新番組パクリ疑惑でアンガ田中を謝罪に追い込んだフジテレビの不始末

 フジテレビ系で4月からスタートした新番組『呼び出し先生タナカ』が、同局の『めちゃ×2 イケてるッ!』(~2018年)内の企画「抜き打ちテスト」の“パクリ”ではないかという疑惑が浮上し、ネット上で炎上している。28日付「文春オンライン」記事によれば、『呼び出し先生』のMCで担任役を務める田中卓志(アンガールズ)が、『めちゃイケ』企画で担任役だった岡村隆史(ナインティナイン)に直接電話をかけて謝罪したといい、出演タレント本人に謝罪をさせたフジの不手際に批判が集まっている。

『呼び出し先生』は、生徒役のタレントたちが小中学校レベルの学力テストに挑み、彼らの“おバカ解答”を取り上げながら田中と副担任役の長谷川忍(シソンヌ)がツッコミを入れていくバラエティ番組。一方、岡村が担任役、佐野瑞樹アナウンサーが副担任役を務めていた『めちゃイケ』の「抜き打ちテスト」もほぼまったく同じ内容の企画だったため、『呼び出し先生』放送直後からSNS上では“『めちゃイケ』のパクリではないか?”という声が続出。

 これを受け5月5日配信のネットラジオ番組『アンガールズのジャンピン』(ニッポン放送 Podcast Station)内で田中は、「『めちゃイケ』をやっていたスタッフさんも入っているし、フジテレビの番組内で企画を使うって、別に悪いことでもないしさ」とコメントしたが、12日放送のラジオ番組『ナインティナインのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)で今度は岡村がこの件について触れ、次のように語った。

「どう思って番組つくってるのか。俺とか(よゐこ・)濱口(優)とかの顔は、まったく浮かばへんかったのかなと思ってさ。こんな悲しいことある? 他のメンバーもどう思ってるのかな」

「俺も出してくれへん?(笑) 全教科やったら、しんどいでしょう。英国数だけやらしてくれへん? ノウハウは知っているから」

人事でも番組でも“過去の使い回し”

「文春」記事によれば、田中の所属事務所ワタナベエンターテインメントは新番組への出演オファーを受けた際、フジ側に『めちゃイケ』スタッフやナイナイに承諾を得ている旨を確認していたというが、もしこれが事実であれば、フジは自社の不手際によって出演するタレント本人を謝罪に追い込む格好になったといえる。

「もし新番組の総合プロデューサーなどスタッフ上層部が『めちゃイケ』と同じ人物であったり、明確に『めちゃイケ』からのスピンオフ番組だと打ち出していれば、騒動にはならなかった。さすがにフジが事前にナイナイにまで仁義を通す必要はない話だし、岡村もラジオで単に“ネタ”として話しただけで怒っているということはないだろうが、今回やや事情が複雑なのは、『呼び出し先生』が始まったのが、『めちゃイケ』で総合演出を務めていた片岡飛鳥氏やプロデューサーだった明松功氏がフジの早期退職希望者募集で退社した直後になったという点。『呼び出し先生』の制作には『めちゃイケ』元スタッフも少なからず参加しているとのことだが、主要スタッフたちが会社を去った直後というタイミングで、彼らの下にしたスタッフたちが、まったく同じ内容の番組を始めたということでハレーションが起きた面もあるだろう。

 企画の段階でスタッフの間から『めちゃイケ』との類似性を指摘する声が出なかったのか、出たもののもみ消されたのか、はたまた自局だから問題ないと判断されたのか、経緯はわからないが、すったもんだの末に低視聴率を理由に4年前に打ち切られた番組の一企画を切り出して、しれっと新番組として始めてしまうところに、視聴率低迷が続くフジテレビのダメさが表れている。

 フジは今月、かつて『オールナイトフジ』『とんねるずのみなさんのおかげでした』などの人気番組を手掛け、現在は共同テレビジョン社長に出ていた港浩一氏を社長に起用すると発表し、『東京ラブストーリー』『101回目のプロポーズ』など多くのヒットドラマを生んだ大多亮常務を編成担当に据えるなど、過去に成功した人間を戻せば回復すると安易に考えている節がある。人事でも番組でも“過去の使い回し”ばかりで、今回の『呼び出し先生』の一件はその最たるもの」

「情報管理がまったくなっていないフジテレビ」

 フジテレビは親会社フジ・メディア・ホールディングスの2022年3月期連結決算で純利益が前年比約2.4倍になるなど回復基調もみられるが、ここ数年は視聴率低迷と業績悪化が叫ばれ、昨年度は事実上の早期希望退職者募集を行うことを発表し話題を呼んだ。

「今に始まったことではないが、たとえば未発表のドラマのキャスティング情報や、関係者しか知りえない収録現場での細かい出来事がメディアで報じられたり、社内情報が外部に漏れたりするケースが後を絶たないため、特に俳優系の芸能事務所のなかには、情報管理がまったくなっていないフジの仕事に後ろ向きなところも少なくない。他のキー局と比べても、いろいろな面で“テキトー”というか、昔の悪しき業界の慣習をいまだに引きずってる部分が強く、それが結果的にタレントに不快な思いを抱かせることにつながるケースもあるのでは。

 たとえば、『とんねるずのみなさんのおかげでした』(~18年)内の企画「博士と助手〜細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」がスピンオフするかたちで、放送終了後に特番『ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ』として不定期で放送されているが、『みなさんのおかげでした』時代は同企画レギュラー陣だった木梨憲武と関根勤は新たな特番のほうには出ていない。これも、フジ側がしっかりと説明や根回しをしていなかったばっかりに木梨と関根が出演に難色を示したためだといわれている」(テレビ局関係者)

 ゴールデン帯の初の冠番組でのMCとなった田中にとっては、思いもよらぬ“アクシデント”で出鼻をくじかれたといえよう。

(文=Business Journal編集部)