NHK連続テレビ小説『ちむどんどん』の8月18日放送回をめぐり、主人公・暢子(黒島結菜)の兄である“ニーニー”こと賢秀(竜星涼)に対して呆れ声が続出している。といっても、賢秀が批判を浴びるのは今回が初めてではなく、放送スタート当初から『ちむどんどん』に対しては批判や不評が多い状況が続いている。
同ドラマでは、沖縄料理に夢を懸けるヒロイン・暢子の半生が描かれる。第1~25回までは沖縄編のストーリーを展開していたが、第26回からは東京・鶴見編に移行。暢子は鶴見の下宿先・沖縄料理居酒屋「あまゆ」を手伝いながら、銀座のイタリアンレストラン「アッラ・フォンターナ」で西洋料理の修業も積み、自分の店を持つための資金を貯めていた。
そんな暢子の兄・賢秀というのが素行の悪いキャラクターで、一攫千金を夢見るが、逆に借金を作るなど金銭トラブルを起こしてばかりのため、ネット上には「ニーニーが最悪すぎる」「笑えなくなってきた」と、たびたび苦言が寄せられていた。
しかし、今月18日放送回では、またしても賢秀のせいで騒動が勃発。ねずみ講に手を染めていた賢秀は、目を覚まして退会しようとするも、ビジネスの主犯格・黒岩(木村了)から違約金200万円を要求され、暴力を振るわれる。賢秀を助けに向かった暢子は、自分の開店資金200万円を黒岩に渡してしまうのだった。
賢秀は、暢子の夫・和彦(宮沢氷魚)や幼馴染・智(前田公輝) の前で土下座して「今度こそ心を入れ替えて地道に働く」と述べたが、続けて「何年かかっても、暢子の200万、必ず、必ず倍にして返す」と発言。賢秀は以前にも金銭トラブルを起こして家族に迷惑をかけ、やはり“倍にして返す”と宣言していたため、ネット上では「ニーニーの『倍にして返す』は信用できん」「絶対反省してない」と呆れられてしまった。
このように、賢秀の言動が視聴者をイラつかせている『ちむどんどん』だが、それ以外の批判も多い。実は、明るくて前向きなキャラの暢子に対しても、「厚かましい」「非常識すぎる」という声は少なくないのだ。
たとえば、5月24日放送回。「アッラ・フォンターナ」で暢子の先輩料理人が調理したペペロンチーノに対し、オーナー・房子(原田美枝子)は試食した上で“ダメ出し”したのだが、暢子は「美味しいと思いました」「オーナーは、自分で料理しないくせに偉そうです」と発言。ネット上では「暢子のほうが偉そうなこと言っててヤバい」「世間知らずとかそういうレベルじゃない。失礼すぎる」などと“ドン引き”されていた。
“共感を抱かせる”要素
『ちむどんどん』の登場キャラクターのセリフが物議を醸した例はほかにも。7月25日放送回では和彦の上司・田良島(山中崇)が「母親の一番の不幸は、息子と結婚できないことって言うからなぁ」と口にしたことで、「全然理解できないし気持ち悪い!」「田良島さんのキャラ好きだったのに、急に酷いセリフが出てきてもう無理」などと嫌悪感を示すネットユーザーが続出したのだった。
また、暢子と和彦の結婚式が行われた8月12日放送回をめぐっては、智への同情コメントが飛び交うことに。智は以前、暢子にプロポーズして断られたという経緯があるのだが、暢子と和彦の披露宴会場に無理やり連れてこられた挙句、お祝いのスピーチを強要される展開に。ネット上では「智が可哀想すぎる。振られたのに“公開処刑”じゃん」「脚本家や演出家はこれがウケると思ったの? 悲しすぎるんだが?」などと不評を買っていた。
そのほか、5月23日放送回は時代設定が1972年であるにもかかわらずペットボトル入り醤油が映り込み、ネットユーザーから「この時代に存在するもの?」「時代考証ミスか?」とツッコミが寄せられたシーンも。なお、同場面については6月6日配信のニュースサイト「J-CASTニュース」記事も取り上げており、醤油メーカー・キッコーマンから「1977年にしょうゆの容器としてペットボトルを採用」「ペットボトルの食品での採用は日本で初めて」という回答を得ていた。テレビ局関係者はいう。
「過去の朝ドラと比べて、『ちむどんどん』に特段に何か悪い面や劣っている面があるとは思えない。しいて言うなら、歴代の朝ドラの主人公は、男女問わず多くの日本人が“あるべき理想の女性像”と思えるキャラクターで、たまに道から外れることはあっても、見ている側に“心配になってしまう”“応援したい”と思わせる共感できる要素がある。一方、『ちむどんどん』の暢子には、どうも視聴者にそうした“共感を抱かせる”要素が少なく、理解に苦しんだり反感を覚えさせる振る舞いが多いようにも感じる。
もっとも、前クール放送の『カムカムエヴリバディ』がとても好評だったので、それとの対比で叩かれてしまっている面もあるのでは」
『ちむどんどん』は、視聴率面でもやや苦戦気味。前クールに放送されていた『カムカムエヴリバディ』は全話通しての世帯平均視聴率17.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録しており、歴代の朝ドラと比べてずば抜けて良いというわけではないが、とにかく視聴者からの評判が良かった。それで口コミが広がったのか、後半は週ごとの平均が18%台となることも少なくなかった。
一方、『ちむどんどん』はこれまで、週ごとの平均は14~16%台を推移中。9月30日の最終回まで、あと1カ月ちょっとしかないが、数字を上げていけるだろうか。
(文=Business Journal編集部)