じられた人気俳優の香川照之。26日にはMCを務める『THE TIME,』(TBS系)に出演し、「皆様にご迷惑、ご心配、ご心痛をおかけし誠に申し訳ございません」と謝罪した。
「新潮」によれば、香川は2019年に銀座の高級クラブを訪れた際、ホステスの体を触ったり、服の中に手を入れるなどの行為に及び、同店ママがホステスから損害賠償を求めて訴訟を起こされていたという。
タレントの不祥事報道を受けてテレビ局が出演する番組の放送見合わせや出演シーンのカットをしたり、CM出演契約中の企業が契約を解除したり、タレント側が自発的に出演自粛や活動休止を発表するといったケースは珍しくない。
たとえば2020年に不倫騒動を起こした渡部建(アンジャッシュ)は、第一報前にテレビ各局に出演見合わせを申し入れ。19年に詐欺グループら反社会的勢力が関与した闇営業への参加が発覚した宮迫博之は、当時所属していた吉本興業から謹慎処分が発表され、収録済の番組は宮迫の出演シーンをカットして放送され、出演中だったCMも放送が見合わせとなった。
最近では今年7月、木本武宏(TKO)が関与した投資トラブルで複数のタレントや仕事関係者が多額の損失を被っていると報じられ、所属事務所の松竹芸能は木本との契約解除という重い処分を下したが、すでに第一報前から木本サイドがテレビ各局に出演見合わせを申し入れしていたことがわかっている。
一方、香川は第一報の翌25日に「本人の至らなさで当該女性に不快の念を与えてしまったことは事実です」と謝罪コメントを発表したが、同日夜には香川が主要キャストを務める7月期の連続テレビドラマ『六本木クラス』(テレビ朝日系)の第8話が予定通り放送され、翌26日にも『THE TIME,』に出演。トヨタ自動車やサントリー、東洋水産、アリナミン製薬、大日本除虫菊など数多くの大手企業のCMにも出演中だが、現時点で契約解除や放送見合わせ、サイト上の動画・写真取り下げといった動きは出ていない。
CM出演契約中の各社はメディアの取材に対し、香川との契約について「検討中」としているなか、香川を自社メディア「トヨタイムズ」の編集長として起用しCMで豊田章男社長とも共演させているトヨタ自動車は26日、「社会的に許されざる行為であり、大変残念に思います」とのコメントを発表する一方、契約については「今後を注視させていただきたい」とするにとどめた。また、サントリーなど他社も「検討中」としており、CM出演継続に含みを持たせている。
「昨年に帝国ホテルで行われた、トヨタの章男社長の長男でウーブン・アルファ代表取締役の豊田大輔氏の『結婚を祝う会』に香川照之も出席していたという情報も伝わっており、香川は章男社長のお気に入り。自社のPRや情報発信のために注力する『トヨタイムズ』の編集長にも抜擢しており、もし降板させれば起用した担当者の責任問題も沸いてくるので、このまま継続させるという見方が強い」(全国紙記者)
『香川照之の昆虫すごいぜ!』も継続
香川はNHK Eテレで『香川照之の昆虫すごいぜ!』というレギュラー番組を持ち、代表を務めるアランチヲネでは子供服ブランド「Insect Garden」や「洋服や絵本を通して自然教育の重要性を親子に届ける通販メディア」を謳う「INSECT MARKET」を展開するなど子供向けビジネスも手掛け、幅広い活動を展開しているが、NHKもメディア各社の取材に対し「対応を取る予定はありません」としており、現時点では放送を継続させる意向を示している。
「『昆虫すごいぜ!』は書籍化され販売されたり、学校向けデジタル教材『NHK for School』でもコンテンツ化されていたりと、NHKは関連ビジネスを広げており、番組を終了させれば他にも影響が出てくる。また、“先生役”で昆虫マニアの香川ありきで始まった番組でもあり、香川抜きでは成立しないため、降板させて代役を立てるというのも難しく、NHKとしては番組継続という選択しかないのが実情だろう」(テレビ局関係者)
大手企業とテレビ局の意識
また、大手企業やテレビ局の体質も、香川が降板などを逃れることを後押ししているという見方もある。
「不倫の渡部や事務所に黙って営業の仕事をした宮迫、詐欺グループだと知らずに芸人仲間を投資グループに紹介した木本が活動休止という制裁を受ける一方、一般女性への性加害という行為をおかしPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症させた香川が“お咎めなし”というのは、違和感を感じる向きもあるだろう。
今回の事案が起きた場所が銀座の高級クラブという要素も、各企業の判断に影響している。香川の出演を継続させるか降板させるか、CM契約をどうするのかといったマターは各企業やテレビ局の経営判断になってくるが、特に50代以上の男性管理職や役員の間に“酔った上での粗相”“銀座のクラブが客の情報を漏らしていいのか”という意識があるのは否定できない。実際にウチにも“何年も前の情報をホステスに漏らされた香川が気の毒”と口にする管理職までいる。
また、香川照之はコメントで『お相手の方には、ご理解とお許しをいただいております』『ご報告の文面も、お相手の方のご了承を得て発信させていただいている』としており、すでに訴訟も取り下げられ和解が成立している様子だということもあり、降板までさせようという空気は伝わってこない」(テレビ局関係者)
こんな声も聞かれる。
「もし仮に一社でも降板のような動きを見せれば、他社も追随して一斉に同様の対応を取らざるを得なくなるが、キー局や香川をCMで起用しているような大企業の間には“一流企業同士”という仲間内意識が存在する。降板や契約解除ともなれば各社ともそれなりに面倒な対応を強いられることになり、自分の会社がその口火を切ることで混乱が生じて“他社さまにご迷惑をおかけする”というのは避けたいところだろう」(上場企業管理職)
香川の活動継続を世間はどう見ているのだろうか――。
(文=Business Journal編集部)