今季5年目を迎えた北海道日本ハムファイターズの清宮幸太郎が、その素質を開花させ始めた。高校通算111本塁打という大記録を引っさげ、鳴り物入りでプロ入りし、1年目から7本塁打を放ったが、昨季までの通算本塁打数は21本。プロ4年目の昨季は1軍出場そのものがなく、少々伸び悩んでいるようにも見えた。
ところが、昨季オフに“ビッグボス”こと新庄剛志が監督に就任して早々に「デブじゃね?」と厳しい言葉を投げかけられた清宮は、9キロの減量を果たして2年ぶりに1軍出場を果たす。すると、7月18日の時点で77試合に出場し、打率.233、本塁打は11本と自己最多を記録している。
打率こそ低めだが、スリムな体型になったことで本来の力強いスイングがよみがえったのか、打球は力強く伸びることが多く、ここまで53安打のうち半数以上の32本が二塁打以上の長打。打者の能力を表す指数のOPS(出塁率+長打率)では.800と好成績を残している。
そんな清宮だが、打点はわずか23。クリーンナップを任されることが多い打者にしてはかなり少ないが、それもそのはず。本塁打11本がすべてソロなのだ。得点圏打率が.167と低いことも影響しているが、ここまでソロアーチが続くというのもかなり珍しい。
では、プロ野球史上、連続ソロ本塁打の最長記録保持者は誰なのだろうか?
連続ソロ本塁打とチーム成績の不思議な関係
調べたのは、2000年以降のシーズンで開幕1号からソロ本塁打を連続して放った打者。あわせて、その選手のシーズン成績、並びにチーム順位も見てみよう。
最多は、2002年に阪神タイガースの浜中おさむが記録した15本。前年の終盤からクリーンナップを務め、13本塁打を放って規定打席に到達するなど、長距離砲としての素質を開花させ始めた時期だったが、この年は中軸を務めながらもソロアーチが多かったためか打点が伸びず、最終的に前年より5本多い18本塁打を放ったものの、打点は前年の53を下回る51にとどまった。チームも前半戦こそ首位を独走していたが、6月以降に失速して、最終的には4位に終わっている。
これに続いたのが、2009年の横浜ベイスターズの内川聖一。前年に首位打者を獲得し、開幕前にはワールド・ベースボール・クラシック日本代表として活躍するという充実した状態でシーズンを迎え、主に3番打者として打率はリーグ2位の.318を記録。本塁打も当時の自己最多タイの17本を放ったが、そのうち14本がソロだった。チームも暗黒期で、この年は2年連続の最下位に沈む。内川が孤軍奮闘していた様子がうかがえる。
一方、シーズンで放った10本塁打すべてがソロアーチだったのが、昨季の千葉ロッテマリーンズの荻野貴司。彼の場合は主に1番打者を務めることが多く、この年は初回先頭打者本塁打を4本も放つなど、チームを勢いづける核弾頭となったことで、ロッテは2位に食い込んだ。
ちなみに、今季の清宮は荻野を上回る11本連続ソロで歴代3位に入っている。浜中や内川と同じくクリーンナップを務めることが多いが、日本ハムは勝ち切れず、7月18日の時点でパ・リーグ最下位に沈んでいる。
清宮の本塁打の内訳を見ると先制弾こそ2本あるが、直接の勝ち越し点になったことは現時点で一度もなく、本塁打を打った試合は4勝5敗と負け越し。2打席連続で本塁打を放った5月5日の対東北楽天ゴールデンイーグルス戦、5月28日の対巨人戦、ともに4対8で敗れているのも偶然ではないだろう。
また、参考記録として紹介した中日ドラゴンズのゲレーロは2017年に17本連続ソロ本塁打を放ち、その年は35本で本塁打王のタイトルを獲得したが、チームは5位に低迷。横浜DeNAベイスターズの白崎浩之は2012年に入団以来、在籍6年間で放った13本塁打すべてソロだったが、その間のチームはBクラスが4回、最下位も2度経験している。
通算868本の本塁打を放った“世界の本塁打王”こと巨人の王貞治の走者別本塁打数は、ソロが463本(53%)、2ランが288本(33%)、3ランが102本(12%)、満塁が15本(2%)。塁上にランナーがいるほど本塁打が打ちにくくなるのは、当然ながら相手バッテリーに警戒されるためである。
これらのデータを見ると、現在最下位の日本ハムが浮上するには、清宮のソロ本塁打連続記録が途切れることが必要不可欠といえる。清宮が好機で本塁打を放つのが待ち遠しい。