ひろゆき「賠償金逃れで海外逃亡」説をドワンゴ川上氏が否定 ガーシー発言に反論

 2ちゃんねる開設者の「ひろゆき」こと西村博之が裁判で命じられた賠償金を「踏み倒す」ために現在居住しているフランスへ海外逃亡したとの説について、盟友であるドワンゴ創業者の川上量生氏が完全否定した。

 川上氏は8日、自身のブログで「ひろゆきの賠償金未払いの真相について」と題し、暴露系YouTuberで参院議員の「ガーシー」こと東谷義和がひろゆきに対して「同じ穴のムジナ」と言い放った騒動に言及した。

 騒動の発端は、ひろゆきが自身のTwitterで「詐欺の逃亡犯」などと東谷を揶揄したこと。それに対して東谷が「不当逮捕のおそれがあるので帰国せずにドバイに滞在している」とする自身の状況と「賠償金から逃れるためにフランスへ逃亡した」とされるひろゆきの境遇について「同じようなものだが、自分は被害者にお金を返している」と言い返したことで騒動がヒートアップした。

 この件について、川上氏は「まず、これはひろゆき自身も書いていることだが、パリに住んでいることと賠償金未払いというのは全く関係ない」と断言、「ひろゆきがパリへ移住したのは、賠償金の支払う義務が時効により消滅してから後だ」「だからひろゆきは賠償金の支払いから逃れるためにパリに逃げているわけではない。たんに移住しただけだ」とも綴り、逃亡説を完全否定した。

 また、ひろゆきが総額30億円ともいわれる賠償金を抱えるようになったのは「2ちゃんねるに関わる訴訟の数が膨大になってきて、物理的に出廷が不可能になった」からだとし、川上氏は「ひろゆきが踏み倒したとされる賠償金も、裁判に出席しないから負けただけで、ちゃんと裁判をしてればそもそも支払う必要のないお金だということだ」と持論を述べている。

 ひろゆきが訴訟を起こされたのは、2ちゃんねるで名誉棄損などの悪質な書き込みを削除せずに放置したことが理由であるケースが大半だが、これも川上氏は当時ネットにうとい人が多かったために「2ちゃんねるが用意した削除要請のフォーマットは見てもらえず、いきなり訴訟をおこなうケースが全国で多発していた」という事情があったと明かした。

 川上氏はひろゆきについて、某有名動画サイトの立ち上げに協力してもらうようになってからは「裁判に応じるようになったので、新しい賠償金は発生していない」とし、改めて「裁判さえちゃんとすればひろゆきが勝つ」と強調している。

 川上氏はその一方で「いずれにせよ、ひろゆきの訴訟無視、賠償金支払い無視という戦略を、同情の余地はあるにせよ、僕として肯定しているわけではない。やはりまともな社会人としてはあり得ないと当時も今も思っている」とも綴っているが、東谷の「同じ穴のムジナ」発言については「ひろゆきの賠償金未払いとは根本的に性質が異なる」と指摘した。

 これを受けて、ひろゆきはTwitterで「現在はプロバイダー責任法案があるので、Twitterで名誉毀損する人が責任を負いますし、Twitterは責任ないです。過去はTwitterで名誉毀損が起きたらTwitter社が投稿を知らなくても裁判されるとTwitter社が負けるという法整備でした。おいらが法が悪いと言ってた所以です」とコメントし、当時の“法の不備”によって多くの訴訟を起こされていたのだと主張している。

「ちゃんと裁判すれば勝つ」に疑問の声も

 これにネット上では「自分もフランスに逃げたと思ってたけど、真相はこういうことだったの?」「勘違いしている人は多そう」「ひろゆきは時代の被害者なのは間違いない」といった声が寄せられている。

 ただ、川上氏の「ちゃんと裁判していればひろゆきが勝っていた」という主張には疑問の声も。たとえば、2002年に動物病院が2ちゃんねるの悪質な書き込みで名誉を傷つけられたとして損害賠償を求めた裁判では、ひろゆきが裁判に応じていたものの「削除要請を無視したのは違法」と判断され、1審・2審ともに敗訴。ひろゆきは最高裁に上告したが、敗訴が確定している。

 ひろゆきと東谷のバトルの背景には、川上氏が立ち上げたドワンゴと東谷の親友で「FC2」創業者の高橋理洋氏が動画サイトのコメント表示機能をめぐって係争中という事情がある。東谷は「川上氏の指示でひろゆきが攻撃してきた」と主張しているが、川上氏は「僕とひろゆきは盟友ではあるが、僕にはひろゆきのコントロールは不可能」と否定した。

 また、川上氏によると「高橋氏と和解しなかったことを後悔させてやる」と東谷から“暴露宣言”されているそう。川上氏は「ドワンゴと(親会社の)KADOKAWAに関する暴露ネタを提供すると高橋氏が最大300万円の謝礼を払ってくれるそうだ」とし、これについて「ただの恐喝だ」と断じている。

 ひろゆきと東谷のSNSなどを通じた批判合戦から、人気サイトの創業者らを巻き込んだ大きな騒動に発展している今回の一件。弁が立つ人物がそろっているだけに今後も激しい舌戦が繰り広げられそうだ。